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今日は聖女の仕事として神殿に来ている。
聖誕祭と呼ばれるイベントに参加するためだ。この世界に初めて現れた聖女の生誕を祝う祭りだ。私はスピーチするとか挨拶するとかもなく、ただ立ってるだけでいいんで正直楽っちゃ楽だ。
色んな人が呼ばれているが、その中でも私と最後まで聖女の座を争った、侯爵令嬢のマナの姿を見掛けて嫌な気分になった。
この女は事ある毎に身分の高さをひけらかす嫌味なヤツだ。私は聖女候補だった時に散々嫌がらせをされた。
今も私のことを親の敵でも見るような目で睨んでいる。私は早く帰りたくなった。
「聖女様、この後はパーティーをご用意しておりますのでお楽しみ下さい」
いや、マナが出るならきっと楽しくないから帰りたいんだけど...そう言える訳もなくパーティー会場に移動した。
◇◇◇
「あらぁ、聖女様ぁ。今日もまたパッとしないわねぇ。やっぱり伯爵風情だと品格が足りないのねぇ」
ほら来た...嫌味を言わないと気が済まない質だから、絶対来ると思ってたけどね...ちなみにこのマナは、珍しいことに心の声と実際の声がほぼ一致している。
ある意味裏表が無いとも言えるし、私に対して心の底から嫌ってるとも言える。まぁそれは私も同じなんだけどね。
はぁ...面倒だな...でも何か答えないといつまでもネチネチ言い続けるからな...適当に話を合わせておくか...
「見苦しくて申し訳ございません。やはりマナ様のような高貴な方には到底敵いません」
「当たり前じゃあないの。大体ねぇ、あなたが聖女に選ばれること自体がおかしいのよ。聖女という高潔な立場には高貴なる私の方がよっぽど相応しいのよ。そもそもね...」
うわぁ...語り出しちゃったよ...これいつまで聞いてりゃいいんだ!? いい加減、私も疲れて来た時だった。
会場の入り口付近が騒がしくなった。なんだろう? と思っていたら、
「ルイス王子よ! いらっしゃるとは思わなかったわ!」
という声が聞こえた。うげぇ...神殿の催しにまで参加すんのかよ...そうまでして私に会いたいのか...さすがに三人娘はこの場に連れて来てないからどうしようかと思ってたら、
「まぁまぁまぁ! ルイス王子様! ようこそお越し下さいましたわ!」
マナが突撃してくれた。
「あ、あぁ、うん...ちょっと退いてくれないかな...」
「さぁさぁさぁ! 私と一緒に楽しみましょう~!」
「い、いや、その...私はリタに...」
「やぁやぁやぁ! さぁ! 参りましょう!」
この日、私は初めてマナに感謝した。マナがルイス王子を引き受けてくれてる間に、私はそっと会場を後にした。
ありがとうマナ! 君を最終兵器と呼ぶことにしよう!
聖誕祭と呼ばれるイベントに参加するためだ。この世界に初めて現れた聖女の生誕を祝う祭りだ。私はスピーチするとか挨拶するとかもなく、ただ立ってるだけでいいんで正直楽っちゃ楽だ。
色んな人が呼ばれているが、その中でも私と最後まで聖女の座を争った、侯爵令嬢のマナの姿を見掛けて嫌な気分になった。
この女は事ある毎に身分の高さをひけらかす嫌味なヤツだ。私は聖女候補だった時に散々嫌がらせをされた。
今も私のことを親の敵でも見るような目で睨んでいる。私は早く帰りたくなった。
「聖女様、この後はパーティーをご用意しておりますのでお楽しみ下さい」
いや、マナが出るならきっと楽しくないから帰りたいんだけど...そう言える訳もなくパーティー会場に移動した。
◇◇◇
「あらぁ、聖女様ぁ。今日もまたパッとしないわねぇ。やっぱり伯爵風情だと品格が足りないのねぇ」
ほら来た...嫌味を言わないと気が済まない質だから、絶対来ると思ってたけどね...ちなみにこのマナは、珍しいことに心の声と実際の声がほぼ一致している。
ある意味裏表が無いとも言えるし、私に対して心の底から嫌ってるとも言える。まぁそれは私も同じなんだけどね。
はぁ...面倒だな...でも何か答えないといつまでもネチネチ言い続けるからな...適当に話を合わせておくか...
「見苦しくて申し訳ございません。やはりマナ様のような高貴な方には到底敵いません」
「当たり前じゃあないの。大体ねぇ、あなたが聖女に選ばれること自体がおかしいのよ。聖女という高潔な立場には高貴なる私の方がよっぽど相応しいのよ。そもそもね...」
うわぁ...語り出しちゃったよ...これいつまで聞いてりゃいいんだ!? いい加減、私も疲れて来た時だった。
会場の入り口付近が騒がしくなった。なんだろう? と思っていたら、
「ルイス王子よ! いらっしゃるとは思わなかったわ!」
という声が聞こえた。うげぇ...神殿の催しにまで参加すんのかよ...そうまでして私に会いたいのか...さすがに三人娘はこの場に連れて来てないからどうしようかと思ってたら、
「まぁまぁまぁ! ルイス王子様! ようこそお越し下さいましたわ!」
マナが突撃してくれた。
「あ、あぁ、うん...ちょっと退いてくれないかな...」
「さぁさぁさぁ! 私と一緒に楽しみましょう~!」
「い、いや、その...私はリタに...」
「やぁやぁやぁ! さぁ! 参りましょう!」
この日、私は初めてマナに感謝した。マナがルイス王子を引き受けてくれてる間に、私はそっと会場を後にした。
ありがとうマナ! 君を最終兵器と呼ぶことにしよう!
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※無断転載を禁止します。
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「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
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