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説教
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「でも...大丈夫ですかね...」
私はちょっと心配になった。
「大丈夫ですよ。ニコちゃん、大人しいですもん」
「そりゃ確かにそうなんですが...今は子馬の姿でも、何らかの理由で急に大きくなるかも知れませんよ? 散歩させるなら私の亜空間の中で良くないですか?」
なにせユニコーン自体がまだ得体の知れない存在だからね。
「大丈夫ですってば。こう見えても私、馬の扱いには慣れてますもん。それに、やっぱり太陽の下でノビノビと散歩させてあげたいじゃないですか? ユニコーンとはいえ馬なんですから」
「フゥ...分かりましたよ...行ってらっしゃい。ただし、あんまり遅くならないでくださいね?」
「了解です! では行って来ます!」
セリカさんは元気溌剌といった感じで勢い良く飛び出して行った。私は一抹の不安を抱えながら見送った後、自室に戻り一休みすることにした。
「み、水を...」
「あ、頭が割れるように痛い...」
二日酔いで苦しんでる飲んべえ二人のことは、またしても丸ッと無視してやった。自業自得だっちゅうの。
◇◇◇
「ふぁっ!?」
自室でノンビリ本を読んでいる内に、いつの間にやら外が暗くなっていた。どうやら寝落ちしてたらしい。
時計を見ると、そろそろ夕食の時間になる頃だった。私は背伸びしながら自室を出て食堂に向かった。
「あれ? セリカさんは? もしかしてまだ戻っていないとか?」
食堂に着くと、ようやく復活したらしい飲んべえ二人と、ルキノちゃんがテーブルに着いているだけで、セリカさんの姿はどこにもなかった。
「えぇ、まだなんです...さすがに心配になって来たんで、今ちょうどアスカさんが探しに行ったところなんですよ...」
夕食の支度をしながらフローラさんがそう教えてくれた。
「フゥ...だから言わんこっちゃない...」
私は大きなため息を一つ吐いた。アスカさんにまで迷惑を掛けてホント申し訳ない...帰ったらセリカさんは説教だな!
私がそう決心した後、アスカさんに合流して一緒に探し回ろうと思っていたその時だった。
「遅くなりましたが、ただいま戻りました~...」
疲れ切った顔のセリカさんがひょっこり戻って来た。
「セリカさん、お帰りなさい。随分遅かったですが? なにかあったんですか?」
「それがですね...ニコちゃん、文字通り道草を食いまくりましてね...引っ張ってもなかなか動こうとしてくれないんですよ...いやぁ、参った参った...」
「セリカさんがあんまり遅いんで、心配したアスカさんが探しに出ているんですよ?」
「えっ!? そ、そうなんですか!? す、すいません! わ、私ちょっと謝りに行って来ますね!」
言うが早いか、セリカさんは飛び出して行った。仕方ない。説教は後回しだ。
私はちょっと心配になった。
「大丈夫ですよ。ニコちゃん、大人しいですもん」
「そりゃ確かにそうなんですが...今は子馬の姿でも、何らかの理由で急に大きくなるかも知れませんよ? 散歩させるなら私の亜空間の中で良くないですか?」
なにせユニコーン自体がまだ得体の知れない存在だからね。
「大丈夫ですってば。こう見えても私、馬の扱いには慣れてますもん。それに、やっぱり太陽の下でノビノビと散歩させてあげたいじゃないですか? ユニコーンとはいえ馬なんですから」
「フゥ...分かりましたよ...行ってらっしゃい。ただし、あんまり遅くならないでくださいね?」
「了解です! では行って来ます!」
セリカさんは元気溌剌といった感じで勢い良く飛び出して行った。私は一抹の不安を抱えながら見送った後、自室に戻り一休みすることにした。
「み、水を...」
「あ、頭が割れるように痛い...」
二日酔いで苦しんでる飲んべえ二人のことは、またしても丸ッと無視してやった。自業自得だっちゅうの。
◇◇◇
「ふぁっ!?」
自室でノンビリ本を読んでいる内に、いつの間にやら外が暗くなっていた。どうやら寝落ちしてたらしい。
時計を見ると、そろそろ夕食の時間になる頃だった。私は背伸びしながら自室を出て食堂に向かった。
「あれ? セリカさんは? もしかしてまだ戻っていないとか?」
食堂に着くと、ようやく復活したらしい飲んべえ二人と、ルキノちゃんがテーブルに着いているだけで、セリカさんの姿はどこにもなかった。
「えぇ、まだなんです...さすがに心配になって来たんで、今ちょうどアスカさんが探しに行ったところなんですよ...」
夕食の支度をしながらフローラさんがそう教えてくれた。
「フゥ...だから言わんこっちゃない...」
私は大きなため息を一つ吐いた。アスカさんにまで迷惑を掛けてホント申し訳ない...帰ったらセリカさんは説教だな!
私がそう決心した後、アスカさんに合流して一緒に探し回ろうと思っていたその時だった。
「遅くなりましたが、ただいま戻りました~...」
疲れ切った顔のセリカさんがひょっこり戻って来た。
「セリカさん、お帰りなさい。随分遅かったですが? なにかあったんですか?」
「それがですね...ニコちゃん、文字通り道草を食いまくりましてね...引っ張ってもなかなか動こうとしてくれないんですよ...いやぁ、参った参った...」
「セリカさんがあんまり遅いんで、心配したアスカさんが探しに出ているんですよ?」
「えっ!? そ、そうなんですか!? す、すいません! わ、私ちょっと謝りに行って来ますね!」
言うが早いか、セリカさんは飛び出して行った。仕方ない。説教は後回しだ。
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