我が家の乗っ取りを企む婚約者とその幼馴染みに鉄槌を下します!

真理亜

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「別にいいじゃないの? 私一人が居なくたって式は滞りなく挙げられるでしょ?」

「だからそういう問題じゃないって言ってんでしょうがぁ!」

「なにが問題なのよ?」

「体裁的に問題になって来るでしょ!? 兄の結婚式に実の妹が出席しないなんて前代未聞よ!? それじゃまるで妹はこの結婚を祝福してないみたいに映るじゃないのよ!」

「うん、だって祝福してないからね」

 私はハッキリと言い切った。

「ハッキリ言わないで! 実の妹不在の結婚式が他の来賓にどう思われるか想像してみてちょうだいよ! 有ること無いこと噂されるのがオチじゃない!」

「そんなの知ったこっちゃないし。噂されてもこっちは痛くも痒くもないし」

「なんて人なの! 見損なったわよ! アンリエット!」

「お褒めに預かりどうも」

「いや誰も褒めてねぇし!」

「とにかく、なんと言われようと私はあんたらの結婚式に参列する気はないから。やりたきゃ勝手にやって」

 私は最後通告した。

「ふうん、そういう態度で来るんだぁ~?」

 するとエリザベートの目が怪しく光った。あれはなんか企んでいる時の目だな。私ちょっと警戒を強めた。

「結婚式には当然ケイトリンも呼んでるんだけど。ケイトリンはきっとこのことを知ったら悲しむわよねぇ? いいの? 親友を悲しませても?」

 なるほど。今度は搦め手で来たか。

「ケイトリンには後で私から事細かに説明しとくから大丈夫よ。きっとあの娘も事情を知れば納得してくれるだろうから。それに確かあの娘の結婚式ももうそろそろじゃなかったかしら?」

「あ、そうね。再来月だったかしら?」

「エリザベート、お祝いの品はもう決めた?」

「ううん、まだ。それどころじゃなかったし」

「あぁ、そりゃそうよね。だったら連名で贈らない? 確かこの辺に...あ、あったあった」

 私は引き出しの中からお祝い品のカタログを取り出した。

「どれどれ...なるほど...色んな物があるのね...」

「ねぇ、これなんかどう?」

「う~ん...それもいいけど、こっちも捨て難いわねぇ...」

「あ、これ可愛いかも」

「どれどれ...うん、可愛い可愛い」

 そんなこんなで色々と迷った挙げ句、なんとか良さげな贈り物が見付かった。

「それじゃこの品を私達の連名で贈るってことで」

「異議な~し!」

「発送の手配は私がやっとくね~」

「ありがと~!」

「お疲れ様~ 気を付けて帰ってね~」

「は~い、またね~...って、そうじゃな~い!」

 チェッ! 流されてくれなかったか。残念無念...
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