空間魔法って実は凄いんです

真理亜

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捜索

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「わ、私、上空から探してみます!」

 言うが早いか、既に全裸となったステラは外に飛び出して行ってしまった。

「お、おい! ちょ、ちょっと待てステラ!」

 カリナがずっと亜空間に潜んだまま移動していたら、上空からだろうがどこからだろうが、見付けることなんか出来ないだろうに。

 そう言おうと思ったのだが、ステラは既に空の上だった。

「う~ん...騒がしいなぁ...ママぁ、なんかあったのぉ~?」

 騒がしくしていたせいか、お昼寝していたルキノが起き出して来てしまった。

「あ、あぁ、ゴメンね、ルキノ...騒がしくしちゃって...なんでもないのよ...気にしないで...」

 アスカは取り繕ったような笑みを浮かべてそう言った。とてもじゃないが、ルキノに真実を伝えることは出来そうになかった。なにせルキノが一番良く懐いていたのはカリナだったのだから...

「ふうん...そうなんだ...まぁいいけど、それよりもカリナお姉ちゃんはどこ?」

「えっ!? あ、あの、そ、それは...」

 突然の我が娘の問い掛けにアスカがしどろもどろになる。見かねたラウムが、

「る、ルキノ、か、カリナお姉ちゃんはな...い、今ちょっと...そ、その...お、お出掛け! そう、お出掛けしてるんだよ!」

 咄嗟にそう言い繕った。

「えっ!? そうなの!? おかしいな...」

 ルキノが首を捻る。

「な、なにが!?」

 ラウムの顔に脂汗が浮かぶ。

「だってさっきまでカリナお姉ちゃん、ルキノの部屋に居たもの」 

「な、なんだって!?」

「る、ルキノ! そ、それ本当なの!?」

 ラウムとアスカの二人が凄い勢いで食い付いた。

「う、うん...た、多分...」

 その勢いに若干引いたルキノは自信無さげにそう答えた。

「多分って!?」

「う~ん...もしかしたら夢を見ていたのかも知んない」

「夢!? どんな!?」

「カリナお姉ちゃんが泣いてる夢」

 そのルキノの言葉に、アスカとラウムの二人は凍り付いたように固まってしまった。

「カリナお姉ちゃんね、泣きながらルキノの髪を撫でてなんか言ってたんだよね。なんて言ったのか良く覚えてないけど。あれって夢だったのかなぁ...うぷっ!? ま、ママ!?」

 限界に達したアスカは、ルキノを抱き締めて声を押し殺しながら涙を流した。そんな二人を呆然と見詰めるラウムの目にも涙が光っていた。

「ま、ママ!? ど、どうしたの!? 泣いてるの!?」

 ルキノだけが訳が分からず戸惑っていた。

「な、なんでもないのよ...ルキノ、ママちょっとお出掛けするからお留守番しててくれる?」

「う、うん、分かった...」

「ベビーシッターさんには連絡しておくからね...ラウムさん、行きましょう!」

「あぁ、分かった!」

 二人は涙を拭いてパーティーホームを飛び出し、カリナを探しに向かった。当てなんかなかったが、ジッとなんかしていられなかったからだ。
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