嘘吐きな妹と彼の病弱な義妹そして腹黒い幼馴染みに悪役令嬢と呼ばれる私、実は心の声が聞こえる聖女です

真理亜

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 ルイス王子をリズに押し付けた私は、その足でカルロの屋敷に向かった。

 カルロはちょうどミラとお茶していたところだった。あからさまに嫌な顔をしているミラを華麗にスルーして、

「カルロ、突然ごめんなさい。今、ウチにルイス王子がいらっしゃってるのよ」

「なんだって!? 先触れも無しに訪れたのかい!?」

「えぇ、そうなのよ。それですぐ知らせようと思って急いで来たのよ。今はおもてなしをリズに押し付け...いえ任せているの」 

「全くあの人は...分かった。今すぐ行くよ。ミラ、済まないがそういうことなんで」

「えっ!? えっ!?」

 ミラが混乱している。そこで私は閃いた。

「ねぇ、カルロ。ミラも連れて行きましょうよ」

「えっ!? し、しかし...」

「いいじゃない。ルイス王子に紹介したいし。ねぇ、ミラも王子様にお会いしたいでしょう?」

「お、お会いしてみたいです~♪」

 良し、釣れた♪ 最終人形決戦兵器2号ミラちゃん出陣ってか♪ 私達は急いで戻ることにした。


◇◇◇


 屋敷に戻ると疲れ切った様子のルイス王子と、反対に生き生きしているリズの姿があった。

「リタ...酷いじゃないか...私を置いて行っちゃうなんて...」

「酷いのはどちらですか? ルイス王子」

「ゲッ!? カルロ!?」

「先触れも無く臣下の家を訪れるなど普通有り得ませんよ。大体ですねぇ」

 カルロはお冠だ。だがそこに空気の読めない2号機が襲い掛かる。 

「ルイス王子様ですねぇ~♪ 初めまして~♪ 私、カルロの妹のミラと申します~♪ どうぞよしなに~♪」
  
「ちょっとミラ! 邪魔しないでよ! 私が王子様と仲良くやってたんだから!」

「あらぁ? リズさん居たんですのぉ~? 全然目に入りませんでしたわぁ~♪」

「ウソ仰い! 最初っから見えてたでしょ!」

 最終人形決戦兵器1号のリズもお冠だ。

「ルイス王子、聞いてますか?」

 カルロの話を誰も聞いちゃいない。

「王子様~♪ リズさんより私の方が良いですわよねぇ~?」

「ちょっとアンタ! どさくさ紛れに王子様にひっ付いてんじゃないわよ! 離れなさい!」

「だ、誰か助けて...」

 ついにルイス王子から泣きが入った。

 うわぉ! これなんてカオス!? いやぁ、リズもミラも期待通り良い働きしてくれるねぇ♪ さすがは最終人形決戦兵器ってか♪

 結局、ルイス王子はカルロに怒られながら引き上げて行った。今後、またルイス王子が奇襲して来たら、同じ手を使おうと思う。

 そん時は最終人形決戦兵器3号のルナも連れて来ちゃろうかな♪ なんてね♪
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