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第116話 ちみっこと土竜討伐 その3

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「アリシア~! なにやってんの!?」

 いくら身体強化をしているとはいえ、飛行中のナギから飛び降りるなんて無謀過ぎる! アタシは堪らず叫んでいた!

「大丈夫! 私はここで攻撃するから! みんな、フォローをお願い!」

 勝手なことを! そうは思うものの、もう飛び降りてしまったものはしょうがない! ただし後で説教だ!

「みんな! 仕方ない! アリシアをフォローしてあげて!」

 アタシ達は土竜の気を逸らすために、それぞれが魔法で攻撃を続ける! アリシアは一人、物理で攻撃を仕掛ける!

「グオォォォォッーーーーー!!!!!」

 土竜はアリシアの攻撃を嫌がってるようだ! 体を激しく揺すってアリシアを振り落とそうとする!

「ナギ! ブレスを土竜の足元に!」

「キュイ!」

 これで少しでも土竜の動きを止められれば!

「グオォォォォッーーーーー!!!!!」

 土竜の動きが鈍くなった! 良し! 今なら!

「ナギ! 土竜の後ろに降りて! みんな、それぞれ土竜の足を物理で攻撃!」

「「「「 応っ! 」」」」

 アタシが右前足! シルベスターが右後ろ足! 殿下が左前足! シャロン様が左後ろ足! それぞれが位置に付いて攻撃を加える!

「グオォォォォッーーーーー!!!!!」

 土竜がますます嫌がってる! その時だった! 土竜が長い首を後ろに捻った! 恐らく一番ダメージを与えているであろうアリシアを、先に始末しようとしているのだろう!

「マズい! ナギ! 土竜の背中に出来るだけ近付いて! アリシア! 聞こえる? いったん離れて! ナギに飛び乗って!」

 アタシは叫びながらブーメランを土竜の首元目掛けて投げた! ブーメランが土竜の首元に突き刺さる!

「グオォォォォッーーーーー!!!!!」

 土竜の首の捻りが止まった!

「ミナ! ゴメン! 先走り過ぎた!」

 アリシアがナギに乗って戻って来た!

「謝罪は後! アリシアも足元の攻撃に加わって! 私の武器はもう無いから!」

「分かった!」

 アリシアにアタシの担当分、右前足を委ねる! その代わりアタシは、土竜の首元に刺さったブーメラン目掛けて魔法を放つ!

『ロックシュート!』

 岩を打ち出して、刺さったブーメランを押し込んで行く!

「グオォォォォッーーーーー!!!!!」

 土竜が苦しそうな鳴き声を上げる! 良し! 効いてる!

「シルベスター!」

『ロックシュート!』

 皆まで言わなくても分かってくれた! 岩の数が倍に増えた! ますますブーメランが土竜の首元に食い込んで行く!

「グオォォォォッーーーーー!!!!!」

 土竜はますます苦しそうだ!

 もう一息!


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