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第139話 ちみっことエルフの里 その6
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「巫女様、どうぞこちらに」
儀式とやらが終わって、アタシ達は次に何やら小さな祠が祀ってある建物に案内された。
「あの...ここは!?」
「ここは『祈りの間』でございます」
長老のお婆ちゃんがそう答える。
「はぁ...『祈りの間』ですか...誰が何を祈るんです?」
「巫女様が我らの安寧を願って祈りを捧げるんです」
「そうですか...私達には関係無いですね」
アタシはもう取り繕うのを止めた。
「巫女様! 何を仰います!」
「だって私、巫女様とやらじゃないですし」
「あなた様は巫女様でいらっしゃいます! 先程『竜の巫女選定の儀』も滞りなく済ませたではありませんか!」
「知りません。そろそろ帰りたいんで私達の服を返して下さい」
アタシは段々イライラして来た。
「なっ!? なりませぬ! 巫女様にはここでずっと祈りを捧げて貰わねば!」
アタシは完全にぶち切れた。
「ふっざけんな! なんだそれ!? 体のいい軟禁じゃねぇか!? 今すぐにここから出せ! なんなら実力行使したろうか!?」
「なっ!? み、皆の者! 出合え~! 出合え~! 巫女様がご乱心じゃ~!」
乱心じゃねぇし! 婆さんの叫びに応じてエルフの戦士達が駆け付けて来た。
「長老! 何事ですか!?」
あのルークって人も居る。
「巫女様がご乱心じゃ! 取り押さえよ! だが決して傷付けるなよ!」
「わ、分かりました!」
エルフの戦士達がアタシ達を取り囲む。弓や剣を構えている者は誰も居ない。婆さんに言われた通り、怪我させないように素手で取り押さえる気らしい。だったらこっちにも勝機がある。
マリーは着替えさせられた時、レイピアを取り上げられてしまったようだが、彼女は戦闘メイドだ。徒手空拳でも戦えるのは立証済み。
アタシの方はそもそもブーメランを持ってなかったので、最初から素手だがちゃんと戦える。なぜなら、
「マリー! 行くよ!」
「はいっ! ミナお嬢様!」
『ロックシュート!』
そう、魔法は使えるからだ。
「ギイヤァァァッ!」
アタシがこれまで大人しくしてたのは、揉め事を起こしてしまったら、帰り道を教えて貰えなくなるんじゃないかと危惧したからだ。
だがコイツらにアタシらを帰す意思がないことが分かった今、もう遠慮する必要はない。
「ハアァァァッ! ヤアァァァッ!」
アタシの魔法とマリーの攻撃で、エルフの戦士達の陣形が崩れた。今だ!
「マリー! 逃げるよ!」
「はいっ!」
アタシ達は祠を飛び出し、エルフの里の中を走り回った。
とにかくここを出て森の中に入ってしまえば何とかなるかも知れない。
巫女服のままだと走り辛いが、贅沢は言ってられない。
ひたすら走り続けた。
儀式とやらが終わって、アタシ達は次に何やら小さな祠が祀ってある建物に案内された。
「あの...ここは!?」
「ここは『祈りの間』でございます」
長老のお婆ちゃんがそう答える。
「はぁ...『祈りの間』ですか...誰が何を祈るんです?」
「巫女様が我らの安寧を願って祈りを捧げるんです」
「そうですか...私達には関係無いですね」
アタシはもう取り繕うのを止めた。
「巫女様! 何を仰います!」
「だって私、巫女様とやらじゃないですし」
「あなた様は巫女様でいらっしゃいます! 先程『竜の巫女選定の儀』も滞りなく済ませたではありませんか!」
「知りません。そろそろ帰りたいんで私達の服を返して下さい」
アタシは段々イライラして来た。
「なっ!? なりませぬ! 巫女様にはここでずっと祈りを捧げて貰わねば!」
アタシは完全にぶち切れた。
「ふっざけんな! なんだそれ!? 体のいい軟禁じゃねぇか!? 今すぐにここから出せ! なんなら実力行使したろうか!?」
「なっ!? み、皆の者! 出合え~! 出合え~! 巫女様がご乱心じゃ~!」
乱心じゃねぇし! 婆さんの叫びに応じてエルフの戦士達が駆け付けて来た。
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あのルークって人も居る。
「巫女様がご乱心じゃ! 取り押さえよ! だが決して傷付けるなよ!」
「わ、分かりました!」
エルフの戦士達がアタシ達を取り囲む。弓や剣を構えている者は誰も居ない。婆さんに言われた通り、怪我させないように素手で取り押さえる気らしい。だったらこっちにも勝機がある。
マリーは着替えさせられた時、レイピアを取り上げられてしまったようだが、彼女は戦闘メイドだ。徒手空拳でも戦えるのは立証済み。
アタシの方はそもそもブーメランを持ってなかったので、最初から素手だがちゃんと戦える。なぜなら、
「マリー! 行くよ!」
「はいっ! ミナお嬢様!」
『ロックシュート!』
そう、魔法は使えるからだ。
「ギイヤァァァッ!」
アタシがこれまで大人しくしてたのは、揉め事を起こしてしまったら、帰り道を教えて貰えなくなるんじゃないかと危惧したからだ。
だがコイツらにアタシらを帰す意思がないことが分かった今、もう遠慮する必要はない。
「ハアァァァッ! ヤアァァァッ!」
アタシの魔法とマリーの攻撃で、エルフの戦士達の陣形が崩れた。今だ!
「マリー! 逃げるよ!」
「はいっ!」
アタシ達は祠を飛び出し、エルフの里の中を走り回った。
とにかくここを出て森の中に入ってしまえば何とかなるかも知れない。
巫女服のままだと走り辛いが、贅沢は言ってられない。
ひたすら走り続けた。
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