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第135話 ちみっことエルフの里 その2

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『...ナ...』

 ...ん...なに?...眠いんだけど...zzz

『ミナっ!』

「ふぁい!?」

『良かった! 無事じゃったか!』

「えっ!? 精霊王様!? どこから!?」

 いつもと違って頭の中に直接声が響くような感じ!?

『詳しい説明は後じゃ! どこか体におかしな所はないか!? 怪我はしとらんか!?』

「は、はい、えっと...特には...」

『そうか。ひとまずは一安心と言った所か』

「えっと...一体なにが!?」

『覚えておらんか?』

「う~んと...確かマリーと一緒にナギに乗って...ハッ! マリー! ナギ!」

『慌てるでない。お主の下におる』

「へっ!? あっ! ホントだ!」

 今頃気付いた。アタシはマリーとナギの上に乗っていた。通りで柔らかいと思ったよ。

「マリー! ナギ! しっかりして!」

「う~ん...」「キュイ...」

「良かった! 無事だったんだね! どこか痛い所とかない?」

「えぇ、特には...」「キュイ」

「良かった! 本当に良かった!」

 アタシはマリーを抱き締めて涙を流していた。

「み、ミナお嬢様!?」

「ゴメン...ゴメンね、マリー...私が悪戯しようなんて思ったばっかりに...怖い目に合わせちゃったね...本当にごめんなさい...」

「い、いえ、だ、大丈夫ですから! あ、あの、泣かないで下さい!」

「ふえ~ん!」

 アタシは年甲斐もなく号泣してしまった。


◇◇◇


 ややあって少し落ち着いた所で、現状を把握することにした。

「ここはどこなんでしょうか?」

「分かんない。落ちて行く時はどこかの森の上だった。恐らくその森の中だと思う」

 アタシ達の周りには、鬱蒼とした原生林が広がっていた。

『少し落ち着いたかの?』

「あ、精霊王様。ここって一体どこなんですか?」

「えっ!? 精霊王様!?」

 マリーがキョロキョロと辺りを見回す。あれ? 精霊王様の声が聞こえてないのかな?

『理由は分からんが、この場所は精霊の力が弱まっておる。じゃからお主にしか儂の声は届かん』

 そうなんだ...アタシはマリーにそう説明した後、気になったんで聞いてみた。

「精霊王様、もしかして闇の精霊の仕業なんでしょうか...」

『いや、その気配は無い。じゃがそれとは別の何かが影響しているようじゃ。油断するなよ』

「分かりました...」

 マリーに説明したアタシはナギを抱き上げる。今のナギはいつもの猫サイズになっている。

「ナギ、もしかしてあなたも影響を受けて小さくなっちゃったの?」

「キュイ~...」

 どうやらそうらしい。これは困った...これからどうしようかと思っていた時だった。

「ミナお嬢様っ!」

 マリーが警戒する!

「動くなっ!」

 姿は見えないが、誰何の声がした! 周りから誰かの気配を感じる!

 囲まれた!?


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