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またもや旧知の
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その日は結局、他には何事も起こらなかった。そろそろ野営の頃合いとなったので、馬車のスピードを落とし程良い場所を探していると、
「うん!? どうやら先客が居るようだな」
ラウムさんがそう言って前方を指差した。見ると、道脇にちょうど良い感じのスペースが空いている場所があって、そこには既にテントが張られていた。テントの脇には馬車が止められており、テントの前では焚き火を囲んで談笑している女の人達の姿があった。
「えぇっ!? まさか!? ミランダ!?」
とってもデジャヴ感を感じる展開であった。そしてステラさんがそう叫んだ名を、今度は私もすぐに思い出した。それはかつてステラさんが所属していた『女神の風』という、これまた中二病全開のパーティー名のパーティーリーダーの名前だった。
「あれ!? ステラじゃん!? こんな所で会うなんて奇遇だね!?」
ラウムさんが馬車を止め、ステラさんが『女神の風』の人達の所に近付いて行ってる間に、私と今度はセリカさんも一緒になって事情を知らないお二方に手早く説明した。
するとお二方の表情がちょっと険しくなった。まぁ無理もない。昼間のことがあったばっかりだもんね。
「私達はギルドマスターに依頼されて、ランクAのダンジョンに向かってる途中なんだけどアンタ達は?」
「アタシ達も同じさ。このキャシーの索敵能力を役立てて欲しいって頼まれてね」
「私達も同じだわ。私の飛行能力を使って哨戒して欲しいって」
「なるほどね。みんな考えることは一緒ってことか」
「そうみたいね。どころでミランダ、アンタ達が依頼されたのは索敵だけ? 魔物と戦うっていうのも依頼に入ってんの?」
「索敵だけだよ。アタシらみたいな下っ端に、ランクAのダンジョンの魔物なんか倒せる訳ないじゃんか」
「それを聞いて安心したわ。お互い頑張りましょ。じゃあまたね」
「えっ!? アンタらもここで野営すんじゃないの!? 場所まだ空いてるよ!?」
「私達はもうちょっと先に行くわ。距離を稼いでおきたいから。じゃあね」
ステラさんとミランダはこんな風な会話をして別れた。
「皆さん、すいません。お待たせしました。ラウムさん、アスカさん、馬車をスタートさせてください。カリナさん、彼女達から少し離れた場所で亜空間に入りましょう。彼女達には見られたくないから。それで良いですよね?」
矢継ぎ早にそう指示を下すステラさんに、圧倒された私達はただ黙って指示に従うのみだった。
やがて『女神の風』の連中の目が届かない辺りまで進んだ所で馬車を止め、私が馬車ごと亜空間に引き込んだ後のこと。
「フゥ...良かった...」
ステラさんは安心したかのように大きく息を吐いたのだった。
「うん!? どうやら先客が居るようだな」
ラウムさんがそう言って前方を指差した。見ると、道脇にちょうど良い感じのスペースが空いている場所があって、そこには既にテントが張られていた。テントの脇には馬車が止められており、テントの前では焚き火を囲んで談笑している女の人達の姿があった。
「えぇっ!? まさか!? ミランダ!?」
とってもデジャヴ感を感じる展開であった。そしてステラさんがそう叫んだ名を、今度は私もすぐに思い出した。それはかつてステラさんが所属していた『女神の風』という、これまた中二病全開のパーティー名のパーティーリーダーの名前だった。
「あれ!? ステラじゃん!? こんな所で会うなんて奇遇だね!?」
ラウムさんが馬車を止め、ステラさんが『女神の風』の人達の所に近付いて行ってる間に、私と今度はセリカさんも一緒になって事情を知らないお二方に手早く説明した。
するとお二方の表情がちょっと険しくなった。まぁ無理もない。昼間のことがあったばっかりだもんね。
「私達はギルドマスターに依頼されて、ランクAのダンジョンに向かってる途中なんだけどアンタ達は?」
「アタシ達も同じさ。このキャシーの索敵能力を役立てて欲しいって頼まれてね」
「私達も同じだわ。私の飛行能力を使って哨戒して欲しいって」
「なるほどね。みんな考えることは一緒ってことか」
「そうみたいね。どころでミランダ、アンタ達が依頼されたのは索敵だけ? 魔物と戦うっていうのも依頼に入ってんの?」
「索敵だけだよ。アタシらみたいな下っ端に、ランクAのダンジョンの魔物なんか倒せる訳ないじゃんか」
「それを聞いて安心したわ。お互い頑張りましょ。じゃあまたね」
「えっ!? アンタらもここで野営すんじゃないの!? 場所まだ空いてるよ!?」
「私達はもうちょっと先に行くわ。距離を稼いでおきたいから。じゃあね」
ステラさんとミランダはこんな風な会話をして別れた。
「皆さん、すいません。お待たせしました。ラウムさん、アスカさん、馬車をスタートさせてください。カリナさん、彼女達から少し離れた場所で亜空間に入りましょう。彼女達には見られたくないから。それで良いですよね?」
矢継ぎ早にそう指示を下すステラさんに、圧倒された私達はただ黙って指示に従うのみだった。
やがて『女神の風』の連中の目が届かない辺りまで進んだ所で馬車を止め、私が馬車ごと亜空間に引き込んだ後のこと。
「フゥ...良かった...」
ステラさんは安心したかのように大きく息を吐いたのだった。
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