嘘吐きな妹と彼の病弱な義妹そして腹黒い幼馴染みに悪役令嬢と呼ばれる私、実は心の声が聞こえる聖女です

真理亜

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 今日、私はマリーを連れて神殿を訪れた。

「レイ、アミ、この子がマリーよ。あなた達の後輩になるわ。よろしく面倒見てあげてね?」

「えっと、私達の次の聖女候補ってことでしょうか?」

「そうね。そうなるわね」

「私達は何を教えればいいんですか?」

「この子、治癒の能力があるのよ。今度の神殿での癒しの日に手伝って貰おうと思って。ただまだ力の使い方が未熟だから、あなた達に教えて欲しいの」

「分かりました」「了解です」

「お願いね? 私は神官様方に話して来るから。ほらマリー、ご挨拶して?」

「...マリーです...よろしく...お願い...します...」

「「 よろしく、マリー 」」

 こうしてその日からマリーの修行がスタートした。


◇◇◇


 そして迎えた神殿での癒しの日。

「レイ、アミ、どうだった? マリーは行けそう?」

「えぇ、大丈夫だと思います。この子呑み込みが早いから」

「癒しの力もかなりあるみたいで、十分戦力になると思います」

「そう、良かったわ。マリー、最初なんだからあんまり無理しないでね? 疲れたらすぐ言うのよ?」

「...はい...分かりました...」

「さぁそれじゃあみんな! 気合い入れて行くわよ!」

「「 オーッ! 」」「...オー...」


◇◇◇


「レイ、重傷、重症患者の方のヘルプお願い!」

「はいっ!」

「アミ、軽傷、軽症患者の方を任せて大丈夫?」

「大丈夫です!」

「マリー、アミを手伝ってあげて!」

「...はい...」

 フウッ...よりによって今日は患者が多いな...マリーの初日だから見守ってあげたいんだけど...そんな余裕無いや...私もレイの方を手伝ってあげないと...

「聖女様! 新しい患者です! よろしくお願いします!」

「分かりました。今行きます。ところで今日はなんでこんなに患者が多いんですか?」

「どうやらこの近くで落盤事故が起こったみたいなんです!」

「落盤事故!? 鉱山なんか近くに無いのに!?」

「建設現場で土台を作ってたら、地盤沈下したとのことです!」

「なるほど、分かりました。重傷患者を優先して下さい」

「了解です! よろしくお願いします!」

 こりゃ大変な1日になりそうだ...


◇◇◇


「みんな...お疲れ様...」

「せ、聖女様...もうすっからかんです...」

「す、全て絞り出しました...」

 レイとアミが干からびた干物みたいになってる...かくいう私も似たような状態だと思う...

「...あの...お疲れ様でした...」

「マリー...あなた平気なの!?」

「...はい...全然...」

 凄い逸材を発見した気がする!


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