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エミリアは焦っていた。
なぜならイライザがゲームのシナリオ通りに全く動いてくれないからだ。なんでなんだろう? やっぱりイライザも自分と同じ転生者なんだろうか?
そう思ってもまさか本人に直接問い質す訳にもいかない。もし違ってたら頭のおかしいヤツだと思われてしまうからだ。
仕方なくゲームのシナリオ通りに攻略を進めて行くのだが、イライザの行動のせいでイベントが全く発生しない。
お陰でヘンリー以外の攻略対象者の好感度は最底辺のままだ。宰相子息とも騎士団長子息とも大司教子息とも大富豪子息とも。せいぜいが顔見知り程度の関係で相手にもされていない。
オマケに本来のゲームシナリオ通りなら、彼らはヘンリーの側近となっているはすなのだが、現状は誰一人として側近になっていない。
その代わりヘンリーの側近になっているのは、ヘンリーに輪を掛けたような女好きのクズ野郎共で『一度抱いた女なんかにゃ興味ねぇよ!』と嘯く最低最悪な輩三人衆である。
ある意味『類は友を呼ぶ』と言ったところだろうか。もしかしたらなにかイベントが発生するかも知れないと思い、三人それぞれに身を任せてみたエミリアだったが、全くなにも発生しなかった。
今じゃ簡単に身を任せたことを後悔しているが、上記の通り同じ女は二度と抱かない主義みたいなんで、その点だけは感謝している。エミリアとしても二度とゴメンだと思っているから。
未だにヘンリーだけはエミリアのことを抱いているが、それでも頻度は極端に減った。たまに思い出したようにエミリアを抱くだけになってしまっている。
それも全てはあのクズ野郎共と付き合い出してからだ。エミリアは何度か苦言を呈したが、快楽に溺れたヘンリーは聞く耳を持たなかった。
そして今日もヘンリーはクズ野郎共と女漁りに精を出している。
「マズいわ...このままじゃ...」
この学園は日本製のゲームでありながら、なぜか欧米のタイムスケジュールに沿って作られている。
つまり卒業式が9月なのだ。今は既に6月。つまりあと約3ヶ月しか猶予がない。このままほとんどのイベントを消化出来ずに卒業式を迎えたりしたら...
イライザを断罪するどころかエミリアの方がざまぁされてしまう。
「もうこうなったら自作自演するしかないわね...形振り構っちゃいられないわ...殺るか殺られるかなんだから...」
そう言って悲壮な決意を胸に滾らせるエミリアだったが...
それが最悪の選択になることを、この時のエミリアは知る由もなかった。
なぜならイライザがゲームのシナリオ通りに全く動いてくれないからだ。なんでなんだろう? やっぱりイライザも自分と同じ転生者なんだろうか?
そう思ってもまさか本人に直接問い質す訳にもいかない。もし違ってたら頭のおかしいヤツだと思われてしまうからだ。
仕方なくゲームのシナリオ通りに攻略を進めて行くのだが、イライザの行動のせいでイベントが全く発生しない。
お陰でヘンリー以外の攻略対象者の好感度は最底辺のままだ。宰相子息とも騎士団長子息とも大司教子息とも大富豪子息とも。せいぜいが顔見知り程度の関係で相手にもされていない。
オマケに本来のゲームシナリオ通りなら、彼らはヘンリーの側近となっているはすなのだが、現状は誰一人として側近になっていない。
その代わりヘンリーの側近になっているのは、ヘンリーに輪を掛けたような女好きのクズ野郎共で『一度抱いた女なんかにゃ興味ねぇよ!』と嘯く最低最悪な輩三人衆である。
ある意味『類は友を呼ぶ』と言ったところだろうか。もしかしたらなにかイベントが発生するかも知れないと思い、三人それぞれに身を任せてみたエミリアだったが、全くなにも発生しなかった。
今じゃ簡単に身を任せたことを後悔しているが、上記の通り同じ女は二度と抱かない主義みたいなんで、その点だけは感謝している。エミリアとしても二度とゴメンだと思っているから。
未だにヘンリーだけはエミリアのことを抱いているが、それでも頻度は極端に減った。たまに思い出したようにエミリアを抱くだけになってしまっている。
それも全てはあのクズ野郎共と付き合い出してからだ。エミリアは何度か苦言を呈したが、快楽に溺れたヘンリーは聞く耳を持たなかった。
そして今日もヘンリーはクズ野郎共と女漁りに精を出している。
「マズいわ...このままじゃ...」
この学園は日本製のゲームでありながら、なぜか欧米のタイムスケジュールに沿って作られている。
つまり卒業式が9月なのだ。今は既に6月。つまりあと約3ヶ月しか猶予がない。このままほとんどのイベントを消化出来ずに卒業式を迎えたりしたら...
イライザを断罪するどころかエミリアの方がざまぁされてしまう。
「もうこうなったら自作自演するしかないわね...形振り構っちゃいられないわ...殺るか殺られるかなんだから...」
そう言って悲壮な決意を胸に滾らせるエミリアだったが...
それが最悪の選択になることを、この時のエミリアは知る由もなかった。
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