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仕方なし
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「いえ、私一人で間に合ってますんで...」
「そんなこと言わずに! お願いします!」
「というか、そもそも私の雇い主はフローラさんなんですよね...だから私に言われても...」
段々面倒臭くなって来た私は、そう言ってフローラさんに振ったのだが、フローラさんはフローラさんで露骨に迷惑そうな表情になってしまった。うん、そりゃそうだよね...フローラさんゴメン...
「ではフローラさんにお願いします! 私も雇って下さい! もちろん無給で構いませんので! どうかお願いします!」
「そう言われましても...」
「こう見えても私、腕っぷしは結構強い方なんできっとお役に立ちますよ!」
「ハァ...」
その時、私は周りの気配が変わったことに気付いた。オープンカフェなんで通りに面してる訳だが、人混みに紛れてこちらを伺っている視線が複数。
どうやら囲まれたらしい。懲りない連中だ。
「ところでフローラさんはどんなヤツに狙われているんですか?」
「そ、それは...」
「ステラさん、フローラさんを狙っているのはああいうヤツらです」
そう言って私は、店の周りを囲んだ輩共を指差した。
「なるほど! 見るからに悪人顔ですね! 私にお任せ下さい!」
そう言うなりステラさんは、店の周りを囲っている輩共の中に突っ込んで行った。
「ウリャアッ! ドリャアッ! ゴラァッ!」
ステラさんはちぎっては投げ、ちぎっては投げといった感じで次々と輩共の数を減らして行く。
「か、カリナさん...ほ、放っておいていいんでしょうか...」
「フローラさん、心配要りませんよ。なんてったってステラさんは脳筋ですから。あんな輩共なんか束になったって敵いっこありません」
「ハァ...そういうもんなんですか...」
「はい、なにせ脳筋ですから」
「脳筋ってそんな便利な言葉でしたっけ...」
そんなアホな会話を交わしている間に、全員を片付けたステラさんが意気揚々と引き上げて来た。
「どうですか! フローラさん! 私、頼りになるでしょう!?」
「そ、そうですね...」
「雇って貰えますよね!?」
「え、え~と...」
困り果てた様子のフローラさんが、助けを求めるように私を見て来た。これはもうしょうがないな...フローラさんにこれ以上迷惑を掛ける訳にはいかないし...
「フローラさん、仕方ありません。雇ってあげて下さい。私が全責任を持ちますので」
「ハァ...カリナさんがそうおっしゃっるなら...」
「ありがとうございます! 私、頑張りますね!」
ステラさんはとっても良い笑顔を浮かべてそう言った。
「そんなこと言わずに! お願いします!」
「というか、そもそも私の雇い主はフローラさんなんですよね...だから私に言われても...」
段々面倒臭くなって来た私は、そう言ってフローラさんに振ったのだが、フローラさんはフローラさんで露骨に迷惑そうな表情になってしまった。うん、そりゃそうだよね...フローラさんゴメン...
「ではフローラさんにお願いします! 私も雇って下さい! もちろん無給で構いませんので! どうかお願いします!」
「そう言われましても...」
「こう見えても私、腕っぷしは結構強い方なんできっとお役に立ちますよ!」
「ハァ...」
その時、私は周りの気配が変わったことに気付いた。オープンカフェなんで通りに面してる訳だが、人混みに紛れてこちらを伺っている視線が複数。
どうやら囲まれたらしい。懲りない連中だ。
「ところでフローラさんはどんなヤツに狙われているんですか?」
「そ、それは...」
「ステラさん、フローラさんを狙っているのはああいうヤツらです」
そう言って私は、店の周りを囲んだ輩共を指差した。
「なるほど! 見るからに悪人顔ですね! 私にお任せ下さい!」
そう言うなりステラさんは、店の周りを囲っている輩共の中に突っ込んで行った。
「ウリャアッ! ドリャアッ! ゴラァッ!」
ステラさんはちぎっては投げ、ちぎっては投げといった感じで次々と輩共の数を減らして行く。
「か、カリナさん...ほ、放っておいていいんでしょうか...」
「フローラさん、心配要りませんよ。なんてったってステラさんは脳筋ですから。あんな輩共なんか束になったって敵いっこありません」
「ハァ...そういうもんなんですか...」
「はい、なにせ脳筋ですから」
「脳筋ってそんな便利な言葉でしたっけ...」
そんなアホな会話を交わしている間に、全員を片付けたステラさんが意気揚々と引き上げて来た。
「どうですか! フローラさん! 私、頼りになるでしょう!?」
「そ、そうですね...」
「雇って貰えますよね!?」
「え、え~と...」
困り果てた様子のフローラさんが、助けを求めるように私を見て来た。これはもうしょうがないな...フローラさんにこれ以上迷惑を掛ける訳にはいかないし...
「フローラさん、仕方ありません。雇ってあげて下さい。私が全責任を持ちますので」
「ハァ...カリナさんがそうおっしゃっるなら...」
「ありがとうございます! 私、頑張りますね!」
ステラさんはとっても良い笑顔を浮かべてそう言った。
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