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 今日の私はぐで~っとしてる。

 学園も休みだし聖女の仕事もお休み。久し振りに家でゴロゴロしている。

「ふわあああ...」

 淑女らしからぬ大あくびをするのも今日ぐらいは勘弁して貰いたい。なにせここんとこ、聖女見習い達の件で大変だったんだから。

 ようやく最終候補が決まって肩の荷が下りたところなんだから、1日くらいグダグダしてもバチは当たらんだろう。

「ぐで~...」

 ベッドの上でまったりしてると、なにやら外が騒がしい。なんだろう? と思って見てみると、どうやら三人娘が集まってお茶会してるらしい。

 相変わらず仲の良いことで。聞くとは無しに聞こえて来た話題は、どうやら隣国から留学しにやって来る王女様に関することらしい。

 そう言やカルロがそんなこと言ってたっけなぁ...なんでもルイス王子があんなことにならなけりゃあ、婿入りしていたはずのお相手なんだとか。

 今回の留学に関しては、傷心中の王女様の気分転換を兼ねるためだとか、新たな娘を探すためだとか、色々噂されてるのは聞いたけど。そうか、ついにやって来るんだ。確か私らと同い年とか言ってたっけ。

 まぁ私にゃ関係無いからどうでもいいや。

 この時の私はそう軽く考えていた。


◇◇◇


 そして王女がやって来た。隣国の第2王女で名前はユミと言うらしい。私のクラスじゃなく、カルロのクラスに転入したらしいので、まだ顔は見てない。お昼休みに食堂で見掛けるかも知れないな。そう思っていたら...

「カルロ様ぁ~♪ ご一緒しましょう~♪」

「ゆ、ユミ王女! ち、近い! 近いです!」

 ...なんだあれは...あれが王女!? あんなハレンチなのが仮にも一国の王女の振る舞いか!? まるで娼婦みたいに体を密着させて、カルロにしなだれ掛かってやがんだけど!? 

 しかも私が睨み付けていたら、こっちに気付いたようで嫌らしく笑いながら、

『フウン...あれが噂の聖女ねぇ。なんだか冴えない女ね。あんな女が相手なら負ける気しないわぁ。私の魅力に堕ちない男なんて居ないもの。カルロはこの国じゃかなりの優良物件だもんね。しっかりお持ち帰りしなきゃだわぁ。キャハ♪ 聖女様に吠え面かかせるのが今から楽しみだわぁ。ウフフ♪ どうやって堕としてやろうかしらぁ。ワクワクしちゃうわねぇ。アハハ♪』

 ...そんな心の声が聞こえて来た。この瞬間、ユミ王女は私の中で敵認定となった。

 王女だろうがなんだろうが関係無い! 私のカルロに手出しするようなら容赦しない! 吠え面かくのはお前の方だ! 覚悟しろ!

 私はそう決意を固めるのだった。
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