383 / 462
長い戦いの終わり
しおりを挟む
「クエェェェッ!」
最後の力を振り絞ったかのような雄叫びを上げながら、ステラさんがグリフォン目掛けて飛んで行く。
その気迫に気圧されたのか、グリフォンがちょっと距離を取ろうと高度を上げる。だがそれを許さんとばかりにステラさんが体当たりした。
「ガオッウ!?」
意表を突かれたのか、グリフォンがバランスを崩して高度を下げた。
「シャアアアッ!」
それを見逃さなかったラウムさんは、ここぞとばかりに虎の力を使って高く高く跳躍した。
「ウオリャアッ!」
ラウムさんが振るった破邪の剣が、グリフォンの右の翼を物の見事に切り裂いた。
「ガオンッ!?」
片翼を失ったグリフォンは、飛ぶことが出来ずに地面へと落ちるように降下した。
「セリャアッ!」
返す刀でラウムさんがグリフォンの首をかっ切った。グリフォンは首と胴体を真っ二つに分断され、夥しい量の血を吹き出しながら崩れ落ちた。
長い長い戦いに終止符が打たれた瞬間だった。
◇◇◇
「ラウムさん! ステラさん!」
私とセリカさんは殊勲のお二人の元に駆け寄った。
「フゥ...フゥ...」
「ハァ...ハァ...」
肩で息をしてはいるが、お二人とも満足そうな表情を浮かべている。とても良い笑顔だ。
「やったな...お疲れさん...」
「やりましたね...お疲れ様でした...」
お二人はがっちりと握手を交わした。
「ラウムさん、ステラさん、本当にお疲れ様でした。そしてありがとうございました」
「お二方ともめっちゃカッコ良かったです! 私、感動しちゃいました!」
「ありがとう...」
「どういたしまして...」
「フローラさんが亜空間で待っていますので、まずは治癒を受けてくださいね?」
お二人とも傷だらけだからね。まさに激戦の後って感じだ。
「あぁ、分かった...」
「了解しました...」
お二人を亜空間に送った後、私とセリカさんはグリフォンの亡き骸に向かった。
「うぇぇぇっ! 血塗れですねぇ...」
私は鼻を摘まんだ。血の匂いが気持ち悪かったからだ。
「腕が鳴りますね! 早速解体ショーと参りましょう!」
セリカさんは嬉々として腕捲りしている。さすがは解体職人。だが私は待ったを掛けた。
「セリカさん、グリフォンの亡き骸は解体せずにこのまま持ち帰りましょう」
「へっ!? どうしてですか?」
「王都のギルドマスターにグリフォンを見せるためです。解体しちゃったら分かんなくなっちゃうでしょ?」
「あぁ、なるほど...」
グリフォンの脅威をちゃんと知って貰う必要があるからね。
「セリカさん、すいませんがグリフォンの亡き骸の収納をお願いします。時間停止した方が良いと思いますんで」
鮮度を保つ意味でもね。
「はい、分かりました」
最後の力を振り絞ったかのような雄叫びを上げながら、ステラさんがグリフォン目掛けて飛んで行く。
その気迫に気圧されたのか、グリフォンがちょっと距離を取ろうと高度を上げる。だがそれを許さんとばかりにステラさんが体当たりした。
「ガオッウ!?」
意表を突かれたのか、グリフォンがバランスを崩して高度を下げた。
「シャアアアッ!」
それを見逃さなかったラウムさんは、ここぞとばかりに虎の力を使って高く高く跳躍した。
「ウオリャアッ!」
ラウムさんが振るった破邪の剣が、グリフォンの右の翼を物の見事に切り裂いた。
「ガオンッ!?」
片翼を失ったグリフォンは、飛ぶことが出来ずに地面へと落ちるように降下した。
「セリャアッ!」
返す刀でラウムさんがグリフォンの首をかっ切った。グリフォンは首と胴体を真っ二つに分断され、夥しい量の血を吹き出しながら崩れ落ちた。
長い長い戦いに終止符が打たれた瞬間だった。
◇◇◇
「ラウムさん! ステラさん!」
私とセリカさんは殊勲のお二人の元に駆け寄った。
「フゥ...フゥ...」
「ハァ...ハァ...」
肩で息をしてはいるが、お二人とも満足そうな表情を浮かべている。とても良い笑顔だ。
「やったな...お疲れさん...」
「やりましたね...お疲れ様でした...」
お二人はがっちりと握手を交わした。
「ラウムさん、ステラさん、本当にお疲れ様でした。そしてありがとうございました」
「お二方ともめっちゃカッコ良かったです! 私、感動しちゃいました!」
「ありがとう...」
「どういたしまして...」
「フローラさんが亜空間で待っていますので、まずは治癒を受けてくださいね?」
お二人とも傷だらけだからね。まさに激戦の後って感じだ。
「あぁ、分かった...」
「了解しました...」
お二人を亜空間に送った後、私とセリカさんはグリフォンの亡き骸に向かった。
「うぇぇぇっ! 血塗れですねぇ...」
私は鼻を摘まんだ。血の匂いが気持ち悪かったからだ。
「腕が鳴りますね! 早速解体ショーと参りましょう!」
セリカさんは嬉々として腕捲りしている。さすがは解体職人。だが私は待ったを掛けた。
「セリカさん、グリフォンの亡き骸は解体せずにこのまま持ち帰りましょう」
「へっ!? どうしてですか?」
「王都のギルドマスターにグリフォンを見せるためです。解体しちゃったら分かんなくなっちゃうでしょ?」
「あぁ、なるほど...」
グリフォンの脅威をちゃんと知って貰う必要があるからね。
「セリカさん、すいませんがグリフォンの亡き骸の収納をお願いします。時間停止した方が良いと思いますんで」
鮮度を保つ意味でもね。
「はい、分かりました」
応援ありがとうございます!
12
お気に入りに追加
3,920
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる