309 / 462
飛べ!
しおりを挟む
「探すったってこの広い町のどこを探すって言うんですかぁ~?」
引き摺られながらセリカが苦言を呈す。
「取り敢えず大通りの方に行ってみましょう」
「そうだな。片っ端から聞き込みしてみよう」
アスカの提案にラウムが同意した。
「どうでもいいけど、そろそろ離して下さいよぉ~!」
まだ引き摺られたままのセリカが抗議した。
◇◇◇
平日の真っ昼間ということもあり、大通りに人は疎らだった。
「すいません、この人を探しています。見覚えありませんか?」
「とっても可愛らしい女の子なんです。一目見たら忘れないと思います」
「なんでもいい。情報があったら教えてくれ」
三人はバラバラになって文字通り片っ端から道行く人々に聞いて回った。
「フゥ...なんの収穫も無しか...そう簡単にはいかないよな...」
約30分後、三人は大通りの一角に集まっていた。
「場所を変えましょう」
アスカが再び提案する。
「どこに行きます?」
セリカが汗を拭いながら尋ねる。
「この先に市場があるみたいです。そこに行ってみましょう」
「あぁ、それはいいかも知れないな」
「買い物してるかも知れませんもんね。行きましょう」
三人は大通りから離れて市場に向かった。
◇◇◇
「うん!? あれは!?」
市場に着いて聞き込みを開始しようとした時、ラウムがなにか異変に気付いた。
「なんだか柄の悪い連中が屯してますね...」
セリカが言う通り、明らかに破落戸と思われる輩共が集まっていた。
「あ、なんか一斉に移動し始めましたよ?」
アスカが指摘した通り、破落戸共は固まって動き出した。
「...後を尾けてみよう」
しばし考えた後、ラウムはそう言って歩き出した。
「えぇっ!? どうしてですか!?」
「ラウムさん、なにがあるんですか!?」
二人は慌てて後に続きながら問い掛けた。
「分からん...が、なんとなく気になる...」
すると破落戸共は市場から離れ、とある公園の中に入って行った。三人もその後に続く。
「...一体どこに向かってるんだ...」
「というか、後を尾ける意味ってなんかあるんですか!?」
「セリカさん、声が大きいです。気付かれますよ?」
三人はコソコソ話しながら足音を忍ばせて後を尾けて行く。やがて前方に噴水が見えて来た。
破落戸共は噴水の近くで足を止め、なにかを囲うように輪になって広がった。その輪の中心に居るのは...
「あ、あれは!?」
「ま、まさか!?」
「カリナさん!」
言うが早いか、セリカはカリナ目掛けて瞬間移動した。
引き摺られながらセリカが苦言を呈す。
「取り敢えず大通りの方に行ってみましょう」
「そうだな。片っ端から聞き込みしてみよう」
アスカの提案にラウムが同意した。
「どうでもいいけど、そろそろ離して下さいよぉ~!」
まだ引き摺られたままのセリカが抗議した。
◇◇◇
平日の真っ昼間ということもあり、大通りに人は疎らだった。
「すいません、この人を探しています。見覚えありませんか?」
「とっても可愛らしい女の子なんです。一目見たら忘れないと思います」
「なんでもいい。情報があったら教えてくれ」
三人はバラバラになって文字通り片っ端から道行く人々に聞いて回った。
「フゥ...なんの収穫も無しか...そう簡単にはいかないよな...」
約30分後、三人は大通りの一角に集まっていた。
「場所を変えましょう」
アスカが再び提案する。
「どこに行きます?」
セリカが汗を拭いながら尋ねる。
「この先に市場があるみたいです。そこに行ってみましょう」
「あぁ、それはいいかも知れないな」
「買い物してるかも知れませんもんね。行きましょう」
三人は大通りから離れて市場に向かった。
◇◇◇
「うん!? あれは!?」
市場に着いて聞き込みを開始しようとした時、ラウムがなにか異変に気付いた。
「なんだか柄の悪い連中が屯してますね...」
セリカが言う通り、明らかに破落戸と思われる輩共が集まっていた。
「あ、なんか一斉に移動し始めましたよ?」
アスカが指摘した通り、破落戸共は固まって動き出した。
「...後を尾けてみよう」
しばし考えた後、ラウムはそう言って歩き出した。
「えぇっ!? どうしてですか!?」
「ラウムさん、なにがあるんですか!?」
二人は慌てて後に続きながら問い掛けた。
「分からん...が、なんとなく気になる...」
すると破落戸共は市場から離れ、とある公園の中に入って行った。三人もその後に続く。
「...一体どこに向かってるんだ...」
「というか、後を尾ける意味ってなんかあるんですか!?」
「セリカさん、声が大きいです。気付かれますよ?」
三人はコソコソ話しながら足音を忍ばせて後を尾けて行く。やがて前方に噴水が見えて来た。
破落戸共は噴水の近くで足を止め、なにかを囲うように輪になって広がった。その輪の中心に居るのは...
「あ、あれは!?」
「ま、まさか!?」
「カリナさん!」
言うが早いか、セリカはカリナ目掛けて瞬間移動した。
23
お気に入りに追加
3,971
あなたにおすすめの小説

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…

異世界に転生したのでとりあえず好き勝手生きる事にしました
おすし
ファンタジー
買い物の帰り道、神の争いに巻き込まれ命を落とした高校生・桐生 蓮。お詫びとして、神の加護を受け異世界の貴族の次男として転生するが、転生した身はとんでもない加護を受けていて?!転生前のアニメの知識を使い、2度目の人生を好きに生きる少年の王道物語。
※バトル・ほのぼの・街づくり・アホ・ハッピー・シリアス等色々ありです。頭空っぽにして読めるかもです。
※作者は初心者で初投稿なので、優しい目で見てやってください(´・ω・)
更新はめっちゃ不定期です。
※他の作品出すのいや!というかたは、回れ右の方がいいかもです。

聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います
登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」
「え? いいんですか?」
聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。
聖女となった者が皇太子の妻となる。
そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。
皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。
私の一番嫌いなタイプだった。
ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。
そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。
やった!
これで最悪な責務から解放された!
隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。
そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。
『おっさんの元勇者』~Sランクの冒険者はギルドから戦力外通告を言い渡される~
川嶋マサヒロ
ファンタジー
ダンジョン攻略のために作られた冒険者の街、サン・サヴァン。
かつて勇者とも呼ばれたベテラン冒険者のベルナールは、ある日ギルドマスターから戦力外通告を言い渡される。
それはギルド上層部による改革――、方針転換であった。
現役のまま一生を終えようとしていた一人の男は途方にくれる。
引退後の予定は無し。備えて金を貯めていた訳でも無し。
あげく冒険者のヘルプとして、弟子を手伝いスライム退治や、食肉業者の狩りの手伝いなどに精をだしていた。
そして、昔の仲間との再会――。それは新たな戦いへの幕開けだった。
イラストは
ジュエルセイバーFREE 様です。
URL:http://www.jewel-s.jp/

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
最初から最強ぼっちの俺は英雄になります
総長ヒューガ
ファンタジー
いつも通りに一人ぼっちでゲームをしていた、そして疲れて寝ていたら、人々の驚きの声が聞こえた、目を開けてみるとそこにはゲームの世界だった、これから待ち受ける敵にも勝たないといけない、予想外の敵にも勝たないといけないぼっちはゲーム内の英雄になれるのか!

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる