空間魔法って実は凄いんです

真理亜

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旧知の

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「では出発しましょうか?」

 馬車の準備が完了したので、全員を見渡してから私がそう言うと、

「あ、カリナさん。念のため、いつものように私が飛んで前方の確認をしましょうか?」

 ステラさんがそんなこと言ってきたので、

「あぁ、いえいえ。ステラさんには現地に着いたら一番働いて貰うんですから、今の内にたっぷりと休んでてくださいよ?」

 私は速攻で却下した。

「すいません、お心遣い感謝します」

「御者席には今回も私とアスカが乗る。ステラだけじゃなく、全員少し休んでてくれ」

「魔物や盗賊が出たらすぐに知らせますのでご心配なく」

「ラウムさん、アスカさん、ありがとうございます」

 お言葉に甘えて、私とステラさん、セリカさんの三人は座席に着いた。


◇◇◇


「うん!? あれは!?」

 王都を出発してから約4時間、そろそろ昼食を摂るために休憩を挟もうと思っていた時だった。

 馬車の窓から外の景色をボンヤリと眺めていた私の目に、前方から煙が上がっているのが見えてきた。ちなみにステラさんとセリカさんは居眠りしている。

「どうやら誰かが火を焚いてるらしいな。昼飯でも食ってるのかも知れん」

 ラウムさんも気付いたようだ。馬車のスピードを少し緩めた。

「私達と同じように、ランクAのダンジョンに向かう冒険者でしょうか?」

「どうだろうな? ギルドマスターの話じゃ、他の冒険者達は既に出発した後らしいからな」

「あ、確かにそうですね」

 だったら今頃こんな所に居る訳無いよな。とっくに先行ってるだろうし。

「なにはともあれ、進行方向が同じなら無視するという訳にもいかん。挨拶くらいはしておかんとな。みんな、念のために用心だけはしておいてくれ」 

「用心?」

「冒険者に成り済ました盗賊ってパターンもあるってことですよ」

 ラウムさんに代わってアスカさんが丁寧に説明してくれた。

「あぁ、なるほど...良く分かりました...取り敢えず、ステラさんとセリカさんは起きてください」

「フゴッ!? んん!? 飯の時間ですか!?」

「ムニャムニャ...もう食べられないよ~...」

 お二人とも揃って食い意地張ってんな。私はまだ寝惚け眼のお二人に取り急ぎ状況を説明した。

「見えてきたぞ?」

 見ると、確かに前方のちょっと道幅が広くなった辺りで、馬車を道脇に止め焚き火を囲う冒険者らしき人達の姿があった。

「えぇっ!? まさか!? マックス!?」

 その時、セリカさんが驚きの声を上げた。マックス!? 誰だ!? セリカさんの知り合いか!? あれ? なんか聞き覚えがあるぞ?

「あ、確か『ペガサスの翼』の...」

 そう、この中二病全開の痛い名前は、以前セリカさんが所属していたパーティーの名前だ。
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