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111 (パトリック視点3)
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「どうしたの!? なにを怒ってるのよ!?」
「どうしたもこうしたもあるかぁ! これは一体どういうことなんだって聞いてんだぁ!」
俺は怒りに任せて、アンリエットから貰った調査報告書をマーガレットに叩き付けていた。
「ちょ! ちょっと! なんなのよ、いきなり! 紙を投げ付けるなんて! 一体これなんなの!?」
「いいから黙ってそれを読んでみやがれ!」
マーガレットは渋々と言った体で、散らばった紙を寄せ集めて読み始めた。
「ふうん...バレちゃったんだ...」
そして顔色一つ変えずにそう呟いた。
「認めるんなだな!?」
「えぇ、認めるわ。確かにあなたのことは事前にウィリアムから聞いていた。堅物なアニキが居るってことをね」
「俺をハメたってことだな!? ウィリアムのヤツもグルだったのか!?」
「ハメる!? グル!? なによそれ!?」
「惚けるな! まだウィリアムとの関係は続いてたんだろ!? 二人して俺を笑い者にでもしてたのか!?」
コイツ、開き直る気か!?
「関係って!? あくまでも娼婦とその客って関係だけど!? それの一体どこが悪いっての!? そんなの今更じゃないのよ!?」
「あくまでもシラを切る気か!? そもそもあの子は、マックスは本当に俺の子なのか!? ウィリアムの子なんじゃないのか!?」
「正真正銘あなたの子よ。言ったじゃないの!? 避妊具を付けなかったのはあなただけだって。それにマックスはあなたにそっくりじゃないのよ!?」
「黒い髪も黒い瞳も俺とウィリアムは同じだ! それだけでどっちの子かなんて分かるもんか! そもそもなんで未だに会ったりするんだ!? 好きだからなんじゃないのか!?」
「あくまでも娼婦のお仕事として会っていただけよ。あんな甲斐性なし、好きになる訳ないじゃないの」
「なんで今更娼婦の仕事なんかする必要がある!? 生活費はちゃんと渡しているだろう!?」
「そりゃ確かに貰ってはいるけど、私だって少しは贅沢したいじゃない!? だから小遣い稼ぎしてたのよ」
「それでウィリアムだけじゃなく、何人もの男を引っ張り込んでいたってのか!?」
「そうよ。お店で働いていた時の人脈を生かしてね。それのなにが悪いっていうの!?」
完全に開き直りやがった! しかも暗に俺の渡す生活費が安いってディスってやがる!
「それなら俺にそう言えばいいだろうが!」
「だってあなたにこれ以上負担を掛けたくなかったんだもの」
「それにしたって我が家の別荘を娼館代わりにするのは看過できん!」
「あら? ちゃんと外で会ってたわよ? この家には誰も上げていないわ」
「それならいいか...いや、良くない!」
俺は認めそうになるのを慌てて否定した。
「どうしたもこうしたもあるかぁ! これは一体どういうことなんだって聞いてんだぁ!」
俺は怒りに任せて、アンリエットから貰った調査報告書をマーガレットに叩き付けていた。
「ちょ! ちょっと! なんなのよ、いきなり! 紙を投げ付けるなんて! 一体これなんなの!?」
「いいから黙ってそれを読んでみやがれ!」
マーガレットは渋々と言った体で、散らばった紙を寄せ集めて読み始めた。
「ふうん...バレちゃったんだ...」
そして顔色一つ変えずにそう呟いた。
「認めるんなだな!?」
「えぇ、認めるわ。確かにあなたのことは事前にウィリアムから聞いていた。堅物なアニキが居るってことをね」
「俺をハメたってことだな!? ウィリアムのヤツもグルだったのか!?」
「ハメる!? グル!? なによそれ!?」
「惚けるな! まだウィリアムとの関係は続いてたんだろ!? 二人して俺を笑い者にでもしてたのか!?」
コイツ、開き直る気か!?
「関係って!? あくまでも娼婦とその客って関係だけど!? それの一体どこが悪いっての!? そんなの今更じゃないのよ!?」
「あくまでもシラを切る気か!? そもそもあの子は、マックスは本当に俺の子なのか!? ウィリアムの子なんじゃないのか!?」
「正真正銘あなたの子よ。言ったじゃないの!? 避妊具を付けなかったのはあなただけだって。それにマックスはあなたにそっくりじゃないのよ!?」
「黒い髪も黒い瞳も俺とウィリアムは同じだ! それだけでどっちの子かなんて分かるもんか! そもそもなんで未だに会ったりするんだ!? 好きだからなんじゃないのか!?」
「あくまでも娼婦のお仕事として会っていただけよ。あんな甲斐性なし、好きになる訳ないじゃないの」
「なんで今更娼婦の仕事なんかする必要がある!? 生活費はちゃんと渡しているだろう!?」
「そりゃ確かに貰ってはいるけど、私だって少しは贅沢したいじゃない!? だから小遣い稼ぎしてたのよ」
「それでウィリアムだけじゃなく、何人もの男を引っ張り込んでいたってのか!?」
「そうよ。お店で働いていた時の人脈を生かしてね。それのなにが悪いっていうの!?」
完全に開き直りやがった! しかも暗に俺の渡す生活費が安いってディスってやがる!
「それなら俺にそう言えばいいだろうが!」
「だってあなたにこれ以上負担を掛けたくなかったんだもの」
「それにしたって我が家の別荘を娼館代わりにするのは看過できん!」
「あら? ちゃんと外で会ってたわよ? この家には誰も上げていないわ」
「それならいいか...いや、良くない!」
俺は認めそうになるのを慌てて否定した。
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