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「お嬢! 蛮族共が攻めて来やがりました!」
マリウスがシオンに縛り付けられ、北の砦に向けて飛び立った直後、斥候が急を知らせに駆け付けて来た。
「規模は? 魔族軍は一緒に居る?」
「いえ、今回は蛮族共だけのようです」
「そう...」
報告を受けたリリアナはちょっと考え込んだ後、
「おじ様とおば様はここで待機していて下さい」
「了解した」
「リリアナちゃん、気を付けてね」
「殿下、行きましょう」
「あぁ、分かった」
「ファルファル、行くよ」
「クエッ!」
魔族軍が一緒でないことを受けて、リリアナは北の砦軍を温存することにした。クラウドと二人、ファルファルに跨がって最前線へと向かう。
◇◇◇
一方その頃、蛮族に協力して南の砦に攻め込もうとしていた魔族軍では、ちょっとした騒ぎが起こっていた。
蛮族と足並みが揃わなかったのはそのせいである。
「た、大変です! お頭! ま、魔王様が、あ、アモン様がやって来られました!」
斥候が慌てた様子で飛んで来た。
「なんだと!? 兄貴が!? まさかバレたのか!?」
魔王アモンの双子の弟サモンは報告を受けて文字通り飛び上がった。
「わ、分かりません! お、お頭! ど、どうしましょうか!」
「落ち着け! まずは俺が話をする!」
そう言ってサモンは飛び去って行った。
◇◇◇
少し時は流れて、南の砦を出発したシオンが北の砦に降り立った。
「シオン、ご苦労様」
「グオッ!」
ミランダはシオンの背中に縛り付けられて気絶しているマリウスに話し掛けた。
「殿下、着きましたよ」
返事が無い。まるで屍のようだ。
「ちょっとママ! 恥ずかしいからこんな所で着替えないでよ!」
「ぬわにぃ~! アマンダ夫人の生着替えだとぉ~!」
途端にマリウスの意識が覚醒した。ついでに下半身の一部も。
「目が覚めたようでなによりです。ムスコさんの方もね」
ミランダは汚い物を見るような蔑んだ瞳でマリウスを見下ろした。
「あぅ...こ、これはその...」
状況を理解したマリウスが羞恥で真っ赤になる。
「ちゃんと伝えてくれたんでしょうね?」
「も、もちろんだとも!」
「ならいいです」
ミランダはマリウスを縛り付けているロープを解いてやった。
「フゥ...ありがとう...」
「どういたしまして。さぁ、トレーニングを始めますよ。準備して下さい」
「い、いや、ちょ、ちょっと待って! す、少し休ませてくれよ! 一日に二度も気絶したんだぞ...」
「でも元気じゃないですか。特に下半身が」
「うぐ...そ、それは...」
全くの事実なのでマリウスは何も言えなくなってしまった。
マリウスがシオンに縛り付けられ、北の砦に向けて飛び立った直後、斥候が急を知らせに駆け付けて来た。
「規模は? 魔族軍は一緒に居る?」
「いえ、今回は蛮族共だけのようです」
「そう...」
報告を受けたリリアナはちょっと考え込んだ後、
「おじ様とおば様はここで待機していて下さい」
「了解した」
「リリアナちゃん、気を付けてね」
「殿下、行きましょう」
「あぁ、分かった」
「ファルファル、行くよ」
「クエッ!」
魔族軍が一緒でないことを受けて、リリアナは北の砦軍を温存することにした。クラウドと二人、ファルファルに跨がって最前線へと向かう。
◇◇◇
一方その頃、蛮族に協力して南の砦に攻め込もうとしていた魔族軍では、ちょっとした騒ぎが起こっていた。
蛮族と足並みが揃わなかったのはそのせいである。
「た、大変です! お頭! ま、魔王様が、あ、アモン様がやって来られました!」
斥候が慌てた様子で飛んで来た。
「なんだと!? 兄貴が!? まさかバレたのか!?」
魔王アモンの双子の弟サモンは報告を受けて文字通り飛び上がった。
「わ、分かりません! お、お頭! ど、どうしましょうか!」
「落ち着け! まずは俺が話をする!」
そう言ってサモンは飛び去って行った。
◇◇◇
少し時は流れて、南の砦を出発したシオンが北の砦に降り立った。
「シオン、ご苦労様」
「グオッ!」
ミランダはシオンの背中に縛り付けられて気絶しているマリウスに話し掛けた。
「殿下、着きましたよ」
返事が無い。まるで屍のようだ。
「ちょっとママ! 恥ずかしいからこんな所で着替えないでよ!」
「ぬわにぃ~! アマンダ夫人の生着替えだとぉ~!」
途端にマリウスの意識が覚醒した。ついでに下半身の一部も。
「目が覚めたようでなによりです。ムスコさんの方もね」
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「あぅ...こ、これはその...」
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「ちゃんと伝えてくれたんでしょうね?」
「も、もちろんだとも!」
「ならいいです」
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「フゥ...ありがとう...」
「どういたしまして。さぁ、トレーニングを始めますよ。準備して下さい」
「い、いや、ちょ、ちょっと待って! す、少し休ませてくれよ! 一日に二度も気絶したんだぞ...」
「でも元気じゃないですか。特に下半身が」
「うぐ...そ、それは...」
全くの事実なのでマリウスは何も言えなくなってしまった。
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