乙女ゲームの世界に転生したと思ったらモブですらないちみっこですが、何故か攻略対象や悪役令嬢、更にヒロインにまで溺愛されています

真理亜

文字の大きさ
上 下
135 / 176

第135話 ちみっことエルフの里 その2

しおりを挟む
『...ナ...』

 ...ん...なに?...眠いんだけど...zzz

『ミナっ!』

「ふぁい!?」

『良かった! 無事じゃったか!』

「えっ!? 精霊王様!? どこから!?」

 いつもと違って頭の中に直接声が響くような感じ!?

『詳しい説明は後じゃ! どこか体におかしな所はないか!? 怪我はしとらんか!?』

「は、はい、えっと...特には...」

『そうか。ひとまずは一安心と言った所か』

「えっと...一体なにが!?」

『覚えておらんか?』

「う~んと...確かマリーと一緒にナギに乗って...ハッ! マリー! ナギ!」

『慌てるでない。お主の下におる』

「へっ!? あっ! ホントだ!」

 今頃気付いた。アタシはマリーとナギの上に乗っていた。通りで柔らかいと思ったよ。

「マリー! ナギ! しっかりして!」

「う~ん...」「キュイ...」

「良かった! 無事だったんだね! どこか痛い所とかない?」

「えぇ、特には...」「キュイ」

「良かった! 本当に良かった!」

 アタシはマリーを抱き締めて涙を流していた。

「み、ミナお嬢様!?」

「ゴメン...ゴメンね、マリー...私が悪戯しようなんて思ったばっかりに...怖い目に合わせちゃったね...本当にごめんなさい...」

「い、いえ、だ、大丈夫ですから! あ、あの、泣かないで下さい!」

「ふえ~ん!」

 アタシは年甲斐もなく号泣してしまった。


◇◇◇


 ややあって少し落ち着いた所で、現状を把握することにした。

「ここはどこなんでしょうか?」

「分かんない。落ちて行く時はどこかの森の上だった。恐らくその森の中だと思う」

 アタシ達の周りには、鬱蒼とした原生林が広がっていた。

『少し落ち着いたかの?』

「あ、精霊王様。ここって一体どこなんですか?」

「えっ!? 精霊王様!?」

 マリーがキョロキョロと辺りを見回す。あれ? 精霊王様の声が聞こえてないのかな?

『理由は分からんが、この場所は精霊の力が弱まっておる。じゃからお主にしか儂の声は届かん』

 そうなんだ...アタシはマリーにそう説明した後、気になったんで聞いてみた。

「精霊王様、もしかして闇の精霊の仕業なんでしょうか...」

『いや、その気配は無い。じゃがそれとは別の何かが影響しているようじゃ。油断するなよ』

「分かりました...」

 マリーに説明したアタシはナギを抱き上げる。今のナギはいつもの猫サイズになっている。

「ナギ、もしかしてあなたも影響を受けて小さくなっちゃったの?」

「キュイ~...」

 どうやらそうらしい。これは困った...これからどうしようかと思っていた時だった。

「ミナお嬢様っ!」

 マリーが警戒する!

「動くなっ!」

 姿は見えないが、誰何の声がした! 周りから誰かの気配を感じる!

 囲まれた!?


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分

かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。 前世の分も幸せに暮らします! 平成30年3月26日完結しました。 番外編、書くかもです。 5月9日、番外編追加しました。 小説家になろう様でも公開してます。 エブリスタ様でも公開してます。

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜

青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ 孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。 そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。 これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。 小説家になろう様からの転載です!

異世界に転生をしてバリアとアイテム生成スキルで幸せに生活をしたい。

みみっく
ファンタジー
女神様の手違いで通勤途中に気を失い、気が付くと見知らぬ場所だった。目の前には知らない少女が居て、彼女が言うには・・・手違いで俺は死んでしまったらしい。手違いなので新たな世界に転生をさせてくれると言うがモンスターが居る世界だと言うので、バリアとアイテム生成スキルと無限収納を付けてもらえる事になった。幸せに暮らすために行動をしてみる・・・

【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです

ノデミチ
ファンタジー
ある女医が、天寿を全うした。 女神に頼まれ、知識のみ持って転生。公爵令嬢として生を受ける。父は王国元帥、母は元宮廷魔術師。 前世の知識と父譲りの剣技体力、母譲りの魔法魔力。権力もあって、好き勝手生きられるのに、おせっかいが大好き。幼馴染の二人を巻き込んで、突っ走る! そんな変わった公爵令嬢の物語。 アルファポリスOnly 2019/4/21 完結しました。 沢山のお気に入り、本当に感謝します。 7月より連載中に戻し、拾異伝スタートします。 2021年9月。 ファンタジー小説大賞投票御礼として外伝スタート。主要キャラから見たリスティア達を描いてます。 10月、再び完結に戻します。 御声援御愛読ありがとうございました。

滅びる異世界に転生したけど、幼女は楽しく旅をする!

白夢
ファンタジー
 何もしないでいいから、世界の終わりを見届けてほしい。  そう言われて、異世界に転生することになった。  でも、どうせ転生したなら、この異世界が滅びる前に観光しよう。  どうせ滅びる世界なら、思いっきり楽しもう。  だからわたしは旅に出た。  これは一人の幼女と小さな幻獣の、  世界なんて救わないつもりの放浪記。 〜〜〜  ご訪問ありがとうございます。    可愛い女の子が頼れる相棒と美しい世界で旅をする、幸せなファンタジーを目指しました。    ファンタジー小説大賞エントリー作品です。気に入っていただけましたら、ぜひご投票をお願いします。  お気に入り、ご感想、応援などいただければ、とても喜びます。よろしくお願いします! 23/01/08 表紙画像を変更しました

野草から始まる異世界スローライフ

深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。 私ーーエルバはスクスク育ち。 ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。 (このスキル使える)   エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。 エブリスタ様にて掲載中です。 表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。 プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。 物語は変わっておりません。 一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。 よろしくお願いします。

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。

樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」 大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。 はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!! 私の必死の努力を返してー!! 乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。 気付けば物語が始まる学園への入学式の日。 私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!! 私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ! 所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。 でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!! 攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢! 必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!! やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!! 必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。 ※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。 ※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。

処理中です...