空間魔法って実は凄いんです

真理亜

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命名「ニコ」

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「へぇ~? お二人も柵作成の経験がお有りで?」

「いや無い。だがなんとかなる。力仕事なら任せとけ」

 ラウムさんは堂々と言い放った。力仕事ってことになるんかな?

「私は昔、父を手伝って柵やら簾やらを作った経験が有ります。ウチの父、ガーデニングが趣味だったもんで」

「なるほど。良く分かりました。ではお二人にもお願いします」

 こうしてアスカさん、セリカさんに加え、ラウムさん、ステラさんも柵作りに参加することが決まった。

「それじゃ早速、材料集めと参りましょうか」

 アスカさん先導の元、柵作り班は材料を仕入れに町へと繰り出して行った。

「行ってらっしゃ~い」

 柵作り経験の無い私とフローラさんはお留守番だ。ちなみにルキノちゃんはスネてふて寝してしまった。
 

◇◇◇


「フゥ...こんな感じですかね?」

 そして夕方、お庭を囲むようにして作られた柵が完成した。約1mくらいの高さがあるので、そう簡単には飛び越えられないとは思うが、果たしてユニコーンの反応はどうか?

「皆さん、お疲れ様でした」

 私は柵作り班の労を労った後、亜空間からユニコーンを出してみた。ユニコーンはお腹一杯なのか丸くなって寝ていたが、外に出されたのでもぞもぞと起き出した。

 そして大して広くもないお庭の周囲を回り、新しく設えた柵の匂いをフンフンと嗅いだりしていた。やがて満足したのか、また丸くなって寝てしまった。

「うん、どうやらこの子も気に入ったみたいですね。多分...」

 良く分かんないけど、そういう風に見えたんでね。

「カリナお姉ちゃん、そろそろ「この子」じゃなくて名前付けてあげたら?」

 少し寝てスッキリしたのか、ようやく機嫌の直ったルキノちゃんがそんなことを言って来た。

「あぁ、確かに...名前ですか....」

 そうだよね。名前が無いと不便だよね。てもなぁ...いきなり名前って言われてもなぁ...ユニコーンだからユニちゃんとか? 安易過ぎかなぁ? などと私が悩んでいると、

「ルキノ、考えたよ?」

「えっ!? 本当ですか!? 是非聞かせてください」

「ユニコーンだから「ニコちゃん」なんてのはどう?」

「そこ!? よりによって切り取るのそこなの!?」

 すかさずアスカさんが突っ込みを入れる。子供ならではの柔軟な発想というヤツだろうか。

「あぁ、いいんじゃないですか?「ニコちゃん」可愛いと思います」

「そうだな。呼び易いし覚え易い。「ニコ」でいいんじゃないか?」

 他の方々が口を揃える。私も気に入った。

「それじゃ今日からこの子は「ニコ」ってことで。ニコ、これからもヨロシクね?」

 私がそう呼び掛けると、寝ていたニコはちょっと顔を上げたが、興味が無いのかまた寝入ってしまった。
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