6 / 7
6
しおりを挟む
「そろそろいいでしょうか?」
先程からイーサン達の声が聞こえなくなって来たので、アイリスはタコ殴りにしていた生徒達に声を掛ける。
あれだけ言っておいたのだから、よもや殺してはいないと思うが、さすがに気にはなる。アイリスが近付くと生徒達の人垣が割れ、イーサン達の状態が把握できた。
顔の見分けがつかない程、ボコボコに殴られて腫れ上がっている。意識は無いようだが、息はしているようだ。
聞こえてはいないだろうが、アイリスとしてはケジメをつける意味でも、これだけはちゃんとイーサンに言っておく必要があった。
「婚約を破棄したいんでしたっけ? 謹んでお受けしますわ。あなたなんか死んでもお断りです」
そう言って見事なカーテシーを決めたのだった。その傍らにはイーサンの取り巻き3人の婚約者達の姿があり、彼女達も同じように婚約破棄を突き付けたのだった。
◇◇◇
その翌日、アイリスは国王に呼び出されていた。
「此度の件、我が愚息が大変申し訳ないことをした...謝って済むことではないが、まずは謝罪させて欲しい。この通りだ...」
そう言って国王は深く頭を下げた。ちなみにケダモノどもは、王宮の地下牢に収監されている。
「頭をお上げ下さい。国王ともあろうお方が臣下に頭を下げるものではありません」
アイリスは淡々と応じた。
「しかし...」
「謝罪というなら、今回の件の処罰を私に決めさせて貰えませんか?」
「...よかろう。申してみよ」
「ありがとうございます。まずイーサン殿下とその取り巻き連中は、去勢して子の成せない体になって貰います。被害に合った女性達は、不幸中の幸いと言いますか、妊娠した者はいませんでした。もっとも既に自害してしまった者は確認のしようがありませんが...」
「許可しよう。もっとも既に全員が廃嫡されておるから、言われなくてもそのつもりだったがな」
「ありがとうございます。更にその上で男娼として娼館に売り飛ばし、その店で死ぬまで働いて貰います。今まで散々女を犯して来た報いを、今度は自分が犯されることによって、その身に刻んで欲しいと思います。そして、そこで稼いだ金は全て被害女性の救済にあてたいと思っています」
「お主が立ち上げた支援プログラムとやらか?」
「ご存知でしたか」
「もちろんじゃとも。立派な志じゃと感心しておったところじゃ。よかろう、お主の望みは全て叶えようぞ」
「ありがとうございます」
アイリスは満面の笑みで答えた。
こうしてケダモノどもの処遇が決まった。
先程からイーサン達の声が聞こえなくなって来たので、アイリスはタコ殴りにしていた生徒達に声を掛ける。
あれだけ言っておいたのだから、よもや殺してはいないと思うが、さすがに気にはなる。アイリスが近付くと生徒達の人垣が割れ、イーサン達の状態が把握できた。
顔の見分けがつかない程、ボコボコに殴られて腫れ上がっている。意識は無いようだが、息はしているようだ。
聞こえてはいないだろうが、アイリスとしてはケジメをつける意味でも、これだけはちゃんとイーサンに言っておく必要があった。
「婚約を破棄したいんでしたっけ? 謹んでお受けしますわ。あなたなんか死んでもお断りです」
そう言って見事なカーテシーを決めたのだった。その傍らにはイーサンの取り巻き3人の婚約者達の姿があり、彼女達も同じように婚約破棄を突き付けたのだった。
◇◇◇
その翌日、アイリスは国王に呼び出されていた。
「此度の件、我が愚息が大変申し訳ないことをした...謝って済むことではないが、まずは謝罪させて欲しい。この通りだ...」
そう言って国王は深く頭を下げた。ちなみにケダモノどもは、王宮の地下牢に収監されている。
「頭をお上げ下さい。国王ともあろうお方が臣下に頭を下げるものではありません」
アイリスは淡々と応じた。
「しかし...」
「謝罪というなら、今回の件の処罰を私に決めさせて貰えませんか?」
「...よかろう。申してみよ」
「ありがとうございます。まずイーサン殿下とその取り巻き連中は、去勢して子の成せない体になって貰います。被害に合った女性達は、不幸中の幸いと言いますか、妊娠した者はいませんでした。もっとも既に自害してしまった者は確認のしようがありませんが...」
「許可しよう。もっとも既に全員が廃嫡されておるから、言われなくてもそのつもりだったがな」
「ありがとうございます。更にその上で男娼として娼館に売り飛ばし、その店で死ぬまで働いて貰います。今まで散々女を犯して来た報いを、今度は自分が犯されることによって、その身に刻んで欲しいと思います。そして、そこで稼いだ金は全て被害女性の救済にあてたいと思っています」
「お主が立ち上げた支援プログラムとやらか?」
「ご存知でしたか」
「もちろんじゃとも。立派な志じゃと感心しておったところじゃ。よかろう、お主の望みは全て叶えようぞ」
「ありがとうございます」
アイリスは満面の笑みで答えた。
こうしてケダモノどもの処遇が決まった。
220
お気に入りに追加
2,345
あなたにおすすめの小説
悪役断罪?そもそも何かしましたか?
SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。
男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。
あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。
えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。
勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。

