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「こ、これは...う、ウソだろ!?」
報告書を読んだパトリックが顔面蒼白となる。
「ウソな訳ないでしょうが。そもそも、マーガレットって女の名前どっかで聞いた覚えがあるなって思い返してたら、ウィリアムが連れていた女だったのよね。兄弟で同じ女を共有するって、アンタ達本当は仲良しなんじゃないの?」
もちろん皮肉を込めてそう言ってやった。
「そ、そんな...」
パトリックが膝から崩れ落ちた。
「その他にも何人もの男と付き合ってるみたいね。お盛んだこと。ねぇ、パトリック。子供が居るって言ってたけど、その子本当にアンタの子なの?」
「そ、それは...マーガレットがそう言ってたし...避妊具を付けないのは俺だけだって...そ、それに髪の色も瞳の色も俺と同じ黒だし...」
「そんなの、ウィリアムだって同じじゃないのよ?」
アホかコイツは。
「た、確かに...」
今頃気付くなよ。
「ウィリアムに確かめてみることね。どうせそのマーガレットって女に聞いても惚けるだけだろうし」
「当分は無理だ...ヤツはもう海の上だから...」
「あぁ、結局はマグロの遠洋漁業船に乗せることにしたのね?」
「そうだ...こんなことなら鉱山労働の方にすれば良かった...」
「そういう問題じゃないと思うけど...」
私は思わずそうツッコミを入れていた。
「なんてことだ...」
ついにパトリックは膝を抱えて落ち込んでしまった。
「兄弟揃ってタチの悪い女に引っ掛かったものね。どっちが先に引っ掛かけられたか知んないけど、ウィリアムの方が先だったらアイツのことだからペラペラとアンタのことまで喋ったんじゃない? そんでこれは良いカモになりそうだと当たりを付けられた。こんなとこなんじゃないの?」
「ウィリアムの野郎...なんてことを...」
「いやいや、これはあくまで私の想像だし。そもそもそんな女にコロッと引っ掛かったアンタが悪い」
ウィリアムに八つ当たりしてどうなるよ?
「た、確かに...そう言われると一言もない...」
「とにかく、私からは以上よ。後はどうするか、アンタが自分で決めなさい。子供のこともあるんだから慎重にやりなさいよ?」
「分かった...アンリエット...その...色々と済まなかった...それと...ありがとう...」
私は、力無く項垂れながら帰るパトリックの後ろ姿を見送りながら、すっかり冷めてしまったお茶を一口グイッと飲んだ。さすがにちょっと疲れた。
「お嬢、男前~ 惚れちゃう~」
「はいはい...」
茶化すアランにツッコム気力もなかった。
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もちろん皮肉を込めてそう言ってやった。
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パトリックが膝から崩れ落ちた。
「その他にも何人もの男と付き合ってるみたいね。お盛んだこと。ねぇ、パトリック。子供が居るって言ってたけど、その子本当にアンタの子なの?」
「そ、それは...マーガレットがそう言ってたし...避妊具を付けないのは俺だけだって...そ、それに髪の色も瞳の色も俺と同じ黒だし...」
「そんなの、ウィリアムだって同じじゃないのよ?」
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「た、確かに...」
今頃気付くなよ。
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「あぁ、結局はマグロの遠洋漁業船に乗せることにしたのね?」
「そうだ...こんなことなら鉱山労働の方にすれば良かった...」
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私は思わずそうツッコミを入れていた。
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ついにパトリックは膝を抱えて落ち込んでしまった。
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「はいはい...」
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