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同調
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「私の意志に関係無く、この子は亜空間を自由に出入り出来るんですよ。自分の意志で」
『...』
お二人は絶句してしまった。
「これもユニコーンの持つ能力の一つなんでしょうかね?」
私は誰にともなく問い掛けてみた。
「すいません...私には分かりかねます...」
アスカさんが申し訳無さそうにそう言った。そりゃそうだよね。分かりっこないよね。
「う~ん...これは答えになっているかどうか分かりませんけど...」
セリカさんはそう前置きした上で話し始めた。
「私がカリナさんの亜空間に入った時って、なんて言うか凄く安心するんですよね。まるで自分の庭に居るみたいな感じって言うんでしょうか。恐らくですがこれは、私がカリナさんと同じ空間魔法使いだから、カリナさんの魔力に親和性のようなものを感じているせいなんじゃないかな? って思ってるんです」
「親和性...ですか...」
「えぇ、波長が合うって言い方の方が合っているのかも知れませんがね。とはいえ、いくら波長が合うからと言ったって、私にはカリナさんの亜空間から勝手に出ることなんか出来ませんし、勝手に入ることも出来ません。合うというだけで、波長が完全に同調してる訳じゃありませんからね。ですがもし、波長を完全に同調させることが出来るとしたら? そしてそれがユニコーンの能力だとしたら?」
「...」
今度は私が絶句する番だった。
「なるほど...説得力がありますね...セリカさん、私は同じ魔道士としてその説を推します」
アスカさんが支持に回った。なんとなくだが私も、セリカさんの推測が正しいような気がして来ていた。
「セリカさん、貴重なご意見ありがとうございました」
「どういたしまして。ただ、それが合っていたところで、だからなんなんだ? って話なんですがね。問題の根本的な解決にはなっていませんから」
「あ、確かにそうですね」
セリカさんが苦笑しながらそんなことを言うもんだから、私も釣られて苦笑してしまった。
「カリナさん、取り敢えず今のところは様子見してみるのは如何でしょうか? その内に誰か、ユニコーンの生態に詳しい人が現れるかも知れませんし」
「はい、そうしましょう」
考えたって仕方ない。だってなにも分からないんだから。アスカさんが言う通り、今後ユニコーンの専門家みたいな人と巡り合うことに期待しよう。
「さて、ではそろそろ出発しましょうか?」
私は亜空間を操作してユニコーンを外に出そうとした。だが出て来ない。仕方なく亜空間に潜って、飼い葉を食んでいるユニコーンに直接語り掛けた。
「ねぇ、そろそろ出発したいんだけど?」
「ブルルル」
するとユニコーンは渋々といった感じで外に出てくれた。当面は苦労しそうだな...私はつくづくそう思った。
『...』
お二人は絶句してしまった。
「これもユニコーンの持つ能力の一つなんでしょうかね?」
私は誰にともなく問い掛けてみた。
「すいません...私には分かりかねます...」
アスカさんが申し訳無さそうにそう言った。そりゃそうだよね。分かりっこないよね。
「う~ん...これは答えになっているかどうか分かりませんけど...」
セリカさんはそう前置きした上で話し始めた。
「私がカリナさんの亜空間に入った時って、なんて言うか凄く安心するんですよね。まるで自分の庭に居るみたいな感じって言うんでしょうか。恐らくですがこれは、私がカリナさんと同じ空間魔法使いだから、カリナさんの魔力に親和性のようなものを感じているせいなんじゃないかな? って思ってるんです」
「親和性...ですか...」
「えぇ、波長が合うって言い方の方が合っているのかも知れませんがね。とはいえ、いくら波長が合うからと言ったって、私にはカリナさんの亜空間から勝手に出ることなんか出来ませんし、勝手に入ることも出来ません。合うというだけで、波長が完全に同調してる訳じゃありませんからね。ですがもし、波長を完全に同調させることが出来るとしたら? そしてそれがユニコーンの能力だとしたら?」
「...」
今度は私が絶句する番だった。
「なるほど...説得力がありますね...セリカさん、私は同じ魔道士としてその説を推します」
アスカさんが支持に回った。なんとなくだが私も、セリカさんの推測が正しいような気がして来ていた。
「セリカさん、貴重なご意見ありがとうございました」
「どういたしまして。ただ、それが合っていたところで、だからなんなんだ? って話なんですがね。問題の根本的な解決にはなっていませんから」
「あ、確かにそうですね」
セリカさんが苦笑しながらそんなことを言うもんだから、私も釣られて苦笑してしまった。
「カリナさん、取り敢えず今のところは様子見してみるのは如何でしょうか? その内に誰か、ユニコーンの生態に詳しい人が現れるかも知れませんし」
「はい、そうしましょう」
考えたって仕方ない。だってなにも分からないんだから。アスカさんが言う通り、今後ユニコーンの専門家みたいな人と巡り合うことに期待しよう。
「さて、ではそろそろ出発しましょうか?」
私は亜空間を操作してユニコーンを外に出そうとした。だが出て来ない。仕方なく亜空間に潜って、飼い葉を食んでいるユニコーンに直接語り掛けた。
「ねぇ、そろそろ出発したいんだけど?」
「ブルルル」
するとユニコーンは渋々といった感じで外に出てくれた。当面は苦労しそうだな...私はつくづくそう思った。
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