俺の可愛い幼馴染
SHIN
恋愛
俺に微笑みかける少女の後ろで、泣きそうな顔でこちらを見ているのは、可愛い可愛い幼馴染。
ある日二人だけの秘密の場所で彼女に告げられたのは……。
連載の気分転換に執筆しているので鈍いです。おおらかな気分で読んでくれると嬉しいです。
感想もご自由にどうぞ。
ただし、作者は木綿豆腐メンタルです。

断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。

【完結済み】婚約破棄したのはあなたでしょう
水垣するめ
恋愛
公爵令嬢のマリア・クレイヤは第一王子のマティス・ジェレミーと婚約していた。
しかしある日マティスは「真実の愛に目覚めた」と一方的にマリアとの婚約を破棄した。
マティスの新しい婚約者は庶民の娘のアンリエットだった。
マティスは最初こそ上機嫌だったが、段々とアンリエットは顔こそ良いが、頭は悪くなんの取り柄もないことに気づいていく。
そしてアンリエットに辟易したマティスはマリアとの婚約を結び直そうとする。
しかしマリアは第二王子のロマン・ジェレミーと新しく婚約を結び直していた。
怒り狂ったマティスはマリアに罵詈雑言を投げかける。
そんなマティスに怒ったロマンは国王からの書状を叩きつける。
そこに書かれていた内容にマティスは顔を青ざめさせ……
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

【完結】死がふたりを分かつとも
杜野秋人
恋愛
「捕らえよ!この女は地下牢へでも入れておけ!」
私の命を受けて会場警護の任に就いていた騎士たちが動き出し、またたく間に驚く女を取り押さえる。そうして引っ立てられ連れ出される姿を見ながら、私は心の中だけでそっと安堵の息を吐く。
ああ、やった。
とうとうやり遂げた。
これでもう、彼女を脅かす悪役はいない。
私は晴れて、彼女を輝かしい未来へ進ませることができるんだ。
自分が前世で大ヒットしてTVアニメ化もされた、乙女ゲームの世界に転生していると気づいたのは6歳の時。以来、前世での最推しだった悪役令嬢を救うことが人生の指針になった。
彼女は、悪役令嬢は私の婚約者となる。そして学園の卒業パーティーで断罪され、どのルートを辿っても悲惨な最期を迎えてしまう。
それを回避する方法はただひとつ。本来なら初回クリア後でなければ解放されない“悪役令嬢ルート”に進んで、“逆ざまあ”でクリアするしかない。
やれるかどうか何とも言えない。
だがやらなければ彼女に待っているのは“死”だ。
だから彼女は、メイン攻略対象者の私が、必ず救う⸺!
◆男性(王子)主人公の乙女ゲーもの。主人公は転生者です。
詳しく設定を作ってないので、固有名詞はありません。
◆全10話で完結予定。毎日1話ずつ投稿します。
1話あたり2000字〜3000字程度でサラッと読めます。
◆公開初日から恋愛ランキング入りしました!ありがとうございます!
◆この物語は小説家になろうでも同時投稿します。
第12回ネット小説大賞コミック部門入賞・コミカライズ企画進行「婚約破棄ですか? それなら昨日成立しましたよ、ご存知ありませんでしたか?」完結
まほりろ
恋愛
第12回ネット小説大賞コミック部門入賞・コミカライズ企画進行中。
コミカライズ化がスタートしましたらこちらの作品は非公開にします。
「アリシア・フィルタ貴様との婚約を破棄する!」
イエーガー公爵家の令息レイモンド様が言い放った。レイモンド様の腕には男爵家の令嬢ミランダ様がいた。ミランダ様はピンクのふわふわした髪に赤い大きな瞳、小柄な体躯で庇護欲をそそる美少女。
対する私は銀色の髪に紫の瞳、表情が表に出にくく能面姫と呼ばれています。
レイモンド様がミランダ様に惹かれても仕方ありませんね……ですが。
「貴様は俺が心優しく美しいミランダに好意を抱いたことに嫉妬し、ミランダの教科書を破いたり、階段から突き落とすなどの狼藉を……」
「あの、ちょっとよろしいですか?」
「なんだ!」
レイモンド様が眉間にしわを寄せ私を睨む。
「婚約破棄ですか? 婚約破棄なら昨日成立しましたが、ご存知ありませんでしたか?」
私の言葉にレイモンド様とミランダ様は顔を見合わせ絶句した。
全31話、約43,000文字、完結済み。
他サイトにもアップしています。
小説家になろう、日間ランキング異世界恋愛2位!総合2位!
pixivウィークリーランキング2位に入った作品です。
アルファポリス、恋愛2位、総合2位、HOTランキング2位に入った作品です。
2021/10/23アルファポリス完結ランキング4位に入ってました。ありがとうございます。
「Copyright(C)2021-九十九沢まほろ」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる