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三人娘を軽く遇った次の日、今度は侯爵令嬢のララが泣き付いて来た。
「ドラゴンズ・ブレス」という殺人唐辛子を口に含んだ当人なんだから、そりゃ酷い状態なんだろう。三人娘の比じゃないはずだ。大嫌いな私に助けを求めに来るぐらいなんだから。
やって来たララは、顔を半分隠すほどの大きなサングラスと、これまた顔を半分隠すほど大きなマスクを掛けるという如何にも不審者と呼べそうな出で立ちだった。
喉をやられているらしく、喋れないらしいので筆談することにした。もっとも心の声が聞こえる私は、そんなことしなくてもいいんだけどね。
もちろんそんなことは言わない。筆談に付き合うことにする。要は目も鼻も口も酷い状態なんで助けて欲しいとのことだ。
状態を確認したいからサングラスとマスクを取れと伝える。恥ずかしいのか最初は躊躇っていたが、実際に見ないと診察出来ないと伝えると渋々従った。
ブホッ! 私は危うく吹き出すところだった。ララの顔全体が二倍くらいに腫れ上がっている。これは酷い...自業自得とはいえさすがに気の毒になった。だから、
「ララ様、治して差し上げますが、その代わり約束して下さい。あの日のお茶会で何があったのか、その真実をお話頂けますか?」
真実はとっくに知ってるんだけどね。本人の口から話させることが重要なんだよ。今後に釘を刺しておくって意味でもね。いつまでも絡んで来られたら堪んないからさ。
ララはしばらく考え込んだ後、ようやく頷いた。自分の罪を認めてでもこの状態から開放されたいと必死なんだろうね。
「約束しましたよ? では治しますね?」
『ヒール』
私が呪文を唱えると、ララの体が光に包まれた。ララは眩しくて目を閉じている。光が収まった後、私はララに問い掛けてみた。
「もう目を開けていいですよ? 如何です?」
ララがゆっくりと目を開ける。
「何か話してみて下さい」
私は手鏡をララに渡しながらそう言った。
「な、治ってる! わ、私の顔が元通りに! こ、声も出る! うわわわあんっ!」
余程嬉しかったのだろう。ララはその場で大号泣してしまった。そして涙ながらに告白した。
嫌がらせで私のお茶に「ドラゴンズ・ブレス」を仕込もうとしたこと、それが何かの手違いで自分が飲むハメになってしまったこと、こんなに大変な目に合う物だとは知らなかったとのこと。
まぁ手違いっていうか、私がすり替えたんだけどね。ララは何度も何度も私にお礼を言って、もう二度とこんなことはしないと誓って帰って行った。
心の声も同じように言っていたからこれでもう大丈夫だろう。
「ドラゴンズ・ブレス」という殺人唐辛子を口に含んだ当人なんだから、そりゃ酷い状態なんだろう。三人娘の比じゃないはずだ。大嫌いな私に助けを求めに来るぐらいなんだから。
やって来たララは、顔を半分隠すほどの大きなサングラスと、これまた顔を半分隠すほど大きなマスクを掛けるという如何にも不審者と呼べそうな出で立ちだった。
喉をやられているらしく、喋れないらしいので筆談することにした。もっとも心の声が聞こえる私は、そんなことしなくてもいいんだけどね。
もちろんそんなことは言わない。筆談に付き合うことにする。要は目も鼻も口も酷い状態なんで助けて欲しいとのことだ。
状態を確認したいからサングラスとマスクを取れと伝える。恥ずかしいのか最初は躊躇っていたが、実際に見ないと診察出来ないと伝えると渋々従った。
ブホッ! 私は危うく吹き出すところだった。ララの顔全体が二倍くらいに腫れ上がっている。これは酷い...自業自得とはいえさすがに気の毒になった。だから、
「ララ様、治して差し上げますが、その代わり約束して下さい。あの日のお茶会で何があったのか、その真実をお話頂けますか?」
真実はとっくに知ってるんだけどね。本人の口から話させることが重要なんだよ。今後に釘を刺しておくって意味でもね。いつまでも絡んで来られたら堪んないからさ。
ララはしばらく考え込んだ後、ようやく頷いた。自分の罪を認めてでもこの状態から開放されたいと必死なんだろうね。
「約束しましたよ? では治しますね?」
『ヒール』
私が呪文を唱えると、ララの体が光に包まれた。ララは眩しくて目を閉じている。光が収まった後、私はララに問い掛けてみた。
「もう目を開けていいですよ? 如何です?」
ララがゆっくりと目を開ける。
「何か話してみて下さい」
私は手鏡をララに渡しながらそう言った。
「な、治ってる! わ、私の顔が元通りに! こ、声も出る! うわわわあんっ!」
余程嬉しかったのだろう。ララはその場で大号泣してしまった。そして涙ながらに告白した。
嫌がらせで私のお茶に「ドラゴンズ・ブレス」を仕込もうとしたこと、それが何かの手違いで自分が飲むハメになってしまったこと、こんなに大変な目に合う物だとは知らなかったとのこと。
まぁ手違いっていうか、私がすり替えたんだけどね。ララは何度も何度も私にお礼を言って、もう二度とこんなことはしないと誓って帰って行った。
心の声も同じように言っていたからこれでもう大丈夫だろう。
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