我が家の乗っ取りを企む婚約者とその幼馴染みに鉄槌を下します!

真理亜

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 あの王家主宰の晩餐会の日から一週間が経った。

 ギルバートとの婚約が破談になった私は、理由はどうあれ傷物令嬢のレッテルを貼られた訳だから、社交もせずに噂が鎮静化するのを大人しく待っていた。

 その間、ギルバートの実家であるクレイン侯爵や、キャロラインの実家であるウィンバース男爵が何度も謝罪に訪れた。

 もういいって言ってるのに繰り返し謝って来ては、お詫びの品だとか色々持って来るけど、全て受け取ることなく返している。

 もう関わりたく無いというアピールのつもりでそうしてたんだけど、中々謝罪合戦が終わりそうもないので、面倒になって来た私は居留守を使うことにした。

 だが居留守の通用しない人が一人だけ居て...

「あの...クリフトファー様...」

「クリフ!」

「ハァッ...ではクリフ様。お陰様でもう決着は付いたのですから、もう毎日のように我が家へ来られなくても良いのではないでしょうか...」

 そうなのだ。

 あれからもほぼ毎日クリフトファー様はウチにやって来る。公爵家の嫡男って暇なんだろうか...

「連れないなぁ。僕はアンリが心配だからこそ、こうして毎日顔を拝みに来ているんじゃないかぁ」

 めっちゃウソ臭いんだけど...絶対なにか企んでるよね...

「はぁ...それはどうも...ですが私のような傷物と始終一緒に居たら、クリフ様によからぬ噂が立ってしまいますわよ?」

 だからさっさと帰れ! そんでもう来んな!

「それこそ望む所だね! そもそも僕達は相手の不義で婚約を解消した者同士なんだからさ、お似合いだと思わない?」

 傷の舐め合いをしたい訳じゃないし。そもそもギルバートのことをそれほど慕ってた訳じゃないから、舐め合うほどの傷を負ってないし。

「思いません。私は伯爵家の当主でクリフ様は公爵家の後継ぎじゃないですか。どう見ても釣り合いませんし、加えて私は傷物なんですよ? そんな瑕疵の付いた女を選ばなくたって、クリフ様なら選り取り見取りじゃないですか」

「選んだ結果がアンリなんだけどなぁ。まぁいいや、一つ一つ検証して行ってみようか?」

 検証!? この人なに言ってんだ!?

「まず、アンリが伯爵家の女当主だってことだけど、確かアンリにはお兄さんが居たよね?」

「えぇ、確かに一人居ますが、何分病弱なもんで我が領地にて静養させています。伯爵家の業務を取り仕切ることは無理なんで私が後を継ぎました。それが何か?」

「本当に?」

 ぎ、ギックゥッ! えっ!? なんで!? もしかしてバレてる!?

 いやいや! そんなはずは!
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