嘘吐きな妹と彼の病弱な義妹そして腹黒い幼馴染みに悪役令嬢と呼ばれる私、実は心の声が聞こえる聖女です

真理亜

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「カルロ、お疲れ様」「カルロ様、おめでとうございます」

 私達の所にやって来たカルロをララと共に労う。

「お義兄様、カッコ良かったです!」「カルロ様、素敵でした!」「カルロ、惚れ直したわ!」

 三人娘もそれぞれ祝福する。

「みんな、応援ありがとう」

 カルロが全員と握手して応える。

「それにしても、結局なにも仕掛けて来なかったみたいですわね。聖女様のおっしゃった通りでしたわ」

「え、えぇ、そうですわね...」

 実際の所を知っている私は曖昧に頷いておいた。そこでチラッとユミ王女の方を見ると、相変わらずの熱視線をカルロに向けている。

「あれは...」

 するとマリオが、ユミ王女の元に取り巻きどもを引き連れて向かっているのが見えた。挨拶しに行ったのだろう。

 だがしかし、そんなマリオ達のことを一顧だにせず、ユミ王女はスタスタと歩いて帰ってしまった。

 残されたマリオ達はこっちを凄い目付きで睨み付けて来た。

「カルロ...」

 怖くなってしまった私は、思わずカルロの袖を掴んでいた。

「大丈夫。リタ、今日は一緒に帰ろう」

 カルロはそんな私の手を優しく握って囁いた。


◇◇◇


 馬車乗り場へと向かう私とカルロの目の前に、やはりというかマリオ達が現れた。

「カルロ! てめえ! どんな手を使いやがった!」

「なんのことだ?」

「惚けんな! てめえの剣はボロボロだったはずなのに! 一体どこですり替えやがった!?」

 コイツはアホなんだろうか? 自分で剣に細工したって認めちゃったよ。

「知らんな。きっと勝利の女神が味方してくれたんだろ。それよりどうして僕の剣がボロボロだったってことをお前が知ってるんだ?」 

「あぐぅ...そ、それは...」

「お前が剣をすり替えたんだろう? 残念だったな。そんな小細工したって勝利の女神は全てお見通しだったんだよ」

 カルロ、さっきから女神を連呼する度に私の手を握るの止めてよね...さすがに女神呼ばわりは恥ずかしいってば...

「く、クソッ! カッコ付けやがって! 惨めったらしく負けるのはお前の方のはずだったのに! 王女の目の前で俺に恥を掻かせやがって! 許せねぇ! おい、お前ら! やっちまえ!」

 多勢に無勢なら勝てると思ったのか、マリオ達が襲い掛かって来た。だが...

「あぁっ!?」「いぃっ!?」「うぅっ!?」「えぇっ!?」「おぉっ!?」

 マリオと取り巻き4人は、全員あっという間に地を這った。カルロの公爵家の影が暗躍したのだ。

「お前達、ご苦労だった」

 マリオ達は全員捕縛された。

 ざまぁ!
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