嘘吐きな妹と彼の病弱な義妹そして腹黒い幼馴染みに悪役令嬢と呼ばれる私、実は心の声が聞こえる聖女です

真理亜

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 次の日、やっと停学が明けた三人娘が登校して来た。

 お昼休み、またいつものようにカルロへ群がろうとする彼女達の前に、ララが立ちはだかる。また苦言を呈されると思った三人娘が身構える。だがララは、

「ねぇ、あなた達。私の婚約披露パーティーに是非とも出席して下さらないかしら? 当日は王族の方々にもご出席賜る予定なの。もちろん、ルイス王子殿下もいらっしゃるわよ?」

「ルイス王子殿下が!? 本当ですか!?」

「私、万難を排してでも是非伺いますわ!」

 リズとミラがルイス王子というエサに見事食い付いた。一人蚊帳の外状態だったルナには、私の方からルイス王子との因縁というか確執というか、その辺りをオブラートに包んでそっと囁いた。

 ルナはカルロへの執着心が三人の中でも人一倍強いと思われるので、効かないかも知れないと若干危惧していたが、リズとミラの浮かれてる様子を見て、ルイス王子に少し興味を持ったようだ。

 これでルイス王子に対する包囲網が完成した。ララが考えた作戦というのは、三人娘を私の防波堤に仕立てて、あわよくば誰かお持ち帰りして貰おうというものだ。

 まぁそう上手く事は運ばないと思うけど、最終人形決戦兵器1号~3号が期せずして勢揃いする訳で、私としてもちょっと期待しようかなと思ってる。


◇◇◇


 そして迎えたララの婚約披露パーティー当日。

 私は当然ながらカルロをパートナーに伴い出席している。そして三人娘は私達をガードするかのような位置取りをしている。

 ララと婚約者の挨拶が終わって、ダンスの時間になると、予想通りルイス王子が人混みを掻き分けてこちらに向かって来た。

 今だ! 三人娘もとい最終人形決戦兵器1号~3号発進!

「ルイス王子様~♪ 私の元へ来て下さったのですね~♪ リズは嬉しゅうございます~♪」

「ルイス王子様~♪ ミラはここにおりまする~♪ 是非ともダンスをご一緒下さいませ~♪」

「ルイス王子様~♪ お初にお目に掛かります~♪ ルナと申します~♪ どうぞよしなに~♪」

「い、いや、私はリタに...」

「「「 王子様~♪ 」」」

「だ、誰か助けて...」

 ほらカルロ、ご覧なさいな♪ まるで砂糖に集る蟻のようよ♪

「カルロ、私達も踊りましょうか?」

「あ、あぁ、でもルイス王子は大丈夫かな...」

「心配要らないわよ。三人居るんだから、誰か一人くらいはお眼鏡に叶うんじゃなくて?」

「それもそうだね」

 結局私とカルロは一曲踊っただけで、その場を後にした。

 その後、ルイス王子がどうなったかは知らない。
 
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