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途方に暮れる
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「つまり私の魔法に反応したってことですか?」
「はい、恐らくは...」
「厄介ですね...」
こりゃ困ったぞ...ほんの一瞬でも相手の体に触れさえすればこっちの勝ちなんだが...そもそも近付けないんじゃ話にならん...
「さっきみたいに瞬間移動するってのはどうだ?」
ラウムさんの意見にセリカさんが真っ青な顔になった。
「ぐ、グリフォンの近くに飛べってことですか!? めっちゃ怖いんですけど...」
「なにもグリフォンと戦えって言ってる訳じゃない。カリナを連れて飛んでくれるだけでいい。後はカリナがグリフォンの体に触れさえすればそれで終了だろ?」
「そ、そんな上手くいきますかね...」
セリカさんは半信半疑だが、実際のところ私もその手しかないかなって思い始めた。
「やってみましょうか」
「や、やるんですか...」
「えぇ、セリカさん。タイミングを合わせて飛んでください」
私はセリカさんの手を握った。
「わ、分かりましたよ...で? どの辺りに飛べばいいんですか?...」
セリカさんが嫌々そうな顔をしながら諦観したように尋ねてきた。
「グリフォンの真上に」
「へ?」
「具体的にはグリフォンの背中に跨がるようなイメージで」
「ほ、本当に大丈夫なんですかぁ~?」
セリカさんが涙目になってしまった。
「大丈夫ですよ。一瞬でもグリフォンに触れさえすればいいんですから...多分...」
「た、多分ってぇ~!?」
「いいからいいから。カウントダウン開始しますよ? 3、2、1、今っ!」
私達はグリフォンの背中目掛けて飛んだ。幸い、グリフォンはまだ地上をウロチョロしている。
◇◇◇
「あれ!?」
セリカさんの瞬間移動で飛んだ先、目の前にあるはずのグリフォンの背中がどこにも無い。私は辺りを見渡した。
「か、カリナさん!」
その時、セリカさんが頭上を指差して叫んだ。なんとそこにはいつの間に飛び立ったのか、グリフォンの巨体が宙に浮かんでいた。
「うっぽぅっ!?」
私はビックリして奇妙な声を上げながら、慌ててセリカさんを亜空間へと引っ張り込んだ。
私達が亜空間へ避難した刹那、私達の居た場所をグリフォンの火炎放射が薙ぎ払って行った。
「あ、危ないところだった...」
「し、死ぬかと思った...」
私達は亜空間で抱き合いながらお互いの無事を確かめ合った。
「ど、どういうことなんでしょうか...セリカさんの瞬間移動までもグリフォンには読まれていたってことなんでしょうか...」
それじゃまるで未来予知じゃんか!
「わ、分かりませんが、一瞬で私の魔法を探知したってことなんじゃないでしょうか...」
そんなヤツどうやって倒せばいいんだ!? 私は途方に暮れた。
「はい、恐らくは...」
「厄介ですね...」
こりゃ困ったぞ...ほんの一瞬でも相手の体に触れさえすればこっちの勝ちなんだが...そもそも近付けないんじゃ話にならん...
「さっきみたいに瞬間移動するってのはどうだ?」
ラウムさんの意見にセリカさんが真っ青な顔になった。
「ぐ、グリフォンの近くに飛べってことですか!? めっちゃ怖いんですけど...」
「なにもグリフォンと戦えって言ってる訳じゃない。カリナを連れて飛んでくれるだけでいい。後はカリナがグリフォンの体に触れさえすればそれで終了だろ?」
「そ、そんな上手くいきますかね...」
セリカさんは半信半疑だが、実際のところ私もその手しかないかなって思い始めた。
「やってみましょうか」
「や、やるんですか...」
「えぇ、セリカさん。タイミングを合わせて飛んでください」
私はセリカさんの手を握った。
「わ、分かりましたよ...で? どの辺りに飛べばいいんですか?...」
セリカさんが嫌々そうな顔をしながら諦観したように尋ねてきた。
「グリフォンの真上に」
「へ?」
「具体的にはグリフォンの背中に跨がるようなイメージで」
「ほ、本当に大丈夫なんですかぁ~?」
セリカさんが涙目になってしまった。
「大丈夫ですよ。一瞬でもグリフォンに触れさえすればいいんですから...多分...」
「た、多分ってぇ~!?」
「いいからいいから。カウントダウン開始しますよ? 3、2、1、今っ!」
私達はグリフォンの背中目掛けて飛んだ。幸い、グリフォンはまだ地上をウロチョロしている。
◇◇◇
「あれ!?」
セリカさんの瞬間移動で飛んだ先、目の前にあるはずのグリフォンの背中がどこにも無い。私は辺りを見渡した。
「か、カリナさん!」
その時、セリカさんが頭上を指差して叫んだ。なんとそこにはいつの間に飛び立ったのか、グリフォンの巨体が宙に浮かんでいた。
「うっぽぅっ!?」
私はビックリして奇妙な声を上げながら、慌ててセリカさんを亜空間へと引っ張り込んだ。
私達が亜空間へ避難した刹那、私達の居た場所をグリフォンの火炎放射が薙ぎ払って行った。
「あ、危ないところだった...」
「し、死ぬかと思った...」
私達は亜空間で抱き合いながらお互いの無事を確かめ合った。
「ど、どういうことなんでしょうか...セリカさんの瞬間移動までもグリフォンには読まれていたってことなんでしょうか...」
それじゃまるで未来予知じゃんか!
「わ、分かりませんが、一瞬で私の魔法を探知したってことなんじゃないでしょうか...」
そんなヤツどうやって倒せばいいんだ!? 私は途方に暮れた。
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