嘘吐きな妹と彼の病弱な義妹そして腹黒い幼馴染みに悪役令嬢と呼ばれる私、実は心の声が聞こえる聖女です

真理亜

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 学年末試験が近付いて来た。

 ウチの学園は三年制で、私とカルロは現在二年生なので、来年が最高学年になる。今週末は試験対策のため勉強会を開くことになった。

 どちらの屋敷で行うかという話になった時、私はウチの屋敷で行うことを提案した。カルロの屋敷だとミラに邪魔されると思ったからだ。

 それなのに、なんとミラがカルロに付いて来てしまった。仕方なく迎えていると、そこにリズがやって来た。更に邪魔が増えたと私が頭を抱えていると、どうやらそうじゃなかったらしい。

 ミラはリズと勉強会をするために来たんだそうな。どうやら二人とも二年生への進級が危ないらしい。それで尻に火が付いて慌てて真面目に勉強することにしたんだが、一人だと不安なので一緒にやることにしたとのこと。全く...普段からしっかり勉強しておかないからそうなるんだ。

 私達とは学年が違うんで、一緒に勉強してもテスト範囲が違うからあまり意味が無い。という訳で私とカルロはウチの図書室で、リズとミラはウチの四阿でそれぞれ勉強することにした。


◇◇◇


「カルロ、ちょっと休憩しない?」

「そうだね。ちょっと休もうか」
 
 しばらく集中して勉強して疲れたので、お茶でも飲んで一服することにした。

「リズとミラの様子はどうだい?」

「頭抱えながら頑張ってるみたいよ?」

 ウチの図書室は二階にあるので四阿を見下ろせる。見ると二人とも一生懸命やってはいるようだ。ウーウー唸ってる声がここまで聞こえて来る。

 その時、執事が困った顔をして来客を告げた。 

「えっ!? ルイス王子が!?」

「またか...本当にあの方には困ったもんだな...」

 カルロが顔を顰める。私も同感だが、今日は上手い具合にリズとミラが一緒に居る。

「ルイス王子を四阿の方にご案内してくれる?」

 私は執事にそう指示した。

「リタ、いいのかい?」

 カルロは心配そうだ。

「いいのよ。あの二人もそろそろ休憩した方がいいでしょ?」

「そうかも知れないが、その後勉強どころじゃ無くなるかも...」

「いいからいいから。ここから高見の見物と行きましょうよ」

 見ると大きな花束を抱えたルイス王子がやって来て、リズとミラの姿を見た途端逃げようとした。だが回り込まれてしまった。両脇をリズとミラに固められたルイス王子の顔が引き攣っている。

「一人だけ仲間外れは可哀想だから、ルナも呼んであげましょうか♪」
  
 私が執事に命じているとカルロが、

「リタ...君ってホントいい性格してるよね...」

 そう言って苦笑した。

 いやぁ、褒められると照れちゃうな~♪
  
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