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第62話 ミナの日常 その4
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次の日からナギのダイエットが始まった。
まず朝御飯。自分の分を食べ終わったナギが早速可愛く鳴いて催促を始める。
「キュイ~♪」
「マリー、上げちゃダメだからね」
「ですが...」
「いくら可愛いからって甘やかしてたらナギのためにならないからね」
自分の分を上げようとするマリーを止める。ここはビシッといかないとね!
「分かりました...」
「キュイ~...」
そんな悲しそうな目で見たってダメなんだからね!
「ナギちゃん♪ おはよ~♪ お菓子食べる~?」
「キュイ~♪」
「アリシア、上げないで。間食禁止だから」
「え~? これくらいいいじゃ~ん!」
「ダイエット舐めんなっ! 禁止ったら禁止っ!」
「キュイ~...」
「ナギちゃん、おはようございますですわ。では早速ジャーキーを」
「キュイ~♪」
「シャロン様、朝からジャーキーは止めて下さい。ていうか間食禁止にしましたから」
「え~? これくらい良いじゃありませんの~!」
「ダメったらダメです」
「キュイ~...」
「ナギちゃん、おはよー お煎餅食べる?」
「ポテチもあるよ?」
「飴ちゃん食べる?」
「クッキーもあるよ?」
「キュイキュイ~♪」
うん、これアタシ達も悪いな...ナギを甘やかし過ぎてた。
「あんた達! 今日からナギは間食禁止だって言っておいたでしょ!?」
「え~! 少しくらい太ってた方が可愛くない~?」
「ぽっちゃりしてるくらいがちょうど良くない~?」
「触るとプヨプヨしてて気持ちいい~♪」
「赤ちゃんに触ってるみたいだよね~♪」
「五月蝿いっ! とにかく禁止ったら禁止っ!」
「キュイ...」
「ミナ、ナギが落ち込んでるみたいだが、なんかあったのか?」
「あぁ、気にしないで。今日から間食禁止にしただけだから」
「間食禁止!? なんでまた!?」
アタシはナギの体を持ち上げてエリオットに腹部を見せる。
「ほら、ポッコリお腹。だからダイエット中なの」
「そ、そうか...それは残念だ...」
エリオットが何かを懐にしまうのが見えた。あれはチョコかな。エリオット、お前もか...
「ナギ、どうした!? 元気ないな!? そういう時は肉食え肉!」
「キュイ~♪」
「殿下、これ以上は食べさせないで下さい。今日から過食禁止です」
「えぇ~! なんでだよ~!」
アタシは再度ナギを持ち上げ腹部を見せる。
「みんなが甘やかすからこの体たらくです。体に悪いので食べ過ぎは厳禁です」
「で、でも成長期って可能性も...」
「シルベスター、お腹だけ成長期って聞いたことあんの?」
「無いです...」
「よろしい。という訳で今後、私の許可なくナギに食べ物を与えるのは禁じます。良いですね?」
「キュイ~...」
◇◇◇
今日の放課後の訓練はナギの運動のために、アタシはナギに乗ってシルベスターと戦うことにした。今日のお題はズバリ苦手の克服だ。飛んでる時に何が怖いかって、弓矢の攻撃以外無いからね。
アタシはまず、ナギに3mくらいのサイズになって貰った。デカ過ぎると矢が避けられないからね。自由にサイズを変えられるナギを見て、みんなビックリしていた。
そして魔法で作ったロープを私のベルトに引っ掛け、その先を輪っかにしてナギの首に巻き付けた。飛び回るナギから振り落とされないためだ。
「ナギ、大丈夫? 苦しくない?」
「キュイ!」
首が締まって苦しくないかと思ったが、どうやら大丈夫みたいで安心した。
「軽く飛んで貰える? 最初はゆっくりとしたスピードでお願いね?」
「キュイ~♪」
フワリと宙に浮き上がる。そしてゆっくりと移動を開始する。
「ナギ! 少しずつスピードを上げて行って!」
「キュイ!」
スピードが上がるとさすがに風圧が凄い。アタシは透明バリヤを前面に展開してみた。
「うん、風は防げる。あとは...ナギ、右旋回、左旋回、宙返り、急降下、急上昇、ひと通りやってみて!」
「キュイ!」
ちょっと怖いが、こういうアクロバティックな動きが出来なきゃ話にならない。ナギが旋回し始める。Gがキツイかと思ったがそうでもない。急上昇も急降下もジェットコースターに乗っている時よりも怖くない。体もナギに密着して安定している。
「これならイケそうだね」
アタシは待っててくれたシルベスターの元へ向かった。
まず朝御飯。自分の分を食べ終わったナギが早速可愛く鳴いて催促を始める。
「キュイ~♪」
「マリー、上げちゃダメだからね」
「ですが...」
「いくら可愛いからって甘やかしてたらナギのためにならないからね」
自分の分を上げようとするマリーを止める。ここはビシッといかないとね!
