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その後も温泉でカイとの仲を根掘り葉掘り聞かれた。
「カイ...君?...様? もうカイ君でいいや! 彼っていくつなんですか?」
「カイは...そう言えば聞いてなかった...」
「見た目通りだと15、6ってとこですよね? エリス様とお似合いですよ」
「そ、そうかなぁ」
「きっと向こうもそう思ってますよ。エリス様、ここはグイグイ行くべきです!」
「ぐ、グイグイ?」
「そうです! エリス様がその気になれば、落とせない男なんて居ませんよ!」
「お、落とすってそんな...」
歳上の彼女達から怒涛の攻撃に晒されたエリスは、すっかり逆上せてしまった。
火照った体を冷ましていたら、カイが戻って来た。
「ただいま~ 鶏も5羽捕まえて来たよ~ ってどうしたのエリス? 顔が真っ赤だよ?」
「な、なんでもないの! 温泉で逆上せただけ! そ、そうだ、カイも疲れて汗掻いてるでしょ? 温泉でゆっくりして来なさい! 夕食まで時間あるから!」
「わ、分かった...」
いきなり早口で捲し立てられてビックリしながらも、カイは素直に従った。一方エリスは、少し下がった顔の熱がまた上がって、今はカイの顔をまともに見ていられなかった。
夕食はもうこれでもかと言うくらい、肉、肉、肉だった。彼女達は大喜びしていたが、カイだけはさすがにウンザリしていた。夕食の間中、すっかり大人しくなってしまったエリスは、カイと目が合う度に目を伏せて赤くなるのを繰り返していた。
それを温かい目で見守っていた彼女達は、これは先が長いなと感じながら、弄り甲斐があるなとほくそ笑んでいたのだった。
◇◇◇
翌朝、エリスはカイに乗って、街道が一番狭くなっている所に来ていた。道の両側は切り立った崖になっていて、今にも崖崩れが起こりそうな地形になっていた。
「カイ、隊商の姿は確認出来たわ。あと10分くらいで到着しそうね。じゃあやりますか! カイ、崖に沿って飛んでくれる?」
「クェッ!」
エリスは崖に向かって風の刃を放った。轟音と共に崖が崩れ道を完全に塞いだ。
「良し、いい感じ。今の音は隊商の人達にも聞こえただろうから、すぐに誰かやって来るね。じゃあカイ、さっさと帰ろう」
「クェッ!」
「今の音はなんだ!?」
隊商のリーダーは警戒して隊の動きを一旦止めた。
「おい、誰か先に行って見て来い!」
リーダーが命じると若い衆が一人、馬を駆って先に進んだ。しばらく経って戻って来ると、
「た、大変です! この先で崖崩れが起きて道が塞がってます!」
「な、なんだと~!」
自分の目で確認するため、リーダーは若い衆と一緒に現場へ向かった。
「こりゃ酷いな...当分ここは通れん。おい、お前。このことを向こうの領主に伝えて来い」
「ここを登るんですか~?」
若い衆は露骨に嫌な顔をした。
「仕方あるまい。高い前金を貰ってるんだからな。文句言わずに行って来い。馬はここに繋いでおいてやるから」
「分かりましたよ~...」
ブツブツ文句を言いながら、崖を登って行く若い衆を見送ったリーダーは、日持ちのしない商品をどうしようかと頭を悩ませていた。
「カイ...君?...様? もうカイ君でいいや! 彼っていくつなんですか?」
「カイは...そう言えば聞いてなかった...」
「見た目通りだと15、6ってとこですよね? エリス様とお似合いですよ」
「そ、そうかなぁ」
「きっと向こうもそう思ってますよ。エリス様、ここはグイグイ行くべきです!」
「ぐ、グイグイ?」
「そうです! エリス様がその気になれば、落とせない男なんて居ませんよ!」
「お、落とすってそんな...」
歳上の彼女達から怒涛の攻撃に晒されたエリスは、すっかり逆上せてしまった。
火照った体を冷ましていたら、カイが戻って来た。
「ただいま~ 鶏も5羽捕まえて来たよ~ ってどうしたのエリス? 顔が真っ赤だよ?」
「な、なんでもないの! 温泉で逆上せただけ! そ、そうだ、カイも疲れて汗掻いてるでしょ? 温泉でゆっくりして来なさい! 夕食まで時間あるから!」
「わ、分かった...」
いきなり早口で捲し立てられてビックリしながらも、カイは素直に従った。一方エリスは、少し下がった顔の熱がまた上がって、今はカイの顔をまともに見ていられなかった。
夕食はもうこれでもかと言うくらい、肉、肉、肉だった。彼女達は大喜びしていたが、カイだけはさすがにウンザリしていた。夕食の間中、すっかり大人しくなってしまったエリスは、カイと目が合う度に目を伏せて赤くなるのを繰り返していた。
それを温かい目で見守っていた彼女達は、これは先が長いなと感じながら、弄り甲斐があるなとほくそ笑んでいたのだった。
◇◇◇
翌朝、エリスはカイに乗って、街道が一番狭くなっている所に来ていた。道の両側は切り立った崖になっていて、今にも崖崩れが起こりそうな地形になっていた。
「カイ、隊商の姿は確認出来たわ。あと10分くらいで到着しそうね。じゃあやりますか! カイ、崖に沿って飛んでくれる?」
「クェッ!」
エリスは崖に向かって風の刃を放った。轟音と共に崖が崩れ道を完全に塞いだ。
「良し、いい感じ。今の音は隊商の人達にも聞こえただろうから、すぐに誰かやって来るね。じゃあカイ、さっさと帰ろう」
「クェッ!」
「今の音はなんだ!?」
隊商のリーダーは警戒して隊の動きを一旦止めた。
「おい、誰か先に行って見て来い!」
リーダーが命じると若い衆が一人、馬を駆って先に進んだ。しばらく経って戻って来ると、
「た、大変です! この先で崖崩れが起きて道が塞がってます!」
「な、なんだと~!」
自分の目で確認するため、リーダーは若い衆と一緒に現場へ向かった。
「こりゃ酷いな...当分ここは通れん。おい、お前。このことを向こうの領主に伝えて来い」
「ここを登るんですか~?」
若い衆は露骨に嫌な顔をした。
「仕方あるまい。高い前金を貰ってるんだからな。文句言わずに行って来い。馬はここに繋いでおいてやるから」
「分かりましたよ~...」
ブツブツ文句を言いながら、崖を登って行く若い衆を見送ったリーダーは、日持ちのしない商品をどうしようかと頭を悩ませていた。
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