233 / 276
233
しおりを挟む
「別にいいじゃないの? 私一人が居なくたって式は滞りなく挙げられるでしょ?」
「だからそういう問題じゃないって言ってんでしょうがぁ!」
「なにが問題なのよ?」
「体裁的に問題になって来るでしょ!? 兄の結婚式に実の妹が出席しないなんて前代未聞よ!? それじゃまるで妹はこの結婚を祝福してないみたいに映るじゃないのよ!」
「うん、だって祝福してないからね」
私はハッキリと言い切った。
「ハッキリ言わないで! 実の妹不在の結婚式が他の来賓にどう思われるか想像してみてちょうだいよ! 有ること無いこと噂されるのがオチじゃない!」
「そんなの知ったこっちゃないし。噂されてもこっちは痛くも痒くもないし」
「なんて人なの! 見損なったわよ! アンリエット!」
「お褒めに預かりどうも」
「いや誰も褒めてねぇし!」
「とにかく、なんと言われようと私はあんたらの結婚式に参列する気はないから。やりたきゃ勝手にやって」
私は最後通告した。
「ふうん、そういう態度で来るんだぁ~?」
するとエリザベートの目が怪しく光った。あれはなんか企んでいる時の目だな。私ちょっと警戒を強めた。
「結婚式には当然ケイトリンも呼んでるんだけど。ケイトリンはきっとこのことを知ったら悲しむわよねぇ? いいの? 親友を悲しませても?」
なるほど。今度は搦め手で来たか。
「ケイトリンには後で私から事細かに説明しとくから大丈夫よ。きっとあの娘も事情を知れば納得してくれるだろうから。それに確かあの娘の結婚式ももうそろそろじゃなかったかしら?」
「あ、そうね。再来月だったかしら?」
「エリザベート、お祝いの品はもう決めた?」
「ううん、まだ。それどころじゃなかったし」
「あぁ、そりゃそうよね。だったら連名で贈らない? 確かこの辺に...あ、あったあった」
私は引き出しの中からお祝い品のカタログを取り出した。
「どれどれ...なるほど...色んな物があるのね...」
「ねぇ、これなんかどう?」
「う~ん...それもいいけど、こっちも捨て難いわねぇ...」
「あ、これ可愛いかも」
「どれどれ...うん、可愛い可愛い」
そんなこんなで色々と迷った挙げ句、なんとか良さげな贈り物が見付かった。
「それじゃこの品を私達の連名で贈るってことで」
「異議な~し!」
「発送の手配は私がやっとくね~」
「ありがと~!」
「お疲れ様~ 気を付けて帰ってね~」
「は~い、またね~...って、そうじゃな~い!」
チェッ! 流されてくれなかったか。残念無念...
「だからそういう問題じゃないって言ってんでしょうがぁ!」
「なにが問題なのよ?」
「体裁的に問題になって来るでしょ!? 兄の結婚式に実の妹が出席しないなんて前代未聞よ!? それじゃまるで妹はこの結婚を祝福してないみたいに映るじゃないのよ!」
「うん、だって祝福してないからね」
私はハッキリと言い切った。
「ハッキリ言わないで! 実の妹不在の結婚式が他の来賓にどう思われるか想像してみてちょうだいよ! 有ること無いこと噂されるのがオチじゃない!」
「そんなの知ったこっちゃないし。噂されてもこっちは痛くも痒くもないし」
「なんて人なの! 見損なったわよ! アンリエット!」
「お褒めに預かりどうも」
「いや誰も褒めてねぇし!」
「とにかく、なんと言われようと私はあんたらの結婚式に参列する気はないから。やりたきゃ勝手にやって」
私は最後通告した。
「ふうん、そういう態度で来るんだぁ~?」
するとエリザベートの目が怪しく光った。あれはなんか企んでいる時の目だな。私ちょっと警戒を強めた。
「結婚式には当然ケイトリンも呼んでるんだけど。ケイトリンはきっとこのことを知ったら悲しむわよねぇ? いいの? 親友を悲しませても?」
なるほど。今度は搦め手で来たか。
「ケイトリンには後で私から事細かに説明しとくから大丈夫よ。きっとあの娘も事情を知れば納得してくれるだろうから。それに確かあの娘の結婚式ももうそろそろじゃなかったかしら?」
「あ、そうね。再来月だったかしら?」
「エリザベート、お祝いの品はもう決めた?」
「ううん、まだ。それどころじゃなかったし」
「あぁ、そりゃそうよね。だったら連名で贈らない? 確かこの辺に...あ、あったあった」
私は引き出しの中からお祝い品のカタログを取り出した。
「どれどれ...なるほど...色んな物があるのね...」
「ねぇ、これなんかどう?」
「う~ん...それもいいけど、こっちも捨て難いわねぇ...」
「あ、これ可愛いかも」
「どれどれ...うん、可愛い可愛い」
そんなこんなで色々と迷った挙げ句、なんとか良さげな贈り物が見付かった。
「それじゃこの品を私達の連名で贈るってことで」
「異議な~し!」
「発送の手配は私がやっとくね~」
「ありがと~!」
「お疲れ様~ 気を付けて帰ってね~」
「は~い、またね~...って、そうじゃな~い!」
チェッ! 流されてくれなかったか。残念無念...
24
お気に入りに追加
3,482
あなたにおすすめの小説

