452 / 462
デジャヴ
しおりを挟む
そこでふと私は、さっからフローラさんが全く発言していないことに気付いた。見ると、うつらうつら船を漕いでいる。
張り切ってご馳走を作ってくれたせいで疲れているんだろう。無理もない。ゆっくりと休ませてあげたいのは山々なんだが、今は我がパーティーが今後どう行動するかに関しての話し合いをしている最中だ。在宅組とはいえ、フローラさんの意見も聞かない訳にはいかない。
「フローラさん、フローラさん、起きてくださいな?」
「ふぇっ!?」
「お休み中の所すいませんが、フローラさんはご意見ご感想等なにかございますか?」
私が苦笑しながらそう言うと、羞恥からか忽ちフローラさんの顔が真っ赤に染まった。
「あぅぅ...も、申し訳ございません...と、特にありません...」
「そうですか。ではこれにてミーティングを終了したいと思います。皆さん、お疲れ様でした」
「お疲れ~♪ さて、一杯引っ掛けるとするかな~♪」
「お疲れ様でした。あ、ステラさん、お風呂先に入っちゃっても良いですか?」
「お疲れ様です。えぇ、構いませんよ。私もラウムさんに付き合って一杯引っ掛けるつもりですから」
「お疲れ様でした。では私は、明日の朝食の仕込みでもやっておきしょうかね」
私の終了の合図と共に、パーティーメンバーは各々動き出した。一人残されたフローラさんは、まだ顔を真っ赤にして俯いたままだったとさ。めでたしめでたし?
◇◇◇
「あ、カリナお姉ちゃん、おはよー」
「おはようございます。ルキノちゃん、今朝は早いですね?」
翌朝、いつものように食堂から流れ出る良い匂いに釣られて目を覚ますと、いつもは私よりお寝坊さんのルキノちゃんが先に起きていた。
「今日は午前中から暑くなるという予報だったので、朝の涼しい内に草むしりを済ませなさいと私が言ったんですよ」
するとアスカさんが、苦笑しながら種明かしをしてくれた。
「うぅぅ...分かってるよぉ...」
ルキノちゃんは渋々といった体で手袋を佩め、ビニール袋を持って外に出て行った。
「あの、アスカさん..私も手伝わなくて本当にいいんでしょうか...」
その姿を見送ったフローラさんは、心配そうな顔でアスカさんに問い掛けていた。
「いいんですよ。花を植える時、自分でやるって言い出したのはルキノなんですから。フローラさん、あんまり甘やかさないでくださいな?」
「わ、分かりました...」
アスカさんが厳しい母親の一面を見せていた時だった。
「どっひゃあああっ!」
外に出たばかりのルキノちゃんが、慌てふためいて戻って来た。
んん? この展開はとってもデジャヴを感じるぞ?
張り切ってご馳走を作ってくれたせいで疲れているんだろう。無理もない。ゆっくりと休ませてあげたいのは山々なんだが、今は我がパーティーが今後どう行動するかに関しての話し合いをしている最中だ。在宅組とはいえ、フローラさんの意見も聞かない訳にはいかない。
「フローラさん、フローラさん、起きてくださいな?」
「ふぇっ!?」
「お休み中の所すいませんが、フローラさんはご意見ご感想等なにかございますか?」
私が苦笑しながらそう言うと、羞恥からか忽ちフローラさんの顔が真っ赤に染まった。
「あぅぅ...も、申し訳ございません...と、特にありません...」
「そうですか。ではこれにてミーティングを終了したいと思います。皆さん、お疲れ様でした」
「お疲れ~♪ さて、一杯引っ掛けるとするかな~♪」
「お疲れ様でした。あ、ステラさん、お風呂先に入っちゃっても良いですか?」
「お疲れ様です。えぇ、構いませんよ。私もラウムさんに付き合って一杯引っ掛けるつもりですから」
「お疲れ様でした。では私は、明日の朝食の仕込みでもやっておきしょうかね」
私の終了の合図と共に、パーティーメンバーは各々動き出した。一人残されたフローラさんは、まだ顔を真っ赤にして俯いたままだったとさ。めでたしめでたし?
◇◇◇
「あ、カリナお姉ちゃん、おはよー」
「おはようございます。ルキノちゃん、今朝は早いですね?」
翌朝、いつものように食堂から流れ出る良い匂いに釣られて目を覚ますと、いつもは私よりお寝坊さんのルキノちゃんが先に起きていた。
「今日は午前中から暑くなるという予報だったので、朝の涼しい内に草むしりを済ませなさいと私が言ったんですよ」
するとアスカさんが、苦笑しながら種明かしをしてくれた。
「うぅぅ...分かってるよぉ...」
ルキノちゃんは渋々といった体で手袋を佩め、ビニール袋を持って外に出て行った。
「あの、アスカさん..私も手伝わなくて本当にいいんでしょうか...」
その姿を見送ったフローラさんは、心配そうな顔でアスカさんに問い掛けていた。
「いいんですよ。花を植える時、自分でやるって言い出したのはルキノなんですから。フローラさん、あんまり甘やかさないでくださいな?」
「わ、分かりました...」
アスカさんが厳しい母親の一面を見せていた時だった。
「どっひゃあああっ!」
外に出たばかりのルキノちゃんが、慌てふためいて戻って来た。
んん? この展開はとってもデジャヴを感じるぞ?
応援ありがとうございます!
12
お気に入りに追加
3,920
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる