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推測

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「アレックスさんはユニコーンに関してなにかご存知ですか?」

「いや、俺は魔物以外のことに関しちゃとことん疎くてな」

 ギルドマスターと全く同じ回答だったので、私は思わず苦笑してしまっていた。

「ただ噂に聞いたことはある。ユニコーンは主人を守るためなら命懸けで戦うっていう話だ」

「命を懸けて...」

「今回、コイツがお前らのことを助けた理由はカリナ、お前のことを主人だと認めているってことなんだろうな」

「そうなんでしょうかね...」

 私は改めて白馬...いやもうユニコーンでいいか...の姿をマジマジと見詰めた。子馬だった頃と違い、長く伸びた角はフローラさんに見せて貰った絵本に描かれていた姿と同じ金色に光り輝いていた。

「それとこれはあくまでも俺の推測なんだがな、子馬だった体が急に成長した理由はカリナ、お前の魔力を吸ったからなんじゃないか?」

「えっ!? まさか!? 私はてっきりヒュドラに吸われたもんだとばっかり...」

 アレックスさんの推測に、私はビックリして思わずユニコーンを二度見してしまった。

「いやだから、あくまでも推測だって言ったろ? アテにすんなよ? ただな? 俺達も何度かヒュドラと戦ったことはあるが、魔力を吸うような特殊能力があるなんて知らなかったし、今まで他の誰かから聞いたこともなかったし、今日初めて聞いてビックリしているところなんだよ」

「あぁ、なるほど...」

「だから参考程度に聞いておいてくれ」

「分かりました...」

 色々と気になる点は多々あるが、ユニコーンの件は一先ず置いておくことにした。もう一つ、報告しなければならないことが残っていたからだ。

「アレックスさん、ちょっとこれを見て貰えませんか?」

 そう言って私は、馬車の荷台の扉を開いた。荷台には、マックス達三人が未だに状態異常で苦しんでいる姿があった。

「こ、これは!?」

「ウチのセリカが以前に所属していた『ペガサスの翼』という名のパーティーメンバー達です。そもそも私達がヒュドラと戦う羽目になったのは、彼らがヒュドラに殺られそうになっていたところを助けるためだったんですよ」

「そうだったのか...済まん...これは俺のミスだ...コイツらにはもっと厳しく言うべきだった...」

「それはどういう意味でしょうか?」

「コイツらが戦いたいってここに来た時にな、お前らじゃ無理だから死にたくなけりゃとっとと帰れって一蹴したんだよ。それっきり姿が見えなくなったんでテッキリ帰ったもんだとばっかり思ってたんだがな...」

「そうだったんですね...」

「カリナ、とにかく済まなかった。コイツらは俺達が預かる。ウチのパーティーにも状態異常を治せるヤツが居るからな」

「分かりました。お願いします」
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