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思わぬ再会
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「フローラさん、大丈夫ですか?」
「は、はい...す、すいません...も、もう大丈夫です...」
フローラさんは気丈にそう言うが、まだ顔色は青いままだ。
「無理しないで下さいね。亜空間で少し休んで下さい」
「は、はい...」
私はフローラさんを亜空間に送った。
「あ、そう言えば」
酔っ払いのことをすっかり忘れていた私は、ステラさんを隔離している空間を覗いてみた。
「まだ寝てるよ...」
さすがにそろそろ起こそうと思った私は、
「ほれほれ、とっくに日は昇ってますよ?」
ゲシゲシと足蹴にした。それにしてもホントにお酒臭いな...
「うぅぅ...み、水...」
ステラさんが頭を抑えながらヨロヨロと起き上がった。
「しょうがないですねぇ...はい、水」
私はため息を吐きながらミネラルウォーターの瓶を渡した。
「ゴクゴクッ! フゥ~! 生き返った...」
「全くもう...飲み過ぎないようにってあれほど言っておいたじゃないですか?」
「うぅ...め、面目次第もございません...」
「なにもなかったから良かったようなものの、酔い潰れて使い物にならなくなるなんて護衛失格ですよ? そこんとこ、ちゃんと分かってます?」
「うぅぅ...か、返す言葉もございません...」
「ほれほれ、まずは外に出ますよ? 顔くらい洗って下さい。酷い顔してますよ?」
「は、はいぃ...」
私はステラさんを亜空間から引っ張り出した。すると、
「うぅぅ...」
「今度はどうしました?」
「た、太陽が眩しい...」
「我慢しなさい」
私は近くの公園にステラさんを引き摺るようにして連れて行った。公園の真ん中には小さな噴水がある。
「ほら、顔を洗えますよ?」
「は、はいぃ...」
ステラさんはバシャッバシャッと顔を洗い出したが、
「うぅぅ...」
また呻き出した。
「今度はなんですか?」
「あ、頭が割れるように痛い...」
「そんなこと知りませんよ」
自業自得だ。同情の余地はない。
「うぅぅ...」
ついにステラさんは踞ってしまった。その時だった。
「ステラさん、どうやら囲まれたようです」
今までのような冒険者風の輩共ではない。見るからに破落戸風の輩共が下卑た嗤いを浮かべながら近付いて来る。
「ステラさん、お仕事の時間ですよ? って、無理っぽいですね」
「うぅぅ...申し訳ございません...」
私は役に立たないステラさんを亜空間に放り込んだ。
「さて、ちゃちゃっと片付けますかね」
私が破落戸共に向き合った時だった。
「カリナさ~ん!」
とても聞き覚えのある声と共に、誰かが私に抱き付いて来た。
「どわっ!? な、なになに!?」
私が面食らっていると、
「カリナさ~ん! 会いたかった~!」
涙で顔をグシャグシャにしたセリカさんの姿がそこにあった。
「は、はい...す、すいません...も、もう大丈夫です...」
フローラさんは気丈にそう言うが、まだ顔色は青いままだ。
「無理しないで下さいね。亜空間で少し休んで下さい」
「は、はい...」
私はフローラさんを亜空間に送った。
「あ、そう言えば」
酔っ払いのことをすっかり忘れていた私は、ステラさんを隔離している空間を覗いてみた。
「まだ寝てるよ...」
さすがにそろそろ起こそうと思った私は、
「ほれほれ、とっくに日は昇ってますよ?」
ゲシゲシと足蹴にした。それにしてもホントにお酒臭いな...
「うぅぅ...み、水...」
ステラさんが頭を抑えながらヨロヨロと起き上がった。
「しょうがないですねぇ...はい、水」
私はため息を吐きながらミネラルウォーターの瓶を渡した。
「ゴクゴクッ! フゥ~! 生き返った...」
「全くもう...飲み過ぎないようにってあれほど言っておいたじゃないですか?」
「うぅ...め、面目次第もございません...」
「なにもなかったから良かったようなものの、酔い潰れて使い物にならなくなるなんて護衛失格ですよ? そこんとこ、ちゃんと分かってます?」
「うぅぅ...か、返す言葉もございません...」
「ほれほれ、まずは外に出ますよ? 顔くらい洗って下さい。酷い顔してますよ?」
「は、はいぃ...」
私はステラさんを亜空間から引っ張り出した。すると、
「うぅぅ...」
「今度はどうしました?」
「た、太陽が眩しい...」
「我慢しなさい」
私は近くの公園にステラさんを引き摺るようにして連れて行った。公園の真ん中には小さな噴水がある。
「ほら、顔を洗えますよ?」
「は、はいぃ...」
ステラさんはバシャッバシャッと顔を洗い出したが、
「うぅぅ...」
また呻き出した。
「今度はなんですか?」
「あ、頭が割れるように痛い...」
「そんなこと知りませんよ」
自業自得だ。同情の余地はない。
「うぅぅ...」
ついにステラさんは踞ってしまった。その時だった。
「ステラさん、どうやら囲まれたようです」
今までのような冒険者風の輩共ではない。見るからに破落戸風の輩共が下卑た嗤いを浮かべながら近付いて来る。
「ステラさん、お仕事の時間ですよ? って、無理っぽいですね」
「うぅぅ...申し訳ございません...」
私は役に立たないステラさんを亜空間に放り込んだ。
「さて、ちゃちゃっと片付けますかね」
私が破落戸共に向き合った時だった。
「カリナさ~ん!」
とても聞き覚えのある声と共に、誰かが私に抱き付いて来た。
「どわっ!? な、なになに!?」
私が面食らっていると、
「カリナさ~ん! 会いたかった~!」
涙で顔をグシャグシャにしたセリカさんの姿がそこにあった。
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