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ここでエリザベートについて少し語りたいと思う。
彼女は学生時代から曲がったことが大嫌い。当時、学園内に蔓延っていた陰湿な虐めに断固として立ち向かい、弱きを助け強きを挫くその姿はまさに正義の味方、これぞ正義の令嬢と呼ばれていた。
さてそんな彼女が、友である私を壁の花に追いやって、のほほんと違う女を侍らせている浮気男を目の前にしたらどうなるか? 答えは火を見るより明らかである。
「ちょっとギルバート、これは一体どういうことなの!?」
「えっ!? あ、あぁ、え、エリザベート。ち、違うんだよ。じ、実は今日、アンリエットがちょっと遅れるかも知れないって言うから」
「アンリエットならあそこに居るじゃないの!?」
「えっ!?」
エリザベートが指を差してくれた瞬間に、私はヨヨヨとばかりに扇子で顔を隠して泣き真似をする。
「あ、アンリエット!? い、いつの間に!?」
ギルバートは鳩が豆鉄砲を食ったような驚いた顔をしている。
「我が家主宰の舞踏会で私の友人を泣かすだなんて良い度胸じゃないの! あぁ、アンリエット! 可哀想に!」
エリザベートが私に駆け寄って抱き締めてくれた。
「ううん、いいの。私に魅力が無いのがいけないのだから。ギルバートが他の娘に目移りしちゃうのも当然だわ。私さえ身を引けば...ヨヨヨ...」
あ、ヨヨヨって口に出しちゃった♪ テヘペロ♪
「そんなこと無いわ! あなたはとっても魅力的よ! 自信を持ちなさい! ギルバート! アンタって人は! こんな健気なアンリエットを泣かすだなんて! 恥を知りなさい! 大体、その女は誰よ!? 私はそんなどこの馬の骨か分からないような女に招待状を送った覚えは無いわよ!」
「あぐぅ...そ、それは...」
「目障りだわ! とっとと出て行きなさい! それとも放り出されたい!?」
「ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ!」
ギルバートとキャロラインは這う這うの体で逃げて行ったとさ♪
チャンチャン♪
良し良し。全て計画通り。ギルバートとキャロラインは、今夜の舞踏会で私を悪役令嬢に仕立て上げたかったんだろうけど、それを上手く逆手に取ってギルバート達の方を悪役に仕立て上げることが出来た。
これで彼らの社交界での評判は地に落ちることだろう。良い気味だ。だがこれはまだ序章に過ぎない。
この後も更に追い込んでやる。私はエリザベートに抱き締められながら、心の中でほくそ笑んでいた。と、そこへ、
「やぁ、アンリエット。大変な目に合ったね」
「あら、お兄様」
「クリフトファー様...」
エリザベートの一つ上のお兄さん、公爵家嫡男であるクリフトファー様が側に来てくれた。
彼女は学生時代から曲がったことが大嫌い。当時、学園内に蔓延っていた陰湿な虐めに断固として立ち向かい、弱きを助け強きを挫くその姿はまさに正義の味方、これぞ正義の令嬢と呼ばれていた。
さてそんな彼女が、友である私を壁の花に追いやって、のほほんと違う女を侍らせている浮気男を目の前にしたらどうなるか? 答えは火を見るより明らかである。
「ちょっとギルバート、これは一体どういうことなの!?」
「えっ!? あ、あぁ、え、エリザベート。ち、違うんだよ。じ、実は今日、アンリエットがちょっと遅れるかも知れないって言うから」
「アンリエットならあそこに居るじゃないの!?」
「えっ!?」
エリザベートが指を差してくれた瞬間に、私はヨヨヨとばかりに扇子で顔を隠して泣き真似をする。
「あ、アンリエット!? い、いつの間に!?」
ギルバートは鳩が豆鉄砲を食ったような驚いた顔をしている。
「我が家主宰の舞踏会で私の友人を泣かすだなんて良い度胸じゃないの! あぁ、アンリエット! 可哀想に!」
エリザベートが私に駆け寄って抱き締めてくれた。
「ううん、いいの。私に魅力が無いのがいけないのだから。ギルバートが他の娘に目移りしちゃうのも当然だわ。私さえ身を引けば...ヨヨヨ...」
あ、ヨヨヨって口に出しちゃった♪ テヘペロ♪
「そんなこと無いわ! あなたはとっても魅力的よ! 自信を持ちなさい! ギルバート! アンタって人は! こんな健気なアンリエットを泣かすだなんて! 恥を知りなさい! 大体、その女は誰よ!? 私はそんなどこの馬の骨か分からないような女に招待状を送った覚えは無いわよ!」
「あぐぅ...そ、それは...」
「目障りだわ! とっとと出て行きなさい! それとも放り出されたい!?」
「ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ!」
ギルバートとキャロラインは這う這うの体で逃げて行ったとさ♪
チャンチャン♪
良し良し。全て計画通り。ギルバートとキャロラインは、今夜の舞踏会で私を悪役令嬢に仕立て上げたかったんだろうけど、それを上手く逆手に取ってギルバート達の方を悪役に仕立て上げることが出来た。
これで彼らの社交界での評判は地に落ちることだろう。良い気味だ。だがこれはまだ序章に過ぎない。
この後も更に追い込んでやる。私はエリザベートに抱き締められながら、心の中でほくそ笑んでいた。と、そこへ、
「やぁ、アンリエット。大変な目に合ったね」
「あら、お兄様」
「クリフトファー様...」
エリザベートの一つ上のお兄さん、公爵家嫡男であるクリフトファー様が側に来てくれた。
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