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第111話 ちみっことドワーフの村 その13

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 かなりのダメージを心に負ったアタシはヨロヨロと部屋を出る。

 するとアタシの気持ちを察してくれたのか、アリシアがそっと寄り添ってくれた。心の友よ! ありがとう! やっぱり持つべきは前世持ち友だね!

 なにはともあれ、これで試練とやらは終了した訳で、アタシ達は晴れて新しい武器の所有者になれたということだ。シャロン様とそもそも試練を受けなかったシルベスター以外、心に深刻なダメージを負ってるけどね...

「試練を無事突破したようで何よりじゃわい! お主らなら必ずやれると信じておったぞ!」

 ガルム族長がそんなことを言って来たが、そもそもが最初から試練の説明しとけよ! ってみんなそう思っていたはずだ。

「ところでお主ら、新しい武器の試し斬りをしてみたいと思わんか?」
 
 また変なことを言い出した...試し斬りって...そもそもアタシとアリシアとシャロン様は打撃武器なんだけど...

「そりゃあしてみたいが、何を斬るんだ?」

 殿下は乗り気みたいだ。エリオットも同じように見える。

「この山の頂上付近にな『ギガントロック』という岩で出来た巨人がおるんじゃが、試し斬りにはもってこいの相手なんじゃ。良かったら戦ってみんか?」

 そう言われたアタシ達は、全員で顔を見合わせた。殿下が代表して答える。
 
「いいだろう。戦ってみよう」

「決まりだな。シルバ! お前に道案内を任せる! しっかりやるんじゃぞ!」

「はいっ! お任せ下さいっ!」

 うへぇ...シルバ君が一緒なのかぁ...なんかやり辛いなぁ...


◇◇◇


 山頂までは割となだらかな斜面が続いているだけなので、アタシ達はすんなり到着することが出来た。もっと急な斜面が待ち構えていると思ってたから、正直言って少し拍子抜けしたくらいの気分だった。

 道案内ということで、先頭を歩くシルバ君と顔を合わすことなく来れたのも良かった。話し掛けられても、なんて答えたらいいか悩ましいからね...

「もうすぐ頂上に着きます! 皆さん、戦闘の準備をして下さい!」

 シルバ君の一言でアタシ達は戦闘モードになった。アリシアとエリオットが先頭に立って、アタシとシルベスターが次に続き、後ろにシャロン様と殿下が立つ。

 いつもの布陣だ。アタシ達は身構える。

「来ます! あれが『ギガントロック』です!」

 シルバ君の指差す先、巨大な岩が何個もくっ付き合って、やがて巨人を形作る。身の丈10mはあろうかという巨体だ。巨人はゆっくりと動き出してアタシ達の方に向かって来る。

 良し! 戦闘開始だ!
 
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