「君を愛するつもりはない」と言ったら、泣いて喜ばれた
菱田もな
恋愛
完璧令嬢と名高い公爵家の一人娘シャーロットとの婚約が決まった第二皇子オズワルド。しかし、これは政略結婚で、婚約にもシャーロット自身にも全く興味がない。初めての顔合わせの場で「悪いが、君を愛するつもりはない」とはっきり告げたオズワルドに、シャーロットはなぜか歓喜の涙を浮かべて…?
※他サイトでも掲載中しております。

真実の愛がどうなろうと関係ありません。
希猫 ゆうみ
恋愛
伯爵令息サディアスはメイドのリディと恋に落ちた。
婚約者であった伯爵令嬢フェルネは無残にも婚約を解消されてしまう。
「僕はリディと真実の愛を貫く。誰にも邪魔はさせない!」
サディアスの両親エヴァンズ伯爵夫妻は激怒し、息子を勘当、追放する。
それもそのはずで、フェルネは王家の血を引く名門貴族パートランド伯爵家の一人娘だった。
サディアスからの一方的な婚約解消は決して許されない裏切りだったのだ。
一ヶ月後、愛を信じないフェルネに新たな求婚者が現れる。
若きバラクロフ侯爵レジナルド。
「あら、あなたも真実の愛を実らせようって仰いますの?」
フェルネの曾祖母シャーリンとレジナルドの祖父アルフォンス卿には悲恋の歴史がある。
「子孫の我々が結婚しようと関係ない。聡明な妻が欲しいだけだ」
互いに塩対応だったはずが、気づくとクーデレ夫婦になっていたフェルネとレジナルド。
その頃、真実の愛を貫いたはずのサディアスは……
(予定より長くなってしまった為、完結に伴い短編→長編に変更しました)

【完結】許婚の子爵令息から婚約破棄を宣言されましたが、それを知った公爵家の幼馴染から溺愛されるようになりました
八重
恋愛
「ソフィ・ルヴェリエ! 貴様とは婚約破棄する!」
子爵令息エミール・エストレが言うには、侯爵令嬢から好意を抱かれており、男としてそれに応えねばならないというのだ。
失意のどん底に突き落とされたソフィ。
しかし、婚約破棄をきっかけに幼馴染の公爵令息ジル・ルノアールから溺愛されることに!
一方、エミールの両親はソフィとの婚約破棄を知って大激怒。
エミールの両親の命令で『好意の証拠』を探すが、侯爵令嬢からの好意は彼の勘違いだった。
なんとかして侯爵令嬢を口説くが、婚約者のいる彼女がなびくはずもなく……。
焦ったエミールはソフィに復縁を求めるが、時すでに遅し──

