空間魔法って実は凄いんです

真理亜

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新聞記事

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「ブッホゥッ!」

 次の瞬間、今まで黙って私達の話を聞いていたセリカさんが、辛抱堪らんとばかりに盛大に吹き出した。

 その隣ではアスカさんが顔を思いっきり背けている。肩の辺りがプルプルと震えているから、こちらは笑いを堪えているのが丸分かりだ。

「ほほぅ...つまりなにか? 私とステラは薄汚れているから姿が見えなかったと? そう言いたい訳なんだな?」

 ラウムさんの目が次第に剣を帯び始めた。今にもフローラさんに食って掛かりそうだ。

 その隣ではステラさんがニッコリと良い笑顔を浮かべている。ただし、目の奥が全く笑っていないので怖くて仕方ない。

「あっ! ち、違うんです! そ、そういう意味じゃなくてですね? つ、ついポロッと本音がだだ漏れしたといいますか、心の声がそう囁いたといいますか...あぁっ!」

 慌てて取り繕おうとしたフローラさんだったが、逆にどんどんドツボに嵌まってしまったようだった。

「良い度胸だ、フローラ。よっぽど命が惜しくないと見える。よし、そこに直れ。成敗してくれる」

 そう言ってラウムさんは、首をコキコキと鳴らしながらやおら立ち上がった。

「遺言があるのなら今の内ですよ?」

 その隣ではステラさんが、指をポキポキと鳴らしながらやおら立ち上がった。

「ご、ごめんなさ~い!」

 命の危機を感じたフローラさん、それはそれは見事なスライディング土下座を決めて見せたとさ。

「分かりゃいいんだ。分かりゃ」

「命拾いしましたね?」

 お二人の迫力に私は口を挟むことが出来なかったのだが、

「そういうとこだと思うなぁ...」

 ソファーに横たわったままのルキノちゃんはボソッとそう呟いた。

「ルキノ、なんか言ったか?」

「ルキノちゃん、口は災いの元って諺ご存知ですか?」

「な、なんでもないです...」

 こうしてなんだかグダグダのまま、その日の報告会は終了したのだった。


◇◇◇


 翌朝、最早朝の定番となりつつある食堂からの良い匂い釣られて目を覚ますと、今朝もアスカさんとフローラさんが朝食の支度をしてくれている姿が目に入る。

「おはようございます」

「おはようございます」

「カリナさん、コーヒーで良いですか?」

「あ、はい。すいません、よろしくお願いします」

 お二人に挨拶してからリビングに向かうと、先に起きていたラウムさんがコーヒーを片手に新聞を読んでいた。

「おはよう」

「おはようございます。今朝は早いですね?」

「夕べは飲んでないからな」

 あぁ、なるほど。確かに飲んでない時のラウムさんは早起きだったな。

「うん? おい、カリナ。この記事読んでみろ?」

 そう言ってラウムさんが三面記事を指差してきた。
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