嘘吐きな妹と彼の病弱な義妹そして腹黒い幼馴染みに悪役令嬢と呼ばれる私、実は心の声が聞こえる聖女です

真理亜

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『これはラッキーだ! まさか次世代の聖女様と息子達が同世代なんて! ここで知己になっておけば、もしかして我が家に聖女様をお迎え出来るかも!? 息子どもに発破を掛けないといかんな!』

 侯爵様の心の声はこんな感じだ。

 なるほどねぇ。まぁ気持ちは分からんでもないし、特に悪意がある訳じゃないから私としてもあまり干渉する気はないけど、目に余るようだったら何とかしないといけないね。

「では皆様方、長旅でお疲れでしょうから、用意しました部屋の方でしばしお休み下さい」

 侯爵様にそう言われたのでお言葉に甘えることにした。

「レイ、アミ、マリー、粗相しないようにね?」

「「「 はい! 聖女様! 」」」


◇◇◇


 少し休んでから侯爵領の教会を訪れ祈りを捧げる。道中、オープンタイプの馬車に乗り沿道の観衆に手を振りながら進む。

 初めてのマリーはかなり緊張しているようだ。

「マリー、ほらほら笑顔笑顔」

 私はそっとマリーに囁く。

「は、はひ! が、頑張りましゅ!」

 教会に着いて祈りを捧げると、後光が差すような光景が現れる。これは私達の持つ神力が反応するからだが、心なしかいつもより光が大きいような気がする。

「おぉ、なんと神々しい!」「これが聖女様のお力!」「聖女様、ばんざーい!」

 観衆の盛り上がりがピークに達した。私達はそっと礼をしながらその場を後にした。

「フウッ、お疲れ様。ねぇ、なんだか祈りの力が大きくなってなかった?」

 私は三人に聞いてみた。

「私もそう思いました。あの光の大きさはビックリしました」

「私もです。なにか自分の力が増幅されたような気がしました」

 レイとアミも同じように感じたようだ。自然と私達の目はマリーに向く。

「あ、あの...わ、私、なにか失敗したでしょうか?」

 マリーがオロオロしている。

「いえいえ、そうじゃないのよ。マリーが加わって力が増したってことを言いたかっただけよ。マリーの神力、いつの間にか結構上がってたのね」

「そ、そうなんでしょうか...自分では良く分かりませんが...」

「神殿に戻ったら調べてみましょう」

 私達はいったん侯爵様の屋敷に戻った。
 

◇◇◇
 

「「「 聖女様方、お疲れ様でした! 」」」

 侯爵家の三人息子が私達を出迎えた。

 三人は早速レイ、アミ、マリーをエスコートする。三人娘の方はかなり照れてるようだ。

 初々しいのぉ~♪ 特にマリーは真っ赤になっておるな♪

 私は微笑ましい光景に頬が緩みっ放しだった。

 ちょっとだけカルロが恋しくなったのは内緒だ。

 
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