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109 (パトリック視点)
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クソッ! なんで俺だけがこんな目に!
どうして俺ばっかりがこんなに苦労させられるんだ! 俺はアンリエットの屋敷から帰る馬車の中で怒りに震えていた。
無能な両親と愚弟を纏めて叩き出して、さぁこれからヤツらが荒らした領地の改善を進めようとした矢先だった。マーガレットが子供を連れて訪ねて来たのは...
◇◇◇
あれはちょうど三年前だった。無能な家族に振り回されストレスを感じていた俺は、ちょっとしたストレス発散のつもりで行った娼館でマーガレットに出会ってしまった。その時は特に運命的な出会いだとかは感じていなかったのだが...
次第にその手練手管に絆され、ハマってしまったのは早かった。何度も何度も通い詰めるようになった。やがて...
「な、なんだって!? お、俺の子を妊娠したっていうのか!?」
「えぇ、ゴメンなさい...あなたが指名してくれるようになってから、なるべく他の客は取らないようにしていたの...だから妊娠したとしたら、あなたの子以外考えられないのよ...」
「そ、そんな...だ、だって君は...」
「どうしても断れ切れないお客だけ相手していたけど、その時はちゃんと避妊具を付けていたの。でもあなたとの時は避妊具を付けてなかったでしょう? それはあなたが特別だったからよ?」
「特別...」
「えぇ、そうよ。私、あなたに恋してしまったの。愛してしまったのよ。おかしいでしょ? こんな商売してて愛だの恋だの語るなんて。でも好きになってしまったものは仕方ないじゃない? いけないことだと分かってはいたけど、私あなたとの子供が欲しくなっちゃったのよ。本当にゴメンなさいね? でも安心して? 私一人で育てるから。あなたに迷惑は掛けないから」
「そうか...分かった...君がそう言うなら...だがなにか困ったことがあったらすぐ相談してくれ。出来るだけ力になろう」
「えぇ、ありがとう。その言葉だけで十分よ」
それっきり俺はすっぱりと娼館通いを止めた。マーガレットのことも次第に忘れて行った。
◇◇◇
「マーガレット...久し振りだな...その子は...」
「えぇ、あなたの子よ。マックスっていうの。男の子よ。今年で三歳になるわ。あなたに良く似てるでしょう? マックス、この人があなたのパパよ」
「パパ...」
確かにその男の子は俺と同じ黒髪に黒目だった。俺に似ていなくもない...ような気もする。
「そうか...それで今日はどうしたんだ?」
「あなたに助けて貰いに来たのよ。私、今とっても困ってるの」
どうして俺ばっかりがこんなに苦労させられるんだ! 俺はアンリエットの屋敷から帰る馬車の中で怒りに震えていた。
無能な両親と愚弟を纏めて叩き出して、さぁこれからヤツらが荒らした領地の改善を進めようとした矢先だった。マーガレットが子供を連れて訪ねて来たのは...
◇◇◇
あれはちょうど三年前だった。無能な家族に振り回されストレスを感じていた俺は、ちょっとしたストレス発散のつもりで行った娼館でマーガレットに出会ってしまった。その時は特に運命的な出会いだとかは感じていなかったのだが...
次第にその手練手管に絆され、ハマってしまったのは早かった。何度も何度も通い詰めるようになった。やがて...
「な、なんだって!? お、俺の子を妊娠したっていうのか!?」
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「そ、そんな...だ、だって君は...」
「どうしても断れ切れないお客だけ相手していたけど、その時はちゃんと避妊具を付けていたの。でもあなたとの時は避妊具を付けてなかったでしょう? それはあなたが特別だったからよ?」
「特別...」
「えぇ、そうよ。私、あなたに恋してしまったの。愛してしまったのよ。おかしいでしょ? こんな商売してて愛だの恋だの語るなんて。でも好きになってしまったものは仕方ないじゃない? いけないことだと分かってはいたけど、私あなたとの子供が欲しくなっちゃったのよ。本当にゴメンなさいね? でも安心して? 私一人で育てるから。あなたに迷惑は掛けないから」
「そうか...分かった...君がそう言うなら...だがなにか困ったことがあったらすぐ相談してくれ。出来るだけ力になろう」
「えぇ、ありがとう。その言葉だけで十分よ」
それっきり俺はすっぱりと娼館通いを止めた。マーガレットのことも次第に忘れて行った。
◇◇◇
「マーガレット...久し振りだな...その子は...」
「えぇ、あなたの子よ。マックスっていうの。男の子よ。今年で三歳になるわ。あなたに良く似てるでしょう? マックス、この人があなたのパパよ」
「パパ...」
確かにその男の子は俺と同じ黒髪に黒目だった。俺に似ていなくもない...ような気もする。
「そうか...それで今日はどうしたんだ?」
「あなたに助けて貰いに来たのよ。私、今とっても困ってるの」
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