乙女ゲームの世界に転生したと思ったらモブですらないちみっこですが、何故か攻略対象や悪役令嬢、更にヒロインにまで溺愛されています

真理亜

文字の大きさ
上 下
167 / 176

第167話 ちみっこと新しい生活 その4

しおりを挟む
「ミナさん、せっかくだからあなたも選びなさいな?」

「いえ結構です。どうせ合うサイズは無いでしょうし」

「あら? 我が店には子供服も取り揃えて...失礼致しました!」

 女主人はアタシが睨み付けているのにようやく気付いたようだ。だから悲しくなんか無いんだったらぁ!

「それにシャロン様、この後日用品を買ったり冒険者ギルドに寄ったりしなきゃなりませんよ? 日が暮れる前に行きましょう」

「確かにそうですわね。残念ですがまたの機会に」

 いやもう結構ですってば。

「買った物は全て女子寮に届けて頂戴。それと支払いはウチにツケといてね?」

「畏まりました。またのお越しをお待ちしております」

 凄いな。さすがは公爵家。こんなお高いお店でもツケが利くんだね。


◇◇◇


「じゃあ次はウインディの日用品を揃えましょうか。マリー、その手のお店には詳しいでしょ? 案内してくれる?」

「畏まりました。こちらです」

 そのためにマリーを連れて来たんだ。あと荷物持ちとしてもね。

 マリーに案内されてやって来たのは、前世で言えばホームセンターのようなお店だった。

「この店で大体の物は手に入ります」

 確かに品揃えは豊富だ。価格も庶民的なんで安心できる。早速見て回ることにした。

「まずは食器だね」

 スプーンやフォーク、ティーカップにお皿、コップなど次々と選んで行く。物珍しいのか、ウインディはあちこちに目を向けては色々と質問して来る。

「これはどうやって使うのだ?」「これは何に使うのだ?」などなど。まぁ無理も無いよね。今まで使ったこと無いだろうし。なので一つ一つ丁寧に説明して行く。

「次はお風呂用品かな」

 石鹸、シャンプー、タオルにバスタオル、あとお風呂関係無いけど歯ブラシに歯磨き粉も。近くにあったからね。

 もちろんここでもウインディの質問攻めにあった。

「なるほど...人間として暮らすというのは本当に大変なことなのだな...」

 さっきのブティックでも同じこと言ってたね。

「ウインディ、後悔してません?」

「いいや、寧ろ新しいことに挑戦するというワクワク感の方が強いな」

「前向きで良かったです。それじゃあ次は...」

 そこでアタシの目に飛び込んで来たのは、生理用品が並んでいるコーナーだった。聞き辛いけど聞いておくべきだろう。

「あの...ウインディ...竜ってその...生理とかあるんですかね...」

 女同士なんだし、恥ずかしがることは無いはずなんだけど、なんだか恥ずかしい...なんでだろ...

「生理とはなんだ?」

「あ、なんでもないです.. 」

 どうやらそこは人間基準ではないらしい。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分

かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。 前世の分も幸せに暮らします! 平成30年3月26日完結しました。 番外編、書くかもです。 5月9日、番外編追加しました。 小説家になろう様でも公開してます。 エブリスタ様でも公開してます。

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜

青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ 孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。 そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。 これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。 小説家になろう様からの転載です!

異世界に転生をしてバリアとアイテム生成スキルで幸せに生活をしたい。

みみっく
ファンタジー
女神様の手違いで通勤途中に気を失い、気が付くと見知らぬ場所だった。目の前には知らない少女が居て、彼女が言うには・・・手違いで俺は死んでしまったらしい。手違いなので新たな世界に転生をさせてくれると言うがモンスターが居る世界だと言うので、バリアとアイテム生成スキルと無限収納を付けてもらえる事になった。幸せに暮らすために行動をしてみる・・・

【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです

ノデミチ
ファンタジー
ある女医が、天寿を全うした。 女神に頼まれ、知識のみ持って転生。公爵令嬢として生を受ける。父は王国元帥、母は元宮廷魔術師。 前世の知識と父譲りの剣技体力、母譲りの魔法魔力。権力もあって、好き勝手生きられるのに、おせっかいが大好き。幼馴染の二人を巻き込んで、突っ走る! そんな変わった公爵令嬢の物語。 アルファポリスOnly 2019/4/21 完結しました。 沢山のお気に入り、本当に感謝します。 7月より連載中に戻し、拾異伝スタートします。 2021年9月。 ファンタジー小説大賞投票御礼として外伝スタート。主要キャラから見たリスティア達を描いてます。 10月、再び完結に戻します。 御声援御愛読ありがとうございました。

滅びる異世界に転生したけど、幼女は楽しく旅をする!

白夢
ファンタジー
 何もしないでいいから、世界の終わりを見届けてほしい。  そう言われて、異世界に転生することになった。  でも、どうせ転生したなら、この異世界が滅びる前に観光しよう。  どうせ滅びる世界なら、思いっきり楽しもう。  だからわたしは旅に出た。  これは一人の幼女と小さな幻獣の、  世界なんて救わないつもりの放浪記。 〜〜〜  ご訪問ありがとうございます。    可愛い女の子が頼れる相棒と美しい世界で旅をする、幸せなファンタジーを目指しました。    ファンタジー小説大賞エントリー作品です。気に入っていただけましたら、ぜひご投票をお願いします。  お気に入り、ご感想、応援などいただければ、とても喜びます。よろしくお願いします! 23/01/08 表紙画像を変更しました

異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです

ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。 転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。 前世の記憶を頼りに善悪等を判断。 貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。 2人の兄と、私と、弟と母。 母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。 ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。 前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。

樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」 大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。 はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!! 私の必死の努力を返してー!! 乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。 気付けば物語が始まる学園への入学式の日。 私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!! 私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ! 所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。 でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!! 攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢! 必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!! やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!! 必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。 ※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。 ※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。

処理中です...