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エリスは胴元に釘を刺してから牧場のオーナーの元に向かった。
賭博にオーナーが関わっていた場合、この牧場毎処罰の対象になる可能性がある。せっかくの観光の目玉の一つをむざむざ潰す訳にはいかない。
「オーナー、草競馬で金を掛けていたのをご存知でしたか?」
「えっ!? はい、もちろんです。胴元からは領主様の許可を受けているからと聞いてましたが、もしかして違ったんですか?」
「競馬場やカジノなどの賭博施設を造る場合、必要となる認可は領主ではなく国になります。それも認可が下りるまでには様々な審査を受ける必要があります。ヘタすりゃ審査だけで何年も掛かります。そう簡単に営業が許可されるものじゃないんですよ? そこら辺ちゃんと調べずに場所を提供してたんですか?」
途端にオーナーの顔が真っ青になった。
「そ、そんな...た、大変申し訳ございません...胴元に『領主様から許可を貰っているから』と言われて、場所を提供するだけだしお金も入って来るから深く考えもせず許可してました...」
「ハァッ...」
エリスは特大のため息を吐いた。
「呆れましたね...仮にもオーナーたる人が浅慮過ぎませんか?」
「...か、返す言葉もございません...」
オーナーが縮こまってしまった。
「あなたはオーナー失格ですね」
「...うぅ...」
ついにオーナーは踞ってしまった。
「と言いたい所ですが、今までのこの地におけるあのクズの所業に比べれば可愛いもんですし、深く反省もしてるみたいだから今回だけは見逃しましょう」
「...あ、有り難きお言葉...」
オーナーは土下座スタイルで平謝りした。
「ところで他にも『領主様からの許可』って言われたものがあったりしないでしょうね?」
「か、神に誓って他にはございません...」
「よろしい。あなたを信じましょう」
「へへぇ~! ありがとうございまするぅ~!」
オーナーはまるで神に祈りを捧げるかのような姿勢になってエリスに畏まる。エリス教の信者みたいだなとカイは思った。
「ところでお腹が空きました。肉が食べたいです」
「へい! 喜んで!」
今度は居酒屋の店員か! とカイは突っ込みたくなった。それとエリス、それは脅迫って言うんじゃないの? と思ったけど怖くて言えなかった。
結局、肉肉肉のフルコースをたっぷりと堪能した後、お土産と称して沢山のお肉を渡されたエリスはホクホク顔だった。
...これって賄賂って言うんじゃないかなぁ...
カイは心の中だけでそう呟いた。
賭博にオーナーが関わっていた場合、この牧場毎処罰の対象になる可能性がある。せっかくの観光の目玉の一つをむざむざ潰す訳にはいかない。
「オーナー、草競馬で金を掛けていたのをご存知でしたか?」
「えっ!? はい、もちろんです。胴元からは領主様の許可を受けているからと聞いてましたが、もしかして違ったんですか?」
「競馬場やカジノなどの賭博施設を造る場合、必要となる認可は領主ではなく国になります。それも認可が下りるまでには様々な審査を受ける必要があります。ヘタすりゃ審査だけで何年も掛かります。そう簡単に営業が許可されるものじゃないんですよ? そこら辺ちゃんと調べずに場所を提供してたんですか?」
途端にオーナーの顔が真っ青になった。
「そ、そんな...た、大変申し訳ございません...胴元に『領主様から許可を貰っているから』と言われて、場所を提供するだけだしお金も入って来るから深く考えもせず許可してました...」
「ハァッ...」
エリスは特大のため息を吐いた。
「呆れましたね...仮にもオーナーたる人が浅慮過ぎませんか?」
「...か、返す言葉もございません...」
オーナーが縮こまってしまった。
「あなたはオーナー失格ですね」
「...うぅ...」
ついにオーナーは踞ってしまった。
「と言いたい所ですが、今までのこの地におけるあのクズの所業に比べれば可愛いもんですし、深く反省もしてるみたいだから今回だけは見逃しましょう」
「...あ、有り難きお言葉...」
オーナーは土下座スタイルで平謝りした。
「ところで他にも『領主様からの許可』って言われたものがあったりしないでしょうね?」
「か、神に誓って他にはございません...」
「よろしい。あなたを信じましょう」
「へへぇ~! ありがとうございまするぅ~!」
オーナーはまるで神に祈りを捧げるかのような姿勢になってエリスに畏まる。エリス教の信者みたいだなとカイは思った。
「ところでお腹が空きました。肉が食べたいです」
「へい! 喜んで!」
今度は居酒屋の店員か! とカイは突っ込みたくなった。それとエリス、それは脅迫って言うんじゃないの? と思ったけど怖くて言えなかった。
結局、肉肉肉のフルコースをたっぷりと堪能した後、お土産と称して沢山のお肉を渡されたエリスはホクホク顔だった。
...これって賄賂って言うんじゃないかなぁ...
カイは心の中だけでそう呟いた。
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