乙女ゲームの世界に転生したと思ったらモブですらないちみっこですが、何故か攻略対象や悪役令嬢、更にヒロインにまで溺愛されています

真理亜

文字の大きさ
82 / 176

第82話 アリシア視点 vs 闇の眷族四天王 その1

しおりを挟む
 エリオットが行方不明になって、競技大会どころではなくなった。


 私達はエリオットの行方を探す手掛かりとして、初戦の対戦相手から話を聞こうと思ったのだが...

「昨日から意識不明?」

 ここは学園の保健室。校医の先生は困惑した様子で、

「そうなんです。体のどこにも異常は無いんですが、意識だけが戻らなくて...」

「アリシア、回復魔法を掛けてみて?」

 ミナがそう言った。私は眠っている男子生徒に魔法を掛ける。

「分かった。『セイントヒール』」

 ...意識は戻らなかった。

「ダメか...弱ったな...他に手掛かりは...」

「闇雲に探しても埒が明きませんわね...」

「実家には連絡したんですか?」

「うん、もう連絡は届いてるはずだよ」

 私はみんなが話しているのを、どこか上の空で聞いていた。エリオットのことだけを考えていた。

 前世の乙女ゲームでイチオシだった男の子。クールぶってるけど、結構抜けてるところもある。ぶっきらぼうに見えて優しいところもある。曲がったことが嫌いで融通の利かないところもあるけど、年相応にバカなこともしたりする。

 そんなことを考えている内に、なんだか胸の奥が苦しくなってきた。きっとなにかトラブルに巻き込まれているんだろう。自分一人では解決出来ないような何かに。怪我してるかも知れない。苦しんでるかも知れない。一刻も早く助けてあげたい。そして、


 (一緒にオペラを観に行くんだから!)


 私はそう決意して、なにか手掛かりはないか、もう一度眠っている男子生徒に目をやった。 

 ん? 眠ってる?

「レム~! 起きて! ねぇ起きて! お願いだから!」

 いきなり叫んだ私にみんなはビックリしてるが、悪いけど構ってられない。

『ふぁ...なによ...』

「シャキっとして! エリオットが行方不明なの! 精霊の力で居所を探せない!?」

 みんなは「あぁ、なるほど」「忘れてた」「その手があった」と口々に言ってる。私も気付くの遅れたしね。

『なんですって!? 大変じゃないの! なんでもっと早く言わないのよ! ちょっと待ってなさい!』

 なんだかんだ文句を言いつつもやってくれる。ありがとう。頼りにしてるよ。

『これは...僅かだけど闇の力を感じるわ...』

 それを聞いた途端、ミナが叫ぶ。闇の眷族が関わっていたのか...

「精霊王様~! 起きて下さい~!」

「ふぉっ! 何事じゃ!?」

「精霊王様! エリオットが行方不明なんです! 闇の眷族に拐われたのかも!」

「なんじゃと!? どれどれ...ふむふむ、確かに闇の力の痕跡を感じるの」

「場所はどこですか?」

「慌てるでない。これは...3ヵ所に分かれておるの。どこが本命かはなんとも言えん」

「それじゃあ、1つずつしらみ潰しにあたってみれば」

「まぁ待て。それだと外れた時に逃げられてしまう恐れがあるじゃろ。ここは手分けしてあたってみる方が良い」

「でもそれだと、誰か1人が孤立してしまうんじゃ?」

「2人1組であたれば良いじゃろ。ミナは儂が付いておるから1人でも大丈夫じゃ」

「分かりました!」

 こうして私達は3組に分かれることになった。殿下とシャロン様、ミナと精霊王様、私とシルベスターだ。

 エリオット、待っててね! 必ず助けるから!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~

降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

【本編完結】転生令嬢は自覚なしに無双する

ベル
ファンタジー
ふと目を開けると、私は7歳くらいの女の子の姿になっていた。 きらびやかな装飾が施された部屋に、ふかふかのベット。忠実な使用人に溺愛する両親と兄。 私は戸惑いながら鏡に映る顔に驚愕することになる。 この顔って、マルスティア伯爵令嬢の幼少期じゃない? 私さっきまで確か映画館にいたはずなんだけど、どうして見ていた映画の中の脇役になってしまっているの?! 映画化された漫画の物語の中に転生してしまった女の子が、実はとてつもない魔力を隠し持った裏ボスキャラであることを自覚しないまま、どんどん怪物を倒して無双していくお話。 設定はゆるいです

転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流

犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。 しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。 遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。 彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。 転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。 そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。 人は、娯楽で癒されます。 動物や従魔たちには、何もありません。 私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜

恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。 右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。 そんな乙女ゲームのようなお話。

処理中です...