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最終防衛ライン
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「ギルマス、地竜の大きさはどれくらいなんだ?」
「報告によるとハッキリとは分からないが、少なく見積っても20m超クラスだそうだ」
「かなりの大物だな...それで進行速度は?」
「それはまだあまり速くないようだ。遭遇した冒険者達が走って逃げられたくらいだからな」
「そうか...だが目標が決まったら...」
「あるいは腹を空かせたら....」
「あぁ、確実に速度を上げて来るだろうな...」
「こうしちゃいられねぇ! 王都の外に防衛線を張るぞ! 手が空いてるヤツらは付いて来い! ギルマス! 騎士団はいつ頃来る?」
「王城を出発したらしいから、そろそろ着く頃だろう」
「良し! じゃあ行くぞ! てめぇら、俺様に付いて来い!」
『応!』
なんだかどんどん話が先に進んで付いていけないんだけど...というより、さっきから仕切ってるこの人誰?
すると、私が助けを求めるように向けた視線に気付いたステラさんが、そっと耳打ちして教えてくれた。
「あの人はアレックス。ここのギルド最強の冒険者と言っても過言ではない人です。以前はギルマスが率いていたパーティーに所属していた人らしいですよ?」
「なるほど。だからみんな従うんですね」
「えぇ、ギルマスと唯一対等な立場にある人ってことになりますね」
私達は王都の外へと歩きながら会話している。
「ステラさん、申し訳ありませんがひとっ飛びして貰えませんか? 他の皆さんに状況を説明して連れて来て欲しいんです」
「それは構いませんが...私が抜けて大丈夫でしょうか...敵前逃亡と思われないか心配になります...」
「大丈夫だと思います。私達、列の最後尾ですし。一人くらい抜けても目立たないでしょう。それでもなにか言われたら、ウチのパーティーメンバーを集めに行ったんだと説明しますよ。パーティーリーダーの私が残っていれば問題ないでしょう」
「分かりました。じゃあ次の角を曲がったらそっと抜け出しますね」
「お願いします」
私は次の角を曲がる際、体でステラさんをブロックして前から見えないようにした。上手く行ったようで、ステラさんが抜け出したことは誰にも気付かれなかった。
やがて王都を出て街道に出た私達は、しばらく歩いて街道が少し狭くなっている地点に到着した。ちょうど街道の両側から大きな木が迫り出しているせいか道幅がやけに狭く感じる。
「良し! この辺りに防衛線を張る! てめぇら! 周りの木を切り倒せ!」
『応!』
どうやらここが最終防衛ラインになるらしい。
私は木を切り倒すのは無理なので、邪魔にならないよう後ろに控えていた。
「報告によるとハッキリとは分からないが、少なく見積っても20m超クラスだそうだ」
「かなりの大物だな...それで進行速度は?」
「それはまだあまり速くないようだ。遭遇した冒険者達が走って逃げられたくらいだからな」
「そうか...だが目標が決まったら...」
「あるいは腹を空かせたら....」
「あぁ、確実に速度を上げて来るだろうな...」
「こうしちゃいられねぇ! 王都の外に防衛線を張るぞ! 手が空いてるヤツらは付いて来い! ギルマス! 騎士団はいつ頃来る?」
「王城を出発したらしいから、そろそろ着く頃だろう」
「良し! じゃあ行くぞ! てめぇら、俺様に付いて来い!」
『応!』
なんだかどんどん話が先に進んで付いていけないんだけど...というより、さっきから仕切ってるこの人誰?
すると、私が助けを求めるように向けた視線に気付いたステラさんが、そっと耳打ちして教えてくれた。
「あの人はアレックス。ここのギルド最強の冒険者と言っても過言ではない人です。以前はギルマスが率いていたパーティーに所属していた人らしいですよ?」
「なるほど。だからみんな従うんですね」
「えぇ、ギルマスと唯一対等な立場にある人ってことになりますね」
私達は王都の外へと歩きながら会話している。
「ステラさん、申し訳ありませんがひとっ飛びして貰えませんか? 他の皆さんに状況を説明して連れて来て欲しいんです」
「それは構いませんが...私が抜けて大丈夫でしょうか...敵前逃亡と思われないか心配になります...」
「大丈夫だと思います。私達、列の最後尾ですし。一人くらい抜けても目立たないでしょう。それでもなにか言われたら、ウチのパーティーメンバーを集めに行ったんだと説明しますよ。パーティーリーダーの私が残っていれば問題ないでしょう」
「分かりました。じゃあ次の角を曲がったらそっと抜け出しますね」
「お願いします」
私は次の角を曲がる際、体でステラさんをブロックして前から見えないようにした。上手く行ったようで、ステラさんが抜け出したことは誰にも気付かれなかった。
やがて王都を出て街道に出た私達は、しばらく歩いて街道が少し狭くなっている地点に到着した。ちょうど街道の両側から大きな木が迫り出しているせいか道幅がやけに狭く感じる。
「良し! この辺りに防衛線を張る! てめぇら! 周りの木を切り倒せ!」
『応!』
どうやらここが最終防衛ラインになるらしい。
私は木を切り倒すのは無理なので、邪魔にならないよう後ろに控えていた。
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