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反撃の狼煙

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「アスカさん...」

「ち、違うんです! お、おつまみが美味しくてパクパク食べてたら喉渇いちゃって...」

 アスカさんの言い訳が見苦しい。

「私もパクパク食ってたが、喉渇いたからって酒は飲んでないぞ? ちゃんとジュースで済ませてたぞ?」

「あぅ...」

 ラウムさんに突っ込まれてアスカさんが言葉を失った。

「どうせあれでしょ? 周りで美味しそうにお酒を飲まれて我慢できなかったんでしょ?」

「か、返す言葉もございません...」

 アスカさんが縮こまってしまった。

「私だって我慢してたのに...」

 ラウムさんは呆れ顔だ。そりゃ当然そうなるわな。

「ハァ...まぁ店内では何事もなかったから良かったようなものの、こんな体たらくじゃ店の中はとても任せられません。次からはアスカさんも亜空間組ですからね?」

「はいぃ...」

 アスカさんは更に縮こまってしまった。

「カリナ、そろそろセリカ達を出してあげた方がいいんじゃないか?」

「あ、そうでした」

 私はセリカさんとフローラさんを亜空間から引っ張り出した。

「か、カリナさ~ん! も、問答無用で私を亜空間へと送るなんて酷いですぅ~!」

 セリカさんがプンプン膨れている。

「あぁ、すいません。邪魔だったもんで」

「じゃ、邪魔だなんて酷過ぎますぅ~! わ、私だってお役に立ちたかったのにぃ~!」

「だったら私の前に立たないで下さい」

「か、カリナさんをお守りしようと思ったんですよぉ~!」

「結構です。自分の身は自分で守れますから。それに守るべき対象は私じゃなくてフローラさんですよ? お間違いなく」

「あぅぅ...そ、そうでした...」

 セリカさんがやっと納得したようだ。というか、言っちゃ悪いがセリカさんみたいなポンコツは盾にもならないと思う。

「フローラさん、大丈夫ですか?」

 度重なる襲撃に怯えてしまったのだろう。フローラさんは真っ青な顔色になってしまっていた。まぁ無理もないよね。

「...こんなこといつまで続くんでしょうか...」

「フローラさん、安心して下さい。このままやられっ放しじゃいませんから。明日になったらやり返します。私にちょっと考えがあるんで」

 私は殊更に笑顔を浮かべてそう言った。

「...分かりました...」

「では帰りましょうか。あ、ところで皆さんはどこに宿を取っているんですか?」

『へっ!? 宿!?』

 お三方は揃って首を捻った。

「そう、宿ですよ。まさか取ってないなんてことはないですよね!? こんな真夜中じゃどこも開いてませんよ!?」
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