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呆気ない終局
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セリカさんとラウムさんが黙り込んでしまった。
やっぱりちょっと無理があったかな?
「その...済まん、カリナ。いくら私でも地竜を一撃で仕留める自信はない...」
「す、すいません...わ、私には敵の懐に飛び込む度胸がありません...」
そっかぁ...それじゃあ仕方ないよね...
「分かりました。別の作戦を考えましょう」
「済まん...」
「ご、ゴメンなさい...」
「いえいえ、気にしないで下さい。確かにちょっと無謀な作戦だったようですし」
しかし困ったな...他にはなんも思い付かないぞ...そうこうしている間にもどんどん地竜は近付いて来るし、冒険者達も騎士団達も手を拱いているようだし...
いや、策が全くない訳じゃないんだけど...それは本当の最後の最後に取っておきたいっていうか、出来れば使いたくないというか...
なにせこの場に集まった全ての人々の苦労が、いっぺんで台無しになっちゃうような策なんだよね...
「クエッ!」
その時、いつの間にか空に上がっていたステラさんが警戒するように鳴き声を上げた。見ると地竜の体全体が淡く光り始めている。
非常にイヤな予感がした私は、物も言わずにラウムさんとセリカさんを亜空間に引っ張り込んだ。
「うおっ!? な、何事だ!?」
「び、ビックリしました! ここはカリナさんの亜空間の中!?」
お二人に説明しようとした次の瞬間、地竜の体を中心として同心円状に地面に罅が入り、地竜を囲っていた冒険者達と騎士団達が全て地面に倒れ込んでしまった。
「えっ!? 一体なにが起こったの!?」
「恐らく地竜の特殊攻撃です」
一足先に亜空間へ避難させておいたアスカさんがそう言った。
「特殊攻撃!?」
「えぇ、火竜なら口から火を吹いたり、水竜なら局地的に洪水を起こしたり、風竜なら竜巻を起こしたりすると聞きました。地竜の特殊攻撃は地震を起こす力のようですね」
「なるほど。そういうことですか」
なんにしてもこれで戦況は決した。冒険者達や騎士団達の中にはまだ立ち上がれない人達も居る。前線は完全に崩壊してしまった。
それを確認した地竜はまた地面の下に潜ろうとしている。
「マズいです! また潜られたら王都まで遮るものがありません!」
王都にルキノちゃんを一人残して来ているアスカさんは気が気じゃないだろうな。だから私は、
「安心して下さい。絶対に地竜を王都へは行かせません」
そう言って亜空間を伝い地竜の元へと向かう。そして今にも地面の下に潜り込もうとしている地竜の体に触れ、その巨体を亜空間へと放り込んだ。
これにて一件落着。
やっぱりちょっと無理があったかな?
「その...済まん、カリナ。いくら私でも地竜を一撃で仕留める自信はない...」
「す、すいません...わ、私には敵の懐に飛び込む度胸がありません...」
そっかぁ...それじゃあ仕方ないよね...
「分かりました。別の作戦を考えましょう」
「済まん...」
「ご、ゴメンなさい...」
「いえいえ、気にしないで下さい。確かにちょっと無謀な作戦だったようですし」
しかし困ったな...他にはなんも思い付かないぞ...そうこうしている間にもどんどん地竜は近付いて来るし、冒険者達も騎士団達も手を拱いているようだし...
いや、策が全くない訳じゃないんだけど...それは本当の最後の最後に取っておきたいっていうか、出来れば使いたくないというか...
なにせこの場に集まった全ての人々の苦労が、いっぺんで台無しになっちゃうような策なんだよね...
「クエッ!」
その時、いつの間にか空に上がっていたステラさんが警戒するように鳴き声を上げた。見ると地竜の体全体が淡く光り始めている。
非常にイヤな予感がした私は、物も言わずにラウムさんとセリカさんを亜空間に引っ張り込んだ。
「うおっ!? な、何事だ!?」
「び、ビックリしました! ここはカリナさんの亜空間の中!?」
お二人に説明しようとした次の瞬間、地竜の体を中心として同心円状に地面に罅が入り、地竜を囲っていた冒険者達と騎士団達が全て地面に倒れ込んでしまった。
「えっ!? 一体なにが起こったの!?」
「恐らく地竜の特殊攻撃です」
一足先に亜空間へ避難させておいたアスカさんがそう言った。
「特殊攻撃!?」
「えぇ、火竜なら口から火を吹いたり、水竜なら局地的に洪水を起こしたり、風竜なら竜巻を起こしたりすると聞きました。地竜の特殊攻撃は地震を起こす力のようですね」
「なるほど。そういうことですか」
なんにしてもこれで戦況は決した。冒険者達や騎士団達の中にはまだ立ち上がれない人達も居る。前線は完全に崩壊してしまった。
それを確認した地竜はまた地面の下に潜ろうとしている。
「マズいです! また潜られたら王都まで遮るものがありません!」
王都にルキノちゃんを一人残して来ているアスカさんは気が気じゃないだろうな。だから私は、
「安心して下さい。絶対に地竜を王都へは行かせません」
そう言って亜空間を伝い地竜の元へと向かう。そして今にも地面の下に潜り込もうとしている地竜の体に触れ、その巨体を亜空間へと放り込んだ。
これにて一件落着。
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