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「私はチャンスを上げても良いんじゃないかって思ってます」
3人の内の一人、侯爵家の令嬢がそう答えた。
「コウシャン様が王妃になられた時、お側でお支えしたいと思っていますので」
「あら、ありがとう」
コウシャンはニッコリ微笑んだ。
「私も同感です」
次に辺境伯家の令嬢が答えた。
「コウシャン様の学園改革、一緒に取り組めたらいいなと思っております」
「あら、嬉しいわ」
「私も同じなんですがコウシャン様、一つよろしいでしょうか?」
最後の一人、伯爵家の令嬢が聞いて来た。
「なにかしら?」
「いっそ、男子校と女子校に分けるっていうのは如何でしょうか? そうすれば高位貴族と低位貴族に分けなくても良くなりませんか? そもそも接触できなくなりますし」
「あ~...それね...実は私も最初、そうしようかなとも考えてたんだけど...」
そこでコウシャンはチラッとダンシャルに目をやって、
「どうも私達高位貴族と低位貴族の彼女達とは価値観っていうか、人生観みたいなものがかけ離れ過ぎていて、相容れないかなと思い直したのよね。あなた達もそう感じる瞬間が少なからずあったんじゃないかしら?」
「「「 あぁ~... 」」」
3人がそれぞれ納得したような顔で頷いた。更にコウシャンは続ける。
「それにね、今だってあるじゃない? 高位貴族の子女が低位貴族の子女を使用人のように又は下僕のように、酷い時は奴隷のように扱っていることが。そういった陰湿な虐めの温床にどうしてもなりやすいのよ。だから高位と低位に分けた方が良いと思った訳なの」
「「「 なるほど~... 」」」
3人はまたしても納得した顔で頷いた。まだまだコウシャンは続ける。
「まぁそうは言っても、高位や低位の中においても序列や力関係によって格差や軋轢は生じるでしょうけどね...人間ってどこまで行っても、何かで差別しないと生きていけない悲しい生き物だから...」
「「「 確かに... 」」」
3人は神妙な顔で頷いた。
「「「「あ、あの...」」」」
完璧に蚊帳の外に置かれているオウジン達が、恐る恐る割って入る。
「あら、いけない。すっかり忘れてましたわ。あなた達、本当に反省してるんですよね?」
4人はコクコクと何度も頷いた。
「よろしい。今回は許して差し上げますわ。ただし!」
コウシャンは4人を指差して、ビシッと言い放った。
「次はありませんからね!」
4人はまたしてもコクコクと何度も頷いた。
「皆さん、お騒がせしました。遅くなりましたが、パーティーを始めましょうか」
コウシャンはその場に居る全員に向けて、とても良い笑顔でそう言った。
3人の内の一人、侯爵家の令嬢がそう答えた。
「コウシャン様が王妃になられた時、お側でお支えしたいと思っていますので」
「あら、ありがとう」
コウシャンはニッコリ微笑んだ。
「私も同感です」
次に辺境伯家の令嬢が答えた。
「コウシャン様の学園改革、一緒に取り組めたらいいなと思っております」
「あら、嬉しいわ」
「私も同じなんですがコウシャン様、一つよろしいでしょうか?」
最後の一人、伯爵家の令嬢が聞いて来た。
「なにかしら?」
「いっそ、男子校と女子校に分けるっていうのは如何でしょうか? そうすれば高位貴族と低位貴族に分けなくても良くなりませんか? そもそも接触できなくなりますし」
「あ~...それね...実は私も最初、そうしようかなとも考えてたんだけど...」
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「「「 あぁ~... 」」」
3人がそれぞれ納得したような顔で頷いた。更にコウシャンは続ける。
「それにね、今だってあるじゃない? 高位貴族の子女が低位貴族の子女を使用人のように又は下僕のように、酷い時は奴隷のように扱っていることが。そういった陰湿な虐めの温床にどうしてもなりやすいのよ。だから高位と低位に分けた方が良いと思った訳なの」
「「「 なるほど~... 」」」
3人はまたしても納得した顔で頷いた。まだまだコウシャンは続ける。
「まぁそうは言っても、高位や低位の中においても序列や力関係によって格差や軋轢は生じるでしょうけどね...人間ってどこまで行っても、何かで差別しないと生きていけない悲しい生き物だから...」
「「「 確かに... 」」」
3人は神妙な顔で頷いた。
「「「「あ、あの...」」」」
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「あら、いけない。すっかり忘れてましたわ。あなた達、本当に反省してるんですよね?」
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「よろしい。今回は許して差し上げますわ。ただし!」
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「次はありませんからね!」
4人はまたしてもコクコクと何度も頷いた。
「皆さん、お騒がせしました。遅くなりましたが、パーティーを始めましょうか」
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