幼い頃、義母に酸で顔を焼かれた公爵令嬢は、それでも愛してくれた王太子が冤罪で追放されたので、ついていくことにしました。
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
設定はゆるくなっています、気になる方は最初から読まないでください。
ウィンターレン公爵家令嬢ジェミーは、幼い頃に義母のアイラに酸で顔を焼かれてしまった。何とか命は助かったものの、とても社交界にデビューできるような顔ではなかった。だが不屈の精神力と仮面をつける事で、社交界にデビューを果たした。そんなジェミーを、心優しく人の本質を見抜ける王太子レオナルドが見初めた。王太子はジェミーを婚約者に選び、幸せな家庭を築くかに思われたが、王位を狙う邪悪な弟に冤罪を着せられ追放刑にされてしまった。

10年もあなたに尽くしたのに婚約破棄ですか?
水空 葵
恋愛
伯爵令嬢のソフィア・キーグレスは6歳の時から10年間、婚約者のケヴィン・パールレスに尽くしてきた。
けれど、その努力を裏切るかのように、彼の隣には公爵令嬢が寄り添うようになっていて、婚約破棄を提案されてしまう。
悪夢はそれで終わらなかった。
ケヴィンの隣にいた公爵令嬢から数々の嫌がらせをされるようになってしまう。
嵌められてしまった。
その事実に気付いたソフィアは身の安全のため、そして復讐のために行動を始めて……。
裏切られてしまった令嬢が幸せを掴むまでのお話。
※他サイト様でも公開中です。
2023/03/09 HOT2位になりました。ありがとうございます。
本編完結済み。番外編を不定期で更新中です。

【完結】騙された? 貴方の仰る通りにしただけですが
ユユ
恋愛
10歳の時に婚約した彼は
今 更私に婚約破棄を告げる。
ふ〜ん。
いいわ。破棄ね。
喜んで破棄を受け入れる令嬢は
本来の姿を取り戻す。
* 作り話です。
* 完結済みの作品を一話ずつ掲載します。
* 暇つぶしにどうぞ。

【完結】義家族に婚約者も、家も奪われたけれど幸せになります〜義妹達は華麗に笑う
鏑木 うりこ
恋愛
お姉様、お姉様の婚約者、私にくださらない?地味なお姉様より私の方がお似合いですもの!
お姉様、お姉様のお家。私にくださらない?お姉様に伯爵家の当主なんて務まらないわ
お母様が亡くなって喪も明けないうちにやってきた新しいお義母様には私より一つしか違わない双子の姉妹を連れて来られました。
とても美しい姉妹ですが、私はお義母様と義妹達に辛く当たられてしまうのです。
この話は特殊な形で進んで行きます。表(ベアトリス視点が多い)と裏(義母・義妹視点が多い)が入り乱れますので、混乱したら申し訳ないですが、書いていてとても楽しかったです。

逃げた先で見つけた幸せはずっと一緒に。
しゃーりん
恋愛
侯爵家の跡継ぎにも関わらず幼いころから虐げられてきたローレンス。
父の望む相手と結婚したものの妻は義弟の恋人で、妻に子供ができればローレンスは用済みになると知り、家出をする。
旅先で出会ったメロディーナ。嫁ぎ先に向かっているという彼女と一晩を過ごした。
陰からメロディーナを見守ろうと、彼女の嫁ぎ先の近くに住むことにする。
やがて夫を亡くした彼女が嫁ぎ先から追い出された。近くに住んでいたことを気持ち悪く思われることを恐れて記憶喪失と偽って彼女と結婚する。
平民として幸せに暮らしていたが貴族の知り合いに見つかり、妻だった義弟の恋人が子供を産んでいたと知る。
その子供は誰の子か。ローレンスの子でなければ乗っ取りなのではないかと言われたが、ローレンスは乗っ取りを承知で家出したため戻る気はない。
しかし、乗っ取りが暴かれて侯爵家に戻るように言われるお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる