嘘吐きな妹と彼の病弱な義妹そして腹黒い幼馴染みに悪役令嬢と呼ばれる私、実は心の声が聞こえる聖女です

真理亜

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 さすがに懲りたのか、あれからカナは絡んで来なくなった。

 私とカルロは平穏な日々を過ごしている。三人娘はカナから私を守るという名目で、また私達の側に居るようになったが、以前のようなカルロ推しではなくなった。

 完全にルイス王子をターゲットロックオンしたみたいで、三人寄ればルイス王子の話題で盛り上がっている。

 私とカルロはそんな三人の姿を微笑ましく見ている。その時、ララが側にやって来た。

「聖女様、このたび私の家でお茶会を開催しようと思っていますの。パートナーの方とご一緒に是非ご参加下さいませ。私も婚約者を伴いますわ」

 ララの家でのお茶会か。以前は大変なことになったけど、もう大丈夫そうだよね。ただ...

「ご安心下さい。カナは招待しておりませんわ」

 するとララは、まるで私の思考を読んだかのようなタイミングでそう言って、にこやかに笑った。ここまでしてくれたんなら欠席する理由は無いよね。

「お誘い頂きましてありがとうございます。喜んで参加させて頂きますわ。カルロ、あなたはどう?」

「もちろん参加させて頂くよ。楽しみだね」

「まぁっ! ありがとうございます! あ、良かったらあなた方もどうぞ?」

 ララが三人娘に声を掛ける。三人とも喜んで頷いた。


◇◇◇


 そしてお茶会当日。

「カルロ様ぁ~♪ カナはお会いしたかったですぅ~♪」

 なぜかいつものようにカルロへとしなだれ掛かるカナの姿が...なんで居るんだ!? ララは招待してないって言ってたのに...

 ここは学園じゃないので身分差があり、伯爵令嬢の私は侯爵令嬢であるカナにあまり強く言うことが出来ない。こういう時は自分の身分の低さに歯噛みする思いだ。

 すると私達の様子に気付いた三人娘の一人、公爵令嬢のミラが苦言を呈そうとしたが、それより一足早くララが婚約者を放って駆け寄って来てくれた。

「ちょっとあなた! なんでここに居るのよ!? あなたを招待した覚えはないんですけど!?」

「あら? 私のパートナーとして連れて来たのよ?」

 そこに侯爵令嬢のマナがやって来た。

「あなたが!?」

「えぇ、なにもパートナーは男性に限るって訳じゃないでしょ? パートナーを連れず女性だけで参加している人も居るみたいだし。何か問題でもあるのかしら?」

 マナが勝ち誇ったように言ってるが、アホかっ! 問題だらけだってのっ! 婚約者の居る目の前で、堂々と男にすり寄るような女は常識外れ以外の何者でもないわっ!

 頭に来た私が抗議しようとしたその時だった。
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