空間魔法って実は凄いんです

真理亜

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涙のプレゼント

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 その後、少しずつ雰囲気は良くなって行った。

 ケーキを切り分けたり、セリカさんが収納から出した和洋中のご馳走に舌鼓を打ったりして、次第に私も誕生日を祝って貰っているんだと言う実感が湧いて来て楽しくなって来た。

「ではお待ちかねの誕生日プレゼントです!」

 セリカさんもテンションが上がって来たようだ。

「まずは私から! カリナさん、誕生日おめでとうございます! どうぞ受け取って下さい!」

「ありがとうございます! これは!?」

 私は包装に包まれた箱を開けてみた。

「カリナさんが好きで良く読んでいる、冒険活劇物の小説各種取り揃えです!」

「うわぁ! ありがとうございます! どれもまだ読んだことのない本ばかりですよ!」

 私は本を手に取って感慨に浸っていた。

「喜んで頂いて嬉しい限りです!」

 セリカさんは鼻高々といった感じだ。

「お次はフローラさんからのプレゼントです! フローラさん、勝手ながら私のセンスで選ばせて貰いました! でもきっとフローラさんのイメージに合っているものと自負しております!」

「ありがとうございます!」

 次は可愛らしい包装に包まれた大きな袋だった。私は早速開けてみた。

「うわぁ! 可愛い! これは猫ですかね? こっちは犬かな?」

「はい! 可愛い動物のぬいぐるみ各種取り揃えになります! フローラさん、如何でしょうか? フローラさんの部屋を飾っているぬいぐるみに合わせてみました!」

「素晴らしいです! セリカさん! きっと私もぬいぐるみを選んでいたと思います! ありがとうございました!」

「恐れ入ります!」

 フローラさんもセリカさんも満足そうだ。

「残りのプレゼントはステラさん達が帰ってからお披露目することにしましょうね?」

 そう言ってセリカさんは、フローラさんの手作りケーキの食べ残りを収納した。まだ半分以上残っているので、お三方が帰って来てからまた一緒に食べるつもりなのだろう。

「お二方、本当にありがとうございました! 誕生日がこんなにも楽しい日だったなんて知りませんでした! 本当に! 本当に! 嬉しくて...わ、私...わ、私...」

 もうそこまで言うのが限界だった。お二方の優しさに感激した私は涙が止まらなくなっていた。

「えぇっ~!? か、カリナさん!? ど、どうしちゃったんですか!? な、泣かないで下さいよ~!」

「ウフフ、セリカさん。カリナさんは感激しちゃったみたいですよ?」

「あ、そういうことでしたか!」

「フフフ、微笑ましくて素敵ですね」

 私はお二方の言葉にますます涙が止まらなくなった。


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