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第130話 ちみっこと冒険者活動 その9

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 アタシは取り敢えず、念のためにリュックに入れておいた迷彩柄のズボンに履き替えることにした。

 野郎どもは鼻血を流し過ぎてひっくり返っているから、覗かれる恐れはない...って、お前らドンだけ溜まってたんだよ...そんでドンだけ流したんだよ...引くわ~...

「魔石獲って来たよ~!」

「青色のキレイな魔石ですわ~!」

 アリシアとシャロン様が『マザー』の墜落現場まで行って、討伐証明の魔石を獲って来てくれた。青色の魔石はドラゴンの物と比べると小さいが、それでも十分過ぎる大きさだ。直径約50cm、高さも同じくらいあるだろう。キレイな円錐形をしている。

「二人ともありがとう。さて、それじゃあそろそろ戻り...ん? ねぇ、アリシア。あれって『マザー』が産んだ卵じゃない?」

 アタシが指差す先にあるのは、確か『マザー』が卵を温めるために踞っていた巣のなれの果てだ。ナギのブレスによってほとんどが吹き飛んでいるが、一個だけ無事な卵がある。

「ホントだ。割れて無いのもあったんだね? どうする? 持って帰る?」

「うん、持ち帰って町長さんに見てもらおう」

「了解~! 獲って来るね~!」

 アリシアに獲って来て貰った卵は、前世のTV番組で見たダチョウの卵の3倍くらいはありそうな大きさだった。

「で、デカいね... 」

「目玉焼き何人分だろうね~」

「いや、アリシア。こんな青い卵を食べる気しないけど...」

 だって真っ青なんだよ。とても食用には見えない。

「生きてる卵なんでしょうかね...」

 シャロン様が言う通り、もしかしたら既に死んでいて放置されていた可能性もあるよね。  

「まぁ何はともあれ、戻りましょうか?」 

 野郎どもをナギの背中に放り込んで、アタシ達は町に戻った。


◇◇◇

 
 町長さんに『マザー』討伐完了の報告をしたら、メチャクチャ感謝された。

「本当にありがとうございました! 町民全てを代表して御礼申し上げます!」

「どういたしまして。ところで町長さん、これを見て欲しいんですが」

 アタシは例の青い卵を見せる。

「これは!?」

「ワイバーンの卵だと思うんですが...『マザー』が温めていた巣の近くにあったんですよ。ご存知ありません?」

「申し訳ありません。私どもはワイバーンの卵を見たことがございませんのでなんとも...」

「あ、そうなんですね...」

 考えてみればそれも当然か。巣に行かないと見る機会なんてまずないだろうし。

 取り敢えず、アタシ達はギルドに持ち帰って鑑定して貰うことにした。
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