空間魔法って実は凄いんです

真理亜

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「フワァ...なんか朝から騒がしいですねぇ~ なんかあったんですかぁ~?」

 するとそこに、目を覚ましたらしいセリカさんが、まだ眠そうに大アクビをしながらやって来た。ちなみに、飲んべえ二人組はまだ起きて来ない。

『...』

 私達は無言で子馬の姿に戻ったユニコーンを指差す。

「んんん!?」

 途端にセリカさんが目を丸くする。どうやら眠気は吹っ飛んだらしい。

「か、カリナさん、こ、これは...」

「見ての通りです.. 戻って来ちゃいました...サイズも一緒に戻ってしまったみたいですね...」

 別に「戻った」に掛けた積もりはなかったんだが、結果としてそうなってしまったな。私は苦笑するしかなかった。

「要するに...ユニコーンには体のサイズを自由に変更できる能力があるってことなんですかね...」

 今、この場に居る全員の気持ちを代弁するように、セリカさんがしみじみとそう言った。

「フゥ...仕方ないですね...この子をどこかに預けるのは無理そうなんで、ここで飼うしかありませんね...セリカさん、お世話をお願いしても良いですか?」

「畏まりぃ~♪」

 セリカさんがとっても嬉しそうだ。元々、この子を預けるのに反対してたもんね。

「でもカリナさん、飼うと言ってもこの敷地じゃあ...」

 アスカさんが猫の額ほどのお庭を見渡しながら苦言を呈す。

「えぇ、ですから基本は私の亜空間の中で飼うことにします。ただ問題は、この子勝手に外へ出ちゃうんですよね。だからせめて、このお庭を柵で囲いたいと思います。それほど広くないから大した手間でもないでしょう」

 気休め程度にしかならないけどね...この子、その気になりゃ柵なんて簡単に飛び越えそうだし...まぁでも、なにもしないより多少はマシだよね...

「なるほど。良いかも知れません」

「じゃあ早速、大工さんに頼むとしましょうか」

「あ、カリナさん、ちょっと待ってください。柵なら私が作りますよ?」

「えっ!? アスカさん、そんな経験あるんですか!?」

 意外だったよ。

「えぇまぁ、実は亡くなった旦那の趣味が日曜大工だったんですよ。家具とかを作る傍ら、家の周りを柵で囲ったり、雨樋を作ったりなんかもしていました。そんな旦那を手伝っている内に、自然と私も覚えちゃったっていう感じですかね」

 アスカさんは遠い目をしながら、懐かしそうに語った。

「あ、私もお手伝いできます。祖父の牧場で柵を立てたりしてましたから」

 セリカさんが続いた。

「それじゃお二人にお任せしますね」
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