「分かりました...」
「キュイ~...」
そんな悲しそうな目で見たってダメなんだからね!
「ナギちゃん♪ おはよ~♪ お菓子食べる~?」
「キュイ~♪」
「アリシア、上げないで。間食禁止だから」
「え~? これくらいいいじゃ~ん!」
「ダイエット舐めんなっ! 禁止ったら禁止っ!」
「キュイ~...」
「ナギちゃん、おはようございますですわ。では早速ジャーキーを」
「キュイ~♪」
「シャロン様、朝からジャーキーは止めて下さい。ていうか間食禁止にしましたから」
「え~? これくらい良いじゃありませんの~!」
「ダメったらダメです」
「キュイ~...」
「ナギちゃん、おはよー お煎餅食べる?」
「ポテチもあるよ?」
「飴ちゃん食べる?」
「クッキーもあるよ?」
「キュイキュイ~♪」
うん、これアタシ達も悪いな...ナギを甘やかし過ぎてた。
「あんた達! 今日からナギは間食禁止だって言っておいたでしょ!?」
「え~! 少しくらい太ってた方が可愛くない~?」
「ぽっちゃりしてるくらいがちょうど良くない~?」
「触るとプヨプヨしてて気持ちいい~♪」
「赤ちゃんに触ってるみたいだよね~♪」
「五月蝿いっ! とにかく禁止ったら禁止っ!」
「キュイ...」
「ミナ、ナギが落ち込んでるみたいだが、なんかあったのか?」
「あぁ、気にしないで。今日から間食禁止にしただけだから」
「間食禁止!? なんでまた!?」
アタシはナギの体を持ち上げてエリオットに腹部を見せる。
「ほら、ポッコリお腹。だからダイエット中なの」
「そ、そうか...それは残念だ...」
エリオットが何かを懐にしまうのが見えた。あれはチョコかな。エリオット、お前もか...
「ナギ、どうした!? 元気ないな!? そういう時は肉食え肉!」
「キュイ~♪」
「殿下、これ以上は食べさせないで下さい。今日から過食禁止です」
「えぇ~! なんでだよ~!」
アタシは再度ナギを持ち上げ腹部を見せる。
「みんなが甘やかすからこの体たらくです。体に悪いので食べ過ぎは厳禁です」
「で、でも成長期って可能性も...」
「シルベスター、お腹だけ成長期って聞いたことあんの?」
「無いです...」
「よろしい。という訳で今後、私の許可なくナギに食べ物を与えるのは禁じます。良いですね?」
「キュイ~...」
◇◇◇
今日の放課後の訓練はナギの運動のために、アタシはナギに乗ってシルベスターと戦うことにした。今日のお題はズバリ苦手の克服だ。飛んでる時に何が怖いかって、弓矢の攻撃以外無いからね。
アタシはまず、ナギに3mくらいのサイズになって貰った。デカ過ぎると矢が避けられないからね。自由にサイズを変えられるナギを見て、みんなビックリしていた。
そして魔法で作ったロープを私のベルトに引っ掛け、その先を輪っかにしてナギの首に巻き付けた。飛び回るナギから振り落とされないためだ。
「ナギ、大丈夫? 苦しくない?」
「キュイ!」
首が締まって苦しくないかと思ったが、どうやら大丈夫みたいで安心した。
「軽く飛んで貰える? 最初はゆっくりとしたスピードでお願いね?」
「キュイ~♪」
フワリと宙に浮き上がる。そしてゆっくりと移動を開始する。
「ナギ! 少しずつスピードを上げて行って!」
「キュイ!」
スピードが上がるとさすがに風圧が凄い。アタシは透明バリヤを前面に展開してみた。
「うん、風は防げる。あとは...ナギ、右旋回、左旋回、宙返り、急降下、急上昇、ひと通りやってみて!」
「キュイ!」
ちょっと怖いが、こういうアクロバティックな動きが出来なきゃ話にならない。ナギが旋回し始める。Gがキツイかと思ったがそうでもない。急上昇も急降下もジェットコースターに乗っている時よりも怖くない。体もナギに密着して安定している。
「これならイケそうだね」
アタシは待っててくれたシルベスターの元へ向かった。
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