嫁いで来たその日に家から追い出されたので、報復するついでに領地改革しようと思います

真理亜

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 今日もエリスは一人で街に来ていた。

 牧場体験ツアーの整備をするためである。カイはいつものようにエリスを乗せて来た後、魔獣の子の捕獲に行っている。

「ど、どうもエリス様...先日は大変申し訳ありませんでした...」

 エリスが牧場に着くや否やオーナーが平身低頭で出迎えた。

「あぁいえいえ、分かって貰えばそれでいいですよ」

「ありがとうございます...それで本日はどのようなご用で?」

「牧場体験ツアーの状況を確認したいと思いまして」

「どのような意味でございましょうか?」

 エリスはプレオープンのことを説明した。

「なるほど、実際にお客様をお迎えするということですね?」

「えぇ、その通りです。今はどんな感じでしょうか?」

「はい、現在は体験ツアーをご案内するインストラクターの養成に力を入れておりまして、今の所三人ほどが順調に育っております」

「そうですか。ではプレオープンの前に予行演習してみましょう。実際にお客を何人か入れて案内して貰いましょうか。その時は私もお客の一人として参加したいと思います」

「分かりました。事前にご連絡頂ければ対応させて頂きます」

「はい、ご連絡しますのでよろしくお願いしますね。他になにか懸念事項とかありませんか?」

「そうですね...あぁ、お客様の送迎馬車に関してですが、まだ馬も車も御者も揃って無い状態なんです。こちらはいつ頃までに揃えればよろしいでしょうか?」

「そちらは本稼働するまでで構いません。プレオープンの時はこちらで馬車を用意しますんで」

「分かりました」

「もし予算的に厳しいとかがありましたら、早目に連絡して下さいね?」

「はい、そうさせて頂きます」


◇◇◇


 次にエリスはこの街に来て初めて泊まったホテルに向かった。新しいホテルで働く従業員の教育をこのホテルで行っているのである。

「これはこれはエリス様、ようこそおいで頂きました」

「どうも支配人、早速ですが従業員教育の方はどんな感じでしょうか?」

「順調です。皆やる気に溢れておりますし、若い連中が多いので呑み込みが早いです」

「そうですか。安心しました。実は...」

 エリスはプレオープンのことを説明した。

「なるほど、プレオープンですか。エリス様はいつ頃をご希望でございましょうか?」

「可能であれば1ヶ月後くらいを考えております」

 すると支配人は顔を顰めて、

「それはちょっと厳しいかと...最低でもあと2ヶ月くらいは頂きたいです」

「分かりました。支配人にお任せします」

「ありがとうございます」